自然界の生き物は,接触刺激,重力,気圧など様々な外力にさらされている。特に,重力は地上の全ての生き物にかかる力で,動物が自身の体勢の感知や行動制御に重力を利用していることがこれまでの研究から明らかとなった。重力感知の細胞内情報伝達機構は機械刺激感知とおおむね同一で,進化的に高く保存されている。一方,重力を感知する受容器は,各動物の生育環境に応じて,種特異的な構造や配置をとる。これより,重力受容器や重力に対する応答を種間比較することにより,各動物種の環境適応を理解することが期待できる。
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