日本らい学会雑誌
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64 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 岡田 誠太郎
    1995 年 64 巻 2 号 p. 67-68
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • 特に,らい患者にみられる免疫不応性の成立にかかわるサイトカインとの関連から
    冨岡 治明, 斎藤 肇
    1995 年 64 巻 2 号 p. 69-84
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    この総説はらいの免疫に関する最近の研究の状況について述べたものである。最近,多くの研究者はらい腫らい患者にみられるらい菌抗原特異的な免疫不応性という奇妙な現象に彼等の興味を集中しつつある。こうした患者の末梢血やらい病変部のTリンパ球ではらい菌抗原に対する増殖性応答能の顕著な低下がみられるが,PPDなどの他の細菌の抗原に対する応答性の低下は基本的には認められない。こうした免疫不応性の免疫学的メカニズムとしては以下の,(1) TDTH細胞におけるらい菌抗原に対するアネルギーの成立,(2) 抗原特異的Ts細胞や免疫抑制性マクロファージあるいはそれらの産生する体液性因子による能動的な意味での免疫抑制,(3) ある種のらい菌由来菌体成分によるprotective T細胞やマクロファージの細胞機能の抑制などの可能性が挙げられる。最近の研究により,Th 1細胞により産生される1型サイトカイン(IL-2,インターフェロン-γ,リンホトキシン)が,らい菌を含む抗酸菌に対する細胞性免疫の発現に重要な役割を演ずることが明らかにされている。さらに,らい腫らいにおけるらい菌抗原に対する免疫応答の低下は,部分的にはTh 2細胞の増生と活性化並びにそれらによる2型サイトカイン(IL-4, IL-6, IL-10など)の産生によるTh 1細胞依存の細胞性免疫ひいてはマクロファージの殺菌能の抑制に起因したものであることが示唆されている。以上の観点より,この総説では,らい菌抗原に対する宿主の免疫不応性成立のメカニズム,特にTh 2細胞,Ts細胞並びにサプレッサーマクロファージにより産生される免疫制御サイトカインの関与についての研究の現況を詳しく紹介した。
  • Robert L. Modlin
    1995 年 64 巻 2 号 p. 85-88
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    The clinical spectrum of leprosy reflects the diverse nature of human immune responses to Mycobacterium leprae. The clinical presentations correlate with the level of cell-mediated immunity against M. leprae. Cell-mediated immunity, as assessed by the Mitsuda reaction, is positive in tuberculoid patients and negative in lepromatous patients. In contrast, humoral immunity, as assessed by anti-M. leprae antibodies is greatest in lepromatous patients. The inverse correlation between cell-mediated immunity can be explained on the basis of the local cytokine pattern.
  • 石井 則久
    1995 年 64 巻 2 号 p. 89-92
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • 長尾 榮治
    1995 年 64 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    日本国内において,らい患者の90%はらい療養所に入所している。1994年末現在におけ全国の入所者数は5,811名であり,その内国立らい療養所分は5,767名である。
    近年,国内において,日本人の新発生患者は10名以内に減少し,したがって療養所への新入所者は0となってきた。一方,再入所患者は年間30名前後,社会復帰者は年間15名前後ある。今後,療養所内の患者は,彼らの高齢化に伴う死亡によって,2005年には約4,000名,2015年には約2,000名,2025年には約700名に減少していくと推測される。
    1994年末において,スキンスメアテストによる菌陽性者は入所者の2%となり,所内のらい対策も終息しつつあるが,しかし,入所者の約40%がいまだ治らい剤の服用をしている状況があり,まだ私達が成すべき課題は多く残っている。治らい剤服用の理由となっている再燃に対する不•らい性神経痛•虹彩炎や緑内障•らい急性反応•難治らい等に対して,各療養所個々の対処だけでは不充分であり全国的な共同対策が必要である。
    また,今後において療養所内の「入所者の減少と高令化」に対する医療福祉の確保が必要となる。
  • 杉田 泰之
    1995 年 64 巻 2 号 p. 100-104
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • (第1報)
    戸沢 為重, 倉松 由子, 中田 純, 成田 稔
    1995 年 64 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    たまたま保存されていた1910年より1951年にいたる医学的研究の資料の中から,特に足部を撮影した写真乾板38枚(54例96足)を選び出し,外反母趾の合併の有無を調べてみた。その結果,一応外反母趾と指摘できたのはわずかに6例7足であり,これらから足穿孔症などに続発した第1中足骨骨頭の破壊によるらしいものを除くと2例3足に過ぎず,それも軽度かやや中等度に近い状態であるから,治療の対象にはまずならないにちがいない。
    このように過去においては,現在よりも,外反母趾の発症がはるかに少なかったらしく,その理由は下駄や草履を主に履いていたためであろうが,包帯の巻き方もこれらを履きやすいように工夫されていた。
    故に外反母趾の発生には,少なくともらい患者に限っては履物などによる外因性要素を第一義的に考えたい。
  • 上甲 覚, 沼賀 二郎, 藤野 雄次郎, 増田 寛次郎, 平田 蘭子, 前田 平生
    1995 年 64 巻 2 号 p. 112-118
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    らい患者におけるぶどう膜炎の発症に対するHLAの関与を検討した。対象は,らい患者65例と,正常対照の健康成人138例である。患者群の内訳は,ぶどう膜炎の既往のある者は32例で,ぶどう膜炎の既往のない者は33例である。HLA-A,-B,-C,-DR, DQ抗原の検索は,対象者の末梢血リンパ球を用い補体依存性リンパ球細胞障害試験を行った。HLA-DRB1対立遺伝子はPCR-SSCP法とPCR-RFLP法を施行し検索した。その結果, HLA-DR2抗原頻度は対照群で138例中49例(35.5%),ぶどう膜炎のある群で32例中26例(81.3%)で, HLA-DR53の頻度はそれぞれ69.6%と37.5%あった。対照群との比較において,HLA-DR2がぶどう膜炎のある群で有意に増加し(Pc<0.0005), HLA-DR53は有意に低下していた(Pc<0.05)。血清学的タイピングではぶどう膜炎のない群と対照群との間に有意差を示すHLA抗原はなかった。HLA-DR2対立遺伝子では,DRB1*1501のみ有意な差を認め,対照群との比較においてぶどう膜炎のある群でオッズ比7.1(PC<0.000005),ぶどう膜炎のない群はオッズ比4.1(Pc<0.005)であった。らい患者におけるぶどう膜炎の癸症に.HLA-DRBI*1501の強い相関を認めた.
  • 中村 昌弘
    1995 年 64 巻 2 号 p. 119-123
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    先に,ATP量にして3,000Pg以上のらい菌をpH7の仔ウシ血清加リン酸buffer(M/20),またはグリセリン•仔ウシ血清加リン酸buffer (M/20)に接種すると,30°Cのincubation活性が4週間維持されることを報告した。
    本報では,接種菌の活性が3,000Pg ATP以上のものと以下のものとについて,4週間後ATP活性を測定した結果,一定の接種菌量がらい菌活性維持に必須であることが確認された。
  • 固定•脱水•包埋
    川津 邦雄
    1995 年 64 巻 2 号 p. 124-131
    発行日: 1995/07/20
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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