肺癌
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60 巻, 7 号
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委員会報告
総説
  • 井上 彰
    2020 年 60 巻 7 号 p. 936-941
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    進行肺がんがエビデンスの先駆けとなった「早期からの緩和ケア」は,苦痛症状への対処や精神的ケアにとどまらず,多岐にわたるアプローチで患者のQOLを保ち,延命効果にもつながることが示されている.適切な病状認識と治療目標の確認により,無益な抗がん治療の継続が避けられ,終末期に向けた準備が余裕をもって行われる(アドバンス・ケア・プランニングもその一環として重要である).がん治療医は,エビデンスに乏しい抗がん治療に執着せず,患者の臨床経過を先読みするスキルが求められ,いくつかの予後予測指標も有用である.患者に侵襲を与えないコミュニケーションスキルも必要とされるが,それを補う意味でも緩和ケア専門家との連携は有用である.がん治療医には,患者の価値観を尊重し,患者・家族にとって真に有益な治療を提供する姿勢が求められる.

  • 藪内 英剛, 神谷 武志, 鷺山 幸二, 山崎 誘三, 樋田 知之, 松浦 由布子, 石神 康生
    2020 年 60 巻 7 号 p. 942-950
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    肺癌の薬剤療法では個別化医療が進んでおり,遺伝子解析により薬剤の選択は細分化しているが,効果判定において画像診断は重要な役割を果たしている.Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)v1.1は,簡便で客観性の高い判定方法として,一般臨床では特に進行(progressive disease:PD)の判断根拠として,臨床試験では第三者による客観的評価として広く用いられているが,主にCTやMRIによる腫瘍の最大径のみで判定されるため,様々な欠点を含んでいる.個別化医療の時代ではRECIST v1.1による効果判定の限界も明らかになってきており,機能画像による効果判定や予後予測の研究が進んでいる.本稿では,RECIST v1.1に基づいた効果判定の注意点や問題点,近年の機能画像による効果判定の知見,免疫チェックポイント阻害薬の効果判定の留意点を概説する.

原著
  • 太田 安彦, 懸川 誠一, 北 俊之, 南麻 紀子, 川島 篤弘
    2020 年 60 巻 7 号 p. 951-957
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    目的.原発性肺癌の縮小手術として楔状切除(以下WR)はしばしば用いられているが,その適応はなお不明確である.消極的縮小手術としてのWRの治療成績を検討した.方法.2007年4月より2020年3月までに原発性肺癌に対して消極的縮小手術としてWRが施行された93例を対象とし,その外科治療成績を検討した.結果.完全切除は84例(90.3%)に施行し得た.病期別にみると,消極的縮小手術群の3および5年生存率はIA期でそれぞれ74.7%と67.3%,IB期で66.3%と41.4%,II期で48.0%と24.0%であった.予後因子解析では,腫瘍径の予後因子としての意義は確認できず,性別,組織型,臓側胸膜浸潤が有意な予後因子となった.術後再発は29例(34.5%)に認め,その内訳は遠隔再発14例,局所再発13例(うち断端再発8例),両者複合再発2例であった.術後合併症は9例(9.7%)に認めたが,重篤なものはなく,積極的WRの合併症発生率との間に有意差はなかった.結論.I期肺癌において,消極的縮小手術WRは認容性の高い術式と思われる.

  • 藤本 栄, 湊 浩一, 小野里 良一, 藤田 敦
    2020 年 60 巻 7 号 p. 958-965
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    目的.肺癌患者の腫瘍微小環境(TME)の免疫状態が免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果に影響している.末梢血白血球分画とTMEでの腫瘍浸潤白血球分画との関係を文献的に調べ,末梢血白血球分画でICIの有効な免疫状態を探索した.方法.2016年2月~2019年10月までに当院にてICI単剤を投与された非小細胞肺癌83症例において,ICI投与時(Day 1)とICI投与後42日(Day 43)の末梢血白血球分画を無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)に対してCox回帰解析を行った.結果.Day 1の末梢血において,好酸球数が高いほどPFSを有意に良好にし,単球数が高いほどPFSとOSを有意に不良にした.Day 43の末梢血において,好酸球数とリンパ球数が高いほどPFSとOSを有意に良好にし,好塩基球数と単球数が高いほどPFSとOSを有意に不良にした.Day 1に比べDay 43の末梢血好中球数が高いほど,PFSとOSを有意に不良にした.結論.ICI治療の効果と末梢血白血球分画は関連している.

