比較生理生化学
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28 巻 , 1 号
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総説
  • 畠山 大
    2011 年 28 巻 1 号 p. 146-152
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/09
    ジャーナル フリー
      我々は学習・記憶のメカニズムを知るために,様々な視点からアプローチすることで研究を行っている。行動学的解析,生理学的解析,細胞生物学的解析,分子生物学的解析などが挙げられるが,これらは互いに密接に関連しているものであり,個別に考えては学習・記憶の全体像を明らかにするのは困難である。この問題を解決するためには,生物の階層性を正確に追跡した実験系を組まなければならず,それが可能な実験動物をモデルとして用いる必要がある。複雑な学習を習得できる能力を持ちながら,できるだけ簡単な脳を持つ生物である。本稿では,この条件に合う軟体動物腹足類ヨーロッパモノアラガイLymnaea stagnalisを用いて,これまで得られた研究結果を中心に,行動レベルから,細胞レベルを経て,遺伝子発現レベルまでの道筋に沿いながら学習成立のメカニズムを概説する。また,最近になって「エピジェネティクス」という新しい分子生物学的概念が,神経生物学の領域にも徐々に取り入れられつつある。この我々にはまだ目新しい研究分野についても合わせて紹介する。
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