本研究の目的は,慢性疾患患者に対するエンド オブ ライフケアでの意思決定支援におけ
る看護師の認識の構造を明らかにすることである。研究方法は,医学中央雑誌Web版,CiNii
Reserch,Google Scholar,PubMed, CINAHLで検索した,慢性疾患患者に対するエンド オブ ラ
イフケアにおける看護師の意思決定支援の内容とその思いに関する国内文献から,分析の選定
基準を満たす6文献を対象に,Noblit&Hareらの方法論に準拠し質的メタ統合を行った。その結果,慢性疾患患者のエンド オブ ライフケアにおける意思決定支援の看護師の認識は4つのカテゴリに統合された。意思決定支援において看護師はどのような状況においても【患者の価値観を尊重】すること,【家族との関係性(が患者に及ぼす)影響】があること,【今を大切にした関わり】が重要であること,【(看護師)自身が患者に与える影響】があることが明らかとなった。看護師は患者の個別性を尊重した意思決定支援の重要性を理解している一方で,看護師自身が患者に与える影響も自覚しており,より効果的な意思決定支援に向けた方略の検討が課題であるといえる。
キーワード:意思決定支援,慢性疾患患者,エンド オブ ライフケア,看護師の認識,質的研究のメタ統合
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