  • 有安 亮, 内堀 健, 田中 寿志, 宮内 栄作, 川嶋 庸介, 大柳 文義, 堀池 篤, 酒谷 俊雄, 齊木 雅史, 丹保 裕一, 谷本 ...
    2020 年 60 巻 7 号 p. 966-971
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    目的.局所進行非小細胞肺癌患者に対しデュルバルマブが用いられるようになったが,どの程度非投与患者がいるのか明確でなく,投与割合を調査し,投与回避理由を調査した.研究計画.肺癌治療専門医がいる12施設のデータを後方視的に評価した.2018年5月から2019年12月に治療された局所進行非小細胞肺癌患者を対象とした.デュルバルマブの投与群と非投与群で患者背景を比較し,非投与理由を質問票で確認した.結果.199人が化学放射線療法を施行され,169人(84.9%)にデュルバルマブが投与された.年齢中央値が非投与群で有意に高く(70歳 vs 67歳,p=0.0465),PS≧1の患者が非投与群で有意に多かった(65.5% vs 40.4%,p=0.0148).質問票により確認された非投与理由は,「化学放射線療法の副作用」7例,「患者希望」5例,「腫瘍進行」4例,「PS低下」「遺伝子変異陽性」3例,「自己免疫疾患の合併」2例であった.結論.デュルバルマブは84.9%の患者に投与され,投与回避要因として,年齢,PS,化学放射線療法の有害事象,遺伝子変異などがあった.

  • 橋本 昌樹, 結城 美智子, 中道 徹, 中村 晃史, 黒田 鮎美, 松本 成司, 近藤 展行, 佐藤 鮎子, 辻村 亨, 長谷川 誠紀
    2020 年 60 巻 7 号 p. 972-978
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    目的.悪性胸膜中皮腫(MPM)の胸水細胞診にセルブロック(CB)が行われるようになってきたが,その有用性は十分に検証されていない.方法.2018年1月から同年12月の間にMPMを疑い全身麻酔下胸膜生検が施行された44例のうち,生検前にCBを併用した胸水細胞診が行われた25例を対象とし,胸膜生検の診断結果とCBを併用した胸水細胞診の判定結果を後ろ向きに比較した.結果.25例中,22例は胸膜生検でMPMと診断され,3例で悪性所見は認めなかった.MPMと診断された22例のうち18例は胸水細胞診で悪性細胞を認めpositiveとされたが,残りの3例は異型細胞を認めたが悪性と断定できずsuspiciousと,1例は異型細胞を認めずnegativeと判定された.胸膜生検で悪性所見を認めなかった3例は胸水細胞診でもnegativeと判定されていた.MPM診断におけるCBを併用した胸水細胞診の感度は81.8%(18/22),特異度100%(3/3),陽性的中率100%(18/18),陰性的中率42.9%(3/7)であった.結論.MPM診断においてCBを併用した胸水細胞診は有用である.

症例
  • 土田 浩之, 棚橋 雅幸, 鈴木 恵理子, 吉井 直子, 渡邊 拓弥, 千馬 謙亮, 喚田 祥吾, 井口 拳輔, 内山 粹葉
    2020 年 60 巻 7 号 p. 979-984
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.肺類上皮血管内皮腫は比較的稀な低悪性度腫瘍であり,本疾患に確立した治療法は存在せず,緩徐進行例は無治療経過観察となることが多い.症例.症例は70歳男性.胸部外傷にて撮影された胸部computed tomography(CT)で,両肺びまん性多発結節影を指摘された.18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography/CT(FDG-PET/CT)では肺野病変を含め全身に異常集積を認めなかったが,半年後に撮影されたCTでは両肺多発結節影のわずかな増大を認めた.原発不明癌の多発肺転移,肉芽腫性疾患や感染性結節を疑い,診断目的に胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.病変は弾性硬の黄白色調充実性結節で,周囲への浸潤所見を認めなかった.病理検査で免疫組織学的に第VIII因子関連抗原などが陽性であったため,肺類上皮血管内皮腫の診断となった.本疾患に対する確立した治療法は存在せず,無治療経過観察とした.結論.CT所見においてびまん性多発肺結節影を呈する鑑別疾患として,稀ではあるが本疾患も考慮すべきである.本症例において今後も注意深い経過観察が必要である.

