比較生理生化学
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23 巻 , 3 号
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総説
  • 小島 大輔
    2006 年 23 巻 3 号 p. 122-133
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2007/10/05
    ジャーナル フリー
    ロドプシンファミリーは多様なメンバー (オプシン) から構成され, 視覚やそれ以外の様々な光生理現象に関与する。筆者はこれまでに様々なオプシンの解析を通じて, 動物の光受容細胞の機能と進化に関する研究を行ってきた。本稿では筆者らの行った以下の研究について紹介する。(1) ヤモリの桿体に含まれる視物質が錐体タイプであることを明らかにし, ヤモリ桿体が錐体から進化したとする仮説を検証した。(2) ホタテガイの繊毛型視細胞において新しい光情報伝達系を発見し, 視細胞の光情報伝達経路は脊椎動物と節足動物の分岐以前にすでに多様化していたことを明らかにした。(3) ゼブラフィッシュの脳内において2種類の新規オプシン (非視覚型オプシン) を同定し, その一つ (エクソロドプシン) は松果体, もう一つ (VALオプシン) は脳深部と網膜の二次ニューロンに存在することを示した。また, エクソロドプシン遺伝子プロモータの機能解析を行い, 松果体特異的なシス配列の同定に初めて成功した。
  • 大村 尚
    2006 年 23 巻 3 号 p. 134-142
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2007/10/05
    ジャーナル フリー
    チョウ成虫の多くは花蜜を食物としており, 花色は訪花 (採餌) 行動の解発因子として重要である。同様に花香も訪花行動に作用するが, 解発因子は物質レベルで明らかにされていなかった。吸蜜植物の花香成分に対する応答を調べたところ, モンシロチョウやアカタテハは特定の芳香族化合物に高い選好性を示し, 口吻伸展反射や賦香造花への定位行動が観察された。これらの花香成分は様々な植物に含まれており, チョウの訪花行動を刺激する普遍的な嗅覚情報物質と考えられる。一方, 花香成分には訪花行動を抑制するものもあり, キンモクセイに含まれるγ―デカラクトンをモンシロチョウの忌避物質として同定した。滲出樹液や腐敗果実を食物とするルリタテハやアカタテハは, エタノールや酢酸など発酵産物の臭いを頼りに採餌行動を行った。花蜜しか利用しないタテハチョウは発酵産物の臭いに対する選好性が低く, チョウは食性によって異なる嗅覚情報物質を利用することがわかった。
  • ―室傍器官と下垂体との関係―
    保 智己, 川野 絵美, 拜田 由華
    2006 年 23 巻 3 号 p. 143-152
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2007/10/05
    ジャーナル フリー
    哺乳類以外の脊椎動物には室傍器官と呼ばれている脳脊髄液接触ニューロンの集団が視床下部に存在する。これらの脳脊髄液接触ニューロンはその微細構造から感覚性の細胞であると考えられているが, その機能は定かではない。しかしながら, その形態や局在部位から考えると脳室内の何らかの情報を脳内に伝達していることは想像できる。鳥類ウズラや爬虫類カナヘビでは室傍器官が光受容器官であること示唆されていた。脳深部光受容器官は生殖腺の発達や行動リズムにも関与することが知られているので, 我々はこれらの動物の室傍器官について下垂体や生物時計との関連を組織学的に調べた。その結果, どちらの動物でも下垂体機能との関連が示された。ウズラでは室傍器官の細胞が光周期と日周期によって変動し, 2つの光情報を受け取っている可能性が示された。またカナヘビでは概日時計への神経投射が示され, 概日リズムへの関与が示唆された。
  • ―情報とは何か? 情報量とは何か? 生命現象との関係は何か?―
    第6回
    下澤 楯夫
    2006 年 23 巻 3 号 p. 153-164
    発行日: 2006/08/20
    公開日: 2007/10/05
    ジャーナル フリー
    Part 6. Entropy cost of information in living neuron is estimated to be very close to the thermodynamic limit at 0.7kB per bit of information. Parallel transmission and principle of summation average with stochastic sampling is explained as the essential way of adaptation under the inevitable thermal noise. Theoretical arguments on Maxwell's demon and the negative entropy principle of information or the irreversibility of measurement are explained. Origin of life and the evolution of life are discussed from the information theoretic standpoint, in reference to the actual values of rate of information and the energy threshold of living cell.
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