比較生理生化学
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総説
  • 塚本 寿夫
    原稿種別: 総説
    2022 年 39 巻 2 号 p. 84-91
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー

    動物の光受容タンパク質オプシンについての研究は,150年以上の歴史があり,動物の感覚機能や三量体Gタンパク質が介するシグナル伝達についての理解を深めることに貢献してきた。またこの10年ほどには,動物オプシンを研究対象としてだけではなく,細胞応答を光によって操作する道具として活用する研究も進められ,光遺伝学optogeneticsの発展にも寄与している。この総説では動物オプシンの分子的な性質とシグナル伝達特性を簡単に解説し,それらの性質・特性が光操作ツールとしてどのように利用されているのかについて紹介する。特に,動物オプシンをツールとして活かすことで,どのような細胞応答をどのように光操作できうるのかについて力点をおいて概説する。

  • 洲崎 敏伸
    2022 年 39 巻 2 号 p. 92-97
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー

    原生生物は単細胞生物であるため,他の生物から独立した生活を送っているように思われがちである。しかし,実際には,多くの原生生物は他の単細胞生物や多細胞生物と複雑な相互関係を築いている。例えば,捕食性の原生生物は,他の生物を獲物として認識し,捕獲する。一方,捕食者から逃れるためには,捕食者を正しく認識する必要がある。原生生物には,有性生殖のために,同じ種の異なる細胞型の細胞を認識するものがいる。また,細胞内で他の真核生物や原核生物と共生するものや,他の大型生物の体内で共生するものもある。また,動物に感染して病気を引き起こす原生生物もいる。最近の研究では,原生生物が他の生物を認識する仕組みが次々に明らかになってきており,その結果,原生生物と他の生物との細胞間相互作用の分子機構や,相互作用によって駆動される生物進化の様相について,多くのユニークな知見が得られてきた。本稿では,特に原生生物の餌生物の認識における細胞間相互作用について,その分子的・進化的な観点から焦点を当て,最新の研究成果を概説する。

  • 林 晋也
    原稿種別: 総説
    2022 年 39 巻 2 号 p. 98-106
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー

    ミツバチやアリを含む真社会性ハチ目昆虫の集団は,女王を中心とする血縁個体で構成されており,この集団はコロニーと呼ばれる。血縁を基礎とする彼らの社会は極めて高度なものであり,個体間で採餌や育児といった労働の分業だけでなく,繁殖まで分業することにより高い生産性を実現している。このような社会を維持する機構と進化の背景には,個体間の協力の動機となるコロニーの血縁度や,コロニーの生存と関連した近親交配の程度に影響する,配偶の様式(システム)が大きく関わっている。セイヨウミツバチ(Apis mellifera)は,古くから配偶行動について研究されてきた真社会性の昆虫である。そして,非常に興味深い知見が今もなお得られている。本稿ではミツバチの配偶行動・システムを中心に解説するとともに,その繁殖上の問題や,それを回避するための機能的な面についても紹介する。

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