弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
56 巻 , 1 号
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原著
  • 菊池 朋子, 三橋 善比古, 松﨑 康司, 金子 高英, 中野 創, 武田 仁志, 森次 龍太, 花田 勝美
    2004 年 56 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/10/12
    ジャーナル フリー
     乾癬病変は炎症性表皮及び真皮から構成されている.乾癬における細胞間相互作用の変化をサイトカインの反応により確認するため,表皮細胞と線維芽細胞を高カルシウム条件下においてコラーゲン膜上で共培養した.乾癬表皮細胞,乾癬線維芽細胞を共培養したところ,培地内 IL-6値は正常表皮細胞と乾癬線維芽細胞の共培養に比較して有意に高値であった.また,乾癬表皮細胞を単独で培養した場合,単独正常表皮細胞に比較して有意に高値な TGF-α分泌が認められた.しかしながら,正常表皮細胞からの TGF-α分泌は乾癬線維芽細胞と共培養することにより抑制された.これらの結果は,表皮細胞,線維芽細胞間の変化した相互作用が乾癬病変に存在し,またそれは表皮細胞の異常な増殖,分化に重要な役割を果たしている可能性を示唆している.
  • 小松 知子, 玉井 佳子, 山形 和史, 澤村 典子, 間山 恒, 三上 達也, 下山 克, 福田 眞作, 棟方 昭博, 髙見 秀樹
    2004 年 56 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/10/12
    ジャーナル フリー
     慢性特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) 22例を対象に Helicobacter pylori (H. pylori) 感染を検査し,感染陽性者 18例中 informed consent を得られた 17例に除菌療法を施行して,ITP に対する治療効果を検討した.15例で除菌に成功 (除菌成功率 88.2%) した.8例で血小板数が 10万/μl 以上となる完全寛解となり,軽快が1例 (有効率 60%) で,6例は不変であった.有意差はみられなかったが,治療前の血小板関連 IgG (PAIgG) 低値例が奏効する傾向があった.Grade 2 の発疹が3例,Grade 1 の下痢が2例にみられた他は重篤な有害事象を認めず,除菌療法を中止した症例はいなかった.H. pylori 陽性 ITP に対する除菌療法は重篤な副作用なしに優れた奏効率を示した.今後標準的治療の第一選択治療のひとつとして確立されると考えられた.
  • 伊藤 忠, 大黒 浩, 大黒 幾代, 間宮 和久, 石川 太, 目時 友美, 山崎 仁志, 高野 淑子, 中澤 満, 正村 和彦
    2004 年 56 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/10/12
    ジャーナル フリー
     ラットの上強膜静脈を焼灼して眼圧を上昇させ,高眼圧状態を保持することにより,高眼圧モデルを作成した.6ヶ月間高眼圧状態を保持したラット (n=6),及びコントロールラット (n=6) の網膜神経節細胞数を DiI蛍光色素を用いて逆行性にラベルして測定し比較検討した.上強膜静脈を焼灼したラット (n=22) の眼圧は無処置ラット (n=10) の眼圧と比較して有意に上昇していた.網膜神経節細胞数は,高眼圧モデルではコントロールと比べて有意に減少していた.ラットの高眼圧モデルは緑内障モデルとなりうると考えられる.
  • 福田 幾夫, 和田 光功
    2004 年 56 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/10/12
    ジャーナル フリー
     心臓手術後急性期の脳動脈血栓塞栓症に対する緊急脳血管造影と血管内治療の位置づけを検討.
    対象と方法:1244例の心臓手術自験例を対象に,術後の脳血管障害例に対して,積極的脳血管造影による閉塞部位の確定と,急性期の血管内治療を行う方針で臨んだ.実際に術後脳梗塞を合併した7例を対象として,検査結果および治療成績を検討した.
    結果:心臓手術後の脳血管閉塞は,術後第3~9病日,平均 6.3 ± 2.7病日に発生した.頭蓋内血管内の血栓溶解薬の直接投与を脳塞栓の4例と脳血栓の1例に行い,3例 60% に完全な再疎通,2例 40% に部分的再疎通を得た.脳底動脈の狭窄残存例1例に対して,追加的な血管形成術を行なった.手術創に再出血を起こした例はなく,全例で中等度ないしは完全な神経学的な改善が得られ,死亡例はなかった.
    結論:心臓手術後の脳血栓塞栓症に対する緊急脳血管造影および血管内線溶療法は,機能予後および生命予後を改善する可能性がある.
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