目的.CTおよびPET/CTによる肺癌術前N1診断について検討を行った.
方法.リンパ節郭清を伴う肺葉切除を行った非小細胞肺癌109例を対象とし,郭清したN1リンパ節に相当する画像上のリンパ節の短径およびPETの最大標準摂取率(SUVmax)を測定した.
結果.合計306箇所のN1リンパ節の評価を行った.CT診断では,短径のcutoff値を10 mmとすると,感度および特異度は,リンパ節単位で44.0%および93.4%,症例単位で42.9%および81.8%であった.PET/CT診断では,SUVmaxのcutoff値を2.5とすると,感度および特異度は,リンパ節単位で52.0%および87.5%,症例単位で52.4%および76.1%であった.PETで対称性集積を認めた症例は33例あり,これらを除いた76例での検討では,感度および特異度は,リンパ節単位で62.5%および85.0%,症例単位で56.3%および90.0%であった.
結論.N1診断では,PET/CTはCTに比べ感度は良好であったが,特異度は劣っていた.PETで対称性集積を示す場合,診断は困難であることを念頭に置くべきである.
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