近年のJCOGやCALGBの試験結果により,肺癌における縮小手術,とりわけ区域切除の有用性が国際的に認識されつつある.さらに,今後の人口高齢化や併存疾患の増加と相まって,呼吸機能温存を目的とした縮小手術の重要性は一層高まることは論を俟たない.したがって,呼吸器外科医にとって縮小手術における根治性と安全性の担保は必須であり,そのためには術前3DCTシミュレーションによる精確な区域解剖の把握、ICG蛍光法・extended segmentectomyの適切な活用,さらに非触知病変に対するRFID等のマーキング技術の理解と習得が不可欠である.本教育講演では,縮小手術の基本的な考え方と臨床応用,そして局所再発などのpitfallについて解説するとともに,これら最新技術の実際も紹介する.