高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
Online ISSN : 1880-6554
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45 巻, 1 号
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原著
教育講演:SNAPを知る
  • 石原 健司
    2025 年 45 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/03/25
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    アルツハイマー病(AD)を中心とした認知症診断の歴史と現状を概観し,SNAP(suspected non-Alzheimer’s disease pathophysiology)について解説した。SNAPは認知機能正常例ないし軽度認知機能障害例で,βアミロイド陰性(A-)かつ神経変性,神経損傷を認める(N+),というバイオマーカーに規定された概念である。高齢者全体の20~30%を占め,A+N+の場合よりも認知症に至るリスクが低いとされる。SNAPの病理学的背景はPART(primary age-related tauopathy)をはじめ複数にわたる。タウをはじめとする新たなバイオマーカー開発を反映したためか,National Institute of Alzheimer’s and Ageing Associationによる2024年のADの生物学的診断基準にはSNAPという用語が登場しないが,ADの疾患修飾薬が実用化された現在,臨床現場ではSNAPの概念は有用であると思われる。

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