日本ハンセン病学会雑誌
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66 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 日下 喬史
    1997 年 66 巻 3 号 p. 180
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • ティン マウンエイ
    1997 年 66 巻 3 号 p. 181-189
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    ミャンマー、セガイン州における、ハンセン病についての状況を詳細に述べ、ミャンマーにおけるこれからのハンセン病コントロール対策について報告している。
  • 小林 和夫
    1997 年 66 巻 3 号 p. 191-198
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Infectious diseases account for more than 30% of deaths throughout the world, and we are increasingly faced with new and reemerging disease challenges. Infections caused by mycobacteria are the leading cause of death from infectious diseases around the world. Leprosy/Hansen's disease, caused by Mycobacterium leprae, primarily involves the peripheral nervous system and skin. Tuberculosis remains an important global health problem with approximately 1.9 billion people presently infected with M. tuberculosis. Infections with nontuberculous mycobacteria such as M. avium complex (MAC)constitute an important health problem, because most strains of MAC are resistant to antituberculous drugs. Mycobacteria are intracellular microbial pathogens. The infect macrophages cause chronic inflammation, such as granulomatous inflammation, and progressive scarring. Host defense against mycobacterial infection is controlled predominantly by the macrophage-cytokine-type 1 helper T (Th1) cell axis resulting in the expression of cell-mediated immunity. Development of cell-mediated, Th1 protective immunity to mycobacteria is considered a two-edged response, contributing to both clear-ance of infecting agents and tissue damage. In the second half of the 20th century, the conceptual approach to the management of established infectious diseases is antimicrobial chemotherapy. However, the successful implementation of antimicrobial chemotherapy is becoming increasingly difficult because of (1) an epidemic of immunocompromised patients, for whom antimicrobial therapy is less effective; (2) the emergence of new pathogens and the reemergence of old pathogens; and (3) widespread drug resistance. Antiinfective immunotherapy will be a new control strategy for mycobacterial diseases. It is also conceivable that therapeutic interventions to enhance the host immunity will be as effective as and possibly synergistic with antimicrobial drugs. We believe that the immune-based strategies will contribute to elimination of mycobacterial diseases.
  • 松岡 正典
    1997 年 66 巻 3 号 p. 199-205
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    南太平洋に位置するナウル共和国において、かって1930年代より始まった非常に激しいハンセン病の流行があったことが広く知られている。ナウル共和国と国境を接っし、以前はカロリン諸島と呼ばれたミクロネシ連邦では、当時ナウルからの人の移動に伴って生じたハンセン病の流行の影響により、今もって他には見られない高い有病率と多くの新患発生が報告されている。これに対し、WHOを中心とする新たなハンセン病対策が1996年より行われている。これらについて紹介をしたい。
  • 安 貴林, 辛 暢泰, 宋 学成, 蔡 林芳, 王 玉, 魏 莉梛, 喬 炎, 陳 述, 矢島 幹久, 山田 宣孝, 浅野 伍朗
    1997 年 66 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    著者らは30匹の体重2-2.5Kgの家兎を用いて左右の正中神経を約3cm切除し、その部分に広背筋と上腕三頭筋を移植し7、14、28、45、60、180日後に骨格筋内神経の形態的変化を光学顕微鏡的、電子顕微鏡的に観察した。光学顕微鏡的にはZenker's液に固定し、電子顕微鏡的には0.25%グレタールアルデヒドカゴジル酸緩衝液と1%四酸化オスミウム液に二重固定し、エポン812に包埋、薄切観察した。その結果、移植後7日、左右の神経に軸策と髄鞘の変化と共にシュワン細胞の核に変化が見られた。そして移植筋肉の遠位、近位には結合組織の増生と少数の骨格筋細胞に軽度の変性が見られた。
