背景.EGFR-TKIの耐性機序のひとつとして,SCLCへの転化があり,SCLCに準じた化学療法が奏効するとの報告がなされている.
症例.症例は47歳,女性.2010年に肺腺癌(pT2aN2M0, stage IIIA)にて,左上葉切除術を施行.その後再発し,2012年よりゲフィチニブでの治療を開始.腫瘍は縮小しPRを維持していたが,2013年に急速な胸水増加と胸膜病変の増大,NSEの上昇がみられ,胸水細胞診で小細胞癌と診断.カルボプラチン(CBDCA)+エトポシド(ETP)による化学療法が奏効するも,CEAの上昇と胸膜病変の再増大があり,ゲフィチニブの再開により改善.しかし,半年後に再度胸膜病変の増大がみられた.その後,胸膜病変からのCTガイド下肺生検の組織診で小細胞癌と診断され,同検体からEGFR遺伝子変異が検出された.
結論.EGFR変異陽性肺腺癌の耐性機序として,少ないながらも小細胞癌への転化があることを念頭において診断治療を行うことが重要と考えられた.
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