  • 折中 雅美, 伊藤 利泰, 角田 陽平, 石井 あずさ, 加藤 さや佳, 粥川 貴文, 小林 正宏, 宮松 晶子, 龍華 祥雄, 浅野 周一
    2020 年 60 巻 7 号 p. 985-990
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.根治的化学放射線治療後の地固め療法としてデュルバルマブ投与の有効性が示され,切除不能III期非小細胞肺癌の標準的治療として用いられるようになった.同治療においては肺障害が高頻度でみられ,そのマネジメントが非常に重要である.症例.65歳,男性.右上葉肺扁平上皮癌(cT3N1M0)に対し,初回治療として化学放射線療法を施行した.腫瘍縮小が得られたため,照射終了7日後よりデュルバルマブ投与を開始した.8コース投与後,発熱・右胸痛があり,胸部CTを撮影したところ右上葉を中心に広範な浸潤影,すりガラス影を認めた.抗菌薬とともにステロイド投与を開始したが,8日後に再検したCTでは浸潤影は広範な空洞へと変化した.空洞は照射範囲に一致,葉間を超えて広がり,空洞内部の葉間胸膜は残存していた.気管支鏡検査では有意な病原体は検出されず,その後,感染合併やDICにより状態悪化,肺障害出現後,約1か月で永眠された.臨床経過と剖検所見より,デュルバルマブ使用と放射線照射に伴う肺障害,肺壊死と考えられた.結論.化学放射線治療後,デュルバルマブ投与中に広範な肺壊死を生じた症例を経験した.

  • 大平 悠美, 小林 禅, 山下 高明, 石原 正一郎, 冨滿 弘之, 新谷 周三
    2020 年 60 巻 7 号 p. 991-994
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞肺癌などの複数の癌に使用されているが,時に末梢神経障害を含め様々な免疫関連有害事象を引き起こす.免疫チェックポイント阻害剤投与後の末梢神経障害発症までの時間は,5日~5か月と症例によりばらつきが大きい.今回我々は,ニボルマブ投与4日後にギランバレー症候群様の急性脱髄性多発神経障害を発症した肺腺癌患者を報告する.症例.77歳,男性.IV期肺腺癌に対してニボルマブを開始し,4日後より四肢に対称性,下肢優位の運動感覚障害が出現し,歩行不能となった.末梢神経伝導検査より急性脱髄性多発神経障害と診断し,免疫グロブリン療法,メチルプレドニゾロンパルス療法を併用し,運動感覚障害は改善した.結論.これまでの免疫チェックポイント阻害剤投与後の末梢神経障害の報告と比べ,本例の末梢神経障害発症までの期間は最も短かった.急性脱髄性多発神経障害は,ニボルマブ投与1週以内に生じ得る免疫関連有害事象として留意する必要がある.

  • 上垣 内篤, 三村 剛史, 原田 洋明, 倉岡 和矢, 三登 峰代, 中野 喜久雄, 山下 芳典
    2020 年 60 巻 7 号 p. 995-1000
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.低悪性度胎児型腺癌は,WHOの肺癌組織分類(第4版)において腺癌の特殊型として分類される稀な腫瘍である.若年者に好発し予後は良好とされる.症例.33歳女性.胸部違和感,呼吸困難を主訴に近医を受診し,胸部単純X線写真で異常陰影を指摘され当院に紹介となった.胸部CTで右肺上葉に7.5 cm大の腫瘤を認め,上大静脈や胸壁を圧排していた.気管支鏡検査では上葉気管支基部に腫瘍の露出を認め,生検で腺癌と診断された.右上葉肺腺癌(cT4N0M0 Stage IIIA)の診断で術前化学放射線治療の施行を考慮したが,縦隔リンパ節転移を認めず周囲臓器への浸潤も確定的ではなかったため,外科的切除を先行する方針とした.気管支楔状切除を伴う右肺上葉切除と気管支形成術を施行した.周囲臓器への浸潤は認めず肉眼的に完全切除であった.病理組織学的には低悪性度胎児型腺癌(pT4N0M0 Stage IIIA)と診断された.術後補助化学療法を施行し,術後3年6ヶ月無再発生存中である.結論.若年発症の巨大肺腫瘍では本疾患も鑑別の1つとして念頭に置き,治療方針を検討する必要がある.

