日本ハンセン病学会雑誌
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79 巻 , 1 号
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原著
  • 石田 裕, 井上 太郎, 土屋 一郎, 前田 光美, 平野 昭
    2010 年 79 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
     1996年のらい予防法の廃止に伴い、ハンセン病療養所からの回復者の退所はさらに進んだ。2008年、当施設でハンセン病関連疾患の診断時期が種々の理由で遅れたと考えられる症例を2例経験した。1例は60才の男性で慢性足底潰瘍から発生した皮膚癌の症例、もう1例は69才の女性で再発の症例であった。2例とも、症状がかなり進行した後に受診していた。これは社会復帰した回復者に対するハンセン病関連疾患の定期的な検診の機会がないことや、回復者自身が一般医療施設へ受診することに躊躇したことが原因と考えられる。これまでハンセン病関連疾患の医療を中心的に担ってきたハンセン病療養所は終焉を迎えようとしている。回復者に対する後遺症障害の管理や悪化予防、再発やらい反応の早期発見のために、安心して受診できる医療サービスの提供を、一般医療施設で行うことは喫緊の課題と考えられる。
特別寄稿
総説
  • 牧野 正直
    2010 年 79 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
     本年(2009年)は、わが国においてハンセン病患者の公的機関への隔離・収容が開始されて丁度100年目にあたる。すなわち、政府は1907(明治40)年法律第11号「癩予防ニ関スル件」を公布し1909(明治42)年それを施行、放浪する患者の隔離・収容を開始した。
     この小論で、わが国のハンセン病医療史において最も重要な事項の一つである、この法律の成立にかかわった医師、政治家、官僚がどのようなものであったかを検証した。するとこれは意外に少人数のエリート集団であり、一人ひとりが学閥・同門・同郷などといったしがらみで強く結びつけられていたことが明らかになった。
     また、この法律は、二回の改正を経ながら89年間維持・継続されることになったが、この維持・継続のためには光田健輔を中心とした系類や光田イズムを信奉し続けた多くの療養所所長たちが浮かび上がって来た。
     全療協が主張する「100年の“記念”でも“祝賀”でもなく“総括”である」という言葉を重く受け止めたい。
ハンセン病世界情勢
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