緒言:結膜黒色腫はその多くは50歳以上の患者にみられ,小児期にみられることは非常に稀と考えられている.今回我々は,14歳の少年にみられた結膜悪性黒色腫の1例を経験したので,文献的考察を加えて紹介する.
症例:患者は14歳少年,12歳時に右眼球結膜に色素沈着を伴う隆起性病変があることに気づき,最近増大したため精査加療を求めて弘前大学眼科を受診した.腫瘍切除を施行したところ,病理学的検査により腫瘍は悪性黒色腫であることが判明し,直ちに結膜の拡大切除と冷凍凝固術が施行された.2回目の手術後,現在まで再発はみられていない.
結論:小児期の結膜色素病変は,時に悪性のこともあるので,注意深い経過観察が必要と思われる.また,小児結膜悪性黒色腫において,腫瘍切除と冷凍凝固術の併用は有効な治療手段の一つと考えられる.
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