  • 小澤 雄一郎, 神谷 一徳, 石川 博一, 酒井 光昭
    2020 年 60 巻 7 号 p. 1001-1006
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.肺野に浸潤影を呈する疾患は,非常に多彩であり,その中でも浸潤影を呈する肺癌の場合,早期の診断治療が困難な症例も存在する.症例.74歳男性.前立腺癌の治療前の全身精査胸腹部CTにて,右肺下葉底区に広範なすりガラス陰影を認めた.1年後のCTですりガラス陰影の拡大とともに胸膜直下に不整な浸潤影の拡大を認めた.気管支鏡検査を施行したが確定診断はつかなかった.さらに1年後のCTではすりガラス陰影が右下葉全体に拡がり,浸潤影も右下葉底区を中心に拡大.右下葉の容積の縮小を呈してきた.他の肺葉には同様の所見を認めなかった.右下葉内を緩徐に拡大する浸潤影に対しての診断治療目的に,胸腔鏡下右下葉切除術を施行した.病理組織診断では,浸潤影の部分はすべて肺胞上皮置換型優位の腺癌(pT4N0M0,p-stage IIIA)であった.結語.緩徐に拡大する浸潤影は腫瘍性疾患の可能性もあり,慎重に診断治療する必要がある.

  • 尾下 豪人, 髙橋 達紀, 妹尾 美里, 船石 邦彦, 三玉 康幸, 奥崎 健
    2020 年 60 巻 7 号 p. 1007-1011
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.免疫チェックポイント阻害薬では一部の症例で長期奏効例がみられる.しかし,薬剤性肺障害などの免疫関連有害事象も遅発性に生じうる.症例.患者は71歳の男性.2年前から左下葉原発肺腺癌に対してペムブロリズマブを投与され,病変はほぼ消失した.胸部CTで左肺の上葉と下葉に新規陰影が出現し,気管支鏡にて左上葉病変から腺癌細胞を検出した.ペムブロリズマブ休薬後も浸潤影の拡大を認めたため,ステロイド薬を開始したところ,左上葉結節影を除いて浸潤影はほぼ消退した.肺癌再発と遅発性薬剤性肺障害を同時に生じたと考えられた.結論.画像所見だけでは肺癌再発と薬剤性肺障害の鑑別が難しいことがあり,気管支鏡検査による病理学的検討やステロイドへの反応性などを参考にして慎重に判断する必要がある.

  • 辛島 高志, 野田 大樹, 安部 美幸, 阿南 健太郎, 宮脇 美千代, 武内 秀也, 岡本 龍郎, 駄阿 勉, 杉尾 賢二
    2020 年 60 巻 7 号 p. 1012-1016
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.カルチノイド腫瘍は神経内分泌腫瘍の一つであり,前縦隔の胸腺カルチノイドの報告例は散見されるが,中縦隔を主座とするカルチノイド腫瘍の報告例は非常に稀である.症例.60歳男性.検診の胸部X線で異常陰影を指摘され,CTで気管腹側に20 mm大の腫瘤性病変を認めた.造影CT・MRIで不均一な造影効果を伴う充実部分を認めたが,PET-CTでは淡いFDGの集積を認めるのみであった.半年後のCTで腫瘍は4 mm程度増大しており,摘出手術の方針となった.腫瘍は甲状腺下極の結合織から中縦隔へ連続する病変であり,周囲への浸潤所見や周囲リンパ節の腫大は認められなかった.病理学的に,類円形の核と淡明細胞がシート状に増殖し,壊死や核分裂像はみられず,定型カルチノイド腫瘍と診断された.術後補助化学療法は行わず術後17ヶ月無再発経過中である.結論.中縦隔原発のカルチノイド腫瘍の報告は稀であり,組織学的悪性度により予後は大きく異なる.診断未確定の中縦隔腫瘍で充実成分を伴う場合あるいは腫瘍の増大傾向を示す場合は,積極的な外科的切除を考慮すべきである.

  • 加藤 さや佳, 角田 陽平, 木村 令, 折中 雅美, 宮松 晶子, 龍華 祥雄, 浅野 周一, 服部 行紀
    2020 年 60 巻 7 号 p. 1017-1021
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル オープンアクセス

    背景.免疫チェックポイント阻害薬の肺大細胞神経内分泌癌に対する有効性は十分に検討されていない.当院において,ニボルマブにて治療を行った肺大細胞神経内分泌癌の症例を5例経験した.症例.症例は全例男性,64~74歳の肺大細胞神経内分泌癌の5例.2例は超音波気管支鏡ガイド下縦隔リンパ節生検,3例は手術検体により診断された.5例中1例に腫瘍細胞においてprogrammed death-ligand 1の高発現を認め,その1例のみニボルマブが奏効した.結論.ニボルマブが有効な肺大細胞神経内分泌癌の症例を経験した.肺大細胞神経内分泌癌においても腫瘍細胞中のprogrammed death-ligand 1の発現率がニボルマブの効果予測因子となる可能性があり,さらなる検討が望まれる.

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