    14-28日後には、神経にWaller変性が遠位に見られ、髄鞘の消失と細胞の増加が観察された。そして、骨格筋には細胞数の減少を認め、残存した基底膜内に神経線維の再生所見が観察された。45日から60日後では左側に比較して右側で神経再生は著明に見られ、180日では有髄神経、無髄神経が神経遠位端に認められた。広背筋では筋肉細胞の75%が長軸に平行に歩行しており、広背筋のような規則的で長い骨格筋細胞は末鞘神経の再生に有効であることが示唆された。
  • 古野 之洋
    1997 年 66 巻 3 号 p. 215-221
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    人の病変に類似した病変を示す実験モデルは医学の発展に不可欠である。実験的ハンセン病(ハ病)モデルでは人または動物由来抗酸菌(M. leprae: ML)の末梢神経への浸潤増殖を示すヌードマウス、アルマジロ等のモデルがこの条件をかなりの程度満足させている。しかしながら、一般に実験モデルには人病変類似の諸病像作製と並んで実験材料入手の容易さが求められる。よってハ病モデルの場合、病変組織像がハ病に特有とされる抗酸菌による末梢神経病変(nerve lesion: NL)を示す事以外に病変作製の容易さから培養可能な抗酸菌の使用が望ましい。従って佐々木等並びにHamitにより報告された培養可能な抗酸菌(M. HI75: HI.75)によるNLの報告はハ病病変の容易な実験的作製に可能性を示したと考えられる。よって今回はHI-75並びに対照としてBCGをヌードマウスではなくddYマウス(ddY)に接種して作製した病変について比較検討し、また従来より人病変の解析結果から提唱されているらい菌の菌体成分に対する免疫状態とNLとの関係に関して菌体成分と交叉免疫反応性を有するbeta-glucuronidasebinding protein(BGBP)免疫の病変に及ぼす影響も検討に加える事により、将来におけるより実用的で安価なモデルの作製の可能性を追及した。
    以上の結果、ddYでもNLの組織学的観察は可能であり、BCGによる病変とは類似点もあるが、HI-75によって起こるNLはかなり特徴的なものであることが分かった。また、BGBP免疫モデルでは免疫を行わないものに比しNL以外の病変として一般的に病変部の細胞増生が軽度で、より線維化する傾向があったがBGBP免疫例でNLとしては末梢神経が石灰化するほどの退行性病変を示す例でも抗酸菌が末梢神経内鞘に残存している場合がある事が分かった。しかし、免疫の病変に対する影響は今回の実験のみでは極めて明瞭なものとはならなかった。以上から今回の実験から得られたことはこの方法をさら改良し、より洗練されたものにしていく事に重大な意義がありその可能性を認めた事である。
  • 阪井 哲男, スディック ハミット, 松尾 英一, 早川 るり子, 脇坂 晟
    1997 年 66 巻 3 号 p. 223-226
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Skinsnesらによって、らい腫より分離培養された抗酸菌HI-75は、16SリボゾームRNAのダイレクトシークエンスの結果、Mycobacterium scrofulaceumに最も近似していたことを報告した。今回、さらに抗酸菌HI-75をヌードマウスに接種し、感染巣の皮膚結節より同菌を採取し、同様の方法でゲノム解析を行った。その結果、両者を比較し得た16SリボゾームRNAの837塩基において両者は完全に一致していた。抗酸菌HI-75はM. scrofulaceumのヴァリアントとすれば、M. scrofulaceumも末梢神経に浸潤し、神経病変を惹起させる可能性が示唆された。
  • 佐々木 紀典, 川津 邦雄, 堤 貞衛, 儀同 政一, 中川 弘子, 柏原 嘉子, 松木 玄二, 遠藤 博子
    1997 年 66 巻 3 号 p. 227-235
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    カービル療養所から5回にわたり取り寄せたアルマジロ全頭20匹を、われわれ研究チームで飼育し、感染ヌードマウスより採取したらい菌で感染実験を行った。感染は10 8-9即の大量菌を静脈内及び皮下に接種の15匹と対照として非接種の5匹に分けた。
    菌液接種後最短7.5か月、最長34か月の期間に死亡した9匹と屠殺6匹を剖検し、スタンプ標本と病理標本を作成し検索した。結果2匹のみが軽度の感染状況に止まったが、その他は生存期間の長短には関係なく、いずれも重度広汎な感染の進展が観察された。臓器では静脈内と皮下接種のいずれにおいても、肝、脾に顕著な菌の増殖と病巣の進展拡大が確認され、その他、肺、副腎、リンパ節、胃、骨髄、腎、鼻等に菌の分布と浸潤性病巣が見られた。皮膚病巣は接種局所は勿論のこと、遠隔部の皮膚にも病変が見られ、ことに足底部における浸潤性病巣が明らかであり、その部位における末梢神経の病変は大腿部坐骨神経よりも顕著であった。しかしヒトの場合と異なり、末梢神経内の病巣は軽度であり、アルマジロでは頭部の甲羅下の組織に広汎な病巣を観察したが、精巣には病巣が見られないが、胃、肺、腎には病巣がみられるなど、ヒトとはやや異なる様相を呈し、動物種の特異性が考えられるので、アルマジロらいとして理解した方が良いと考えられる。しかし、ハンセン病との間に極めて高い類似性が示された。特に末梢神経病変の機序の解明などには実験価値が高いと考えられる。なおこの研究は厚生省特別研究費を受けて行われた。
  • 石田 裕, 石川 聡
    1997 年 66 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1998/01/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    老年疾患は、日本のハンセン病施設でも重要な問題となっている。とりわけ男性における骨粗鬆症が女性より多いのがハンセン病の特徴である。我々は1987年、国立療養所邑久光明園の男性302名と女性197名とにおいて、第二中手骨の骨皮質幅(MCI)を測定した。そのうち238名のL型男性ハンセン病患者のMCIは、40、50、60、70歳代すべての年代において139名のL型女性ハンセン病患者のMCIよりも低値を示した。L型男性ハンセン病患者において40歳代のMCIは80歳代に比較して70.6%であった。こうした現症はL型男性ハンセン病患者における性腺機能低下症と関係しているものと考えられる。
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