火内
Online ISSN : 2436-2190
Print ISSN : 2436-0074
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 鳥潟 幸男, 山内 常代
    2025 年 19 巻 p. 1-6
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    秋田県大館市の鳳凰山中腹で冷気を吹き出す場所が発見され,その地表開口部において地下空隙温度の毎時観測と地表開口部を出入りする空気の流れの向きの観測を行った結果,典型的な冷風穴の特徴を示すことが明らかになった. 夏季の低温の程度および持続期間は長走風穴や片山風穴ほどは著しくないが,年平均温度は松峰風穴と同程度の4.1℃であった.
  • 武藤 重典
    2025 年 19 巻 p. 7-18
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録
    日本建築史に名を残す建築家,白井晟一が設計した「大館木材会館」は71年余前に建てられた.天然秋田杉の産出で地元製材業の絶頂期だった.完成から18年後に移転建築され,現在に至る.建築史的には,移築後,旧会館から引き継がれたものが混在し面影を残しているが,改変もあり,現状は「一部現存」と考えられる.「活用」を主眼にした移築により「保存」までは至らなかったものの,「温存」された部分も多く,玉石混交の「眠れる価値」を保っており,建設当初の白井作品の姿に再生「復元」できれば価値は磨かれて高まる可能性があると考えられる.郷土史的には,秋田杉の産地繁栄を物語るものであり,郷土の「林業遺産」となる可能性が潜む.また,大火のまちの復興を見守ってきた歩みがあり,郷土の歴史の一端を記す価値ある建物と考えられる.
  • 荒谷 由季子
    2025 年 19 巻 p. 19-64
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    寄贈された古文書の目録作成と解読を試みた。結果、江戸時代大館の城代から家臣に宛がわれた御判紙や、税を納めたことを証明する皆済目録や物成諸役銀調目録が多数見つかった。それらには「越高」「永久結高」「村割百姓付」など見慣れぬ言葉や、「勘定場」「人役」「村付御証拠」といった目にすることはあってもその内容は未だに明確には分かっていない言葉が随所に見られた。また一つの家からは、過去に例のない形式の文書も確認された。
  • ― 「二ツ屋村相馬家文書」から―
    虻川 嘉久
    2025 年 19 巻 p. 86-65
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/05/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では、「二ツ屋村肝煎相馬家文書」を用いて、大館佐竹西家の御勘定場から発行された「物成諸役銀調目録」と、御代官所から発行された「皆済目録」を検証した。その結果、西家家中(陪臣)の知行形態と西家の御勘定場の詳細明らかになった。  慶長十五年(一六一〇)、小場義成は大館に入城した。小場家、後の大館佐竹西家(以下「西家」と記す)は、「城代」として秋田郡北部地域の治安維持や知行地の 管理などを命じられた。西家の家臣団である家中(陪臣)と本藩から派遣された組下給人(直臣)が分担して、その任に当たった。  西家は新田開発によって知行地(高)を拡大し、とりわけ、西家の知行地は大館地域に集中した。村々は、西家(家中)をはじめ、給分(組下給人)・蔵分(本藩)へそれぞれ年貢を納めた。「給分」について個々の給人が、「蔵分」は本藩派遣の代官(郡奉行)が管轄し、西家の知行分は、「御勘定場」が担当した。
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