ベトナムのハンセン病専門治療施設・病院Xでは、ハンセン病元患者の社会経済状況改善を目的とした自立支援プログラムが実施されている。本研究は自立支援プログラムについて元患者の立場からプログラムに対する評価をフォーカスグループインタビューによって行ってもらった。
プログラム参加者からは肯定的な変化として収入の増加や健康状態の改善などが挙げられ、無利子で事業資金の融資が受けられる点が評価された。一方、家畜の病気の流行やハンセン病を理由に買い手から値下げを要求されるなどのリスクが挙げられ、事業を行う上での困難も明らかとなった。また若年グループはプログラムに関心を抱いているが、事業資金返済に対して不安を抱いていることが明らかとなった。現行の自立支援プログラムに対しては事業資金返済開始の時期や融資額の変更などの要望が寄せられた。これらを踏まえ、元患者のニーズに沿った自立支援プログラムが必要であると考えられる。
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