弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
56 巻 , 2-4 号
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総説
原著
  • 竹内 和成, 原田 征行, 高垣 啓一, 遠藤 正彦
    2005 年 56 巻 2-4 号 p. 45-54
    発行日: 2005年
    公開日: 2021/10/05
    ジャーナル フリー
     低分子プロテオグリカン (PG) であるデコリンを黄色靱帯から抽出し,各種クロマトグラフィーで精製した後,そのコアタンパクおよびグリコサミノグリカン (GAG) 糖鎖の構造を解析した.コアタンパクの N末端アミ ノ酸配列はヒト骨PG-II およびヒト胚膜PG-II のそれと一致していた.GAG糖鎖のセルロースアセテート膜二次元電気泳動,ハイドロキシアパタイトカラムを用いた親和性高速液体クロマトグラフィー (HPLC) およびコンドロイチナーゼ消化後のゲルろ過HPLC による分析では,GAG糖鎖は還元末端側にコンドロイチン硫酸 (CS),非還元末端側にデルマタン硫酸 (DS) が局在するハイブリッド型糖鎖であった.
  • 板橋 幸弘, 馬場 俊明, 加藤 智, 鳴海 俊治, 佐々木 睦男
    2005 年 56 巻 2-4 号 p. 55-60
    発行日: 2005年
    公開日: 2021/10/05
    ジャーナル フリー
     患者満足度の向上,術後在院日数の短縮などを目的に早期冑癌に対して低侵襲手術である LADG を導入した.同時にインフォームド・コンセントの充実,術後経過の統一などを目的にクリニカルパスを導入した.
     2002年4月の保険適応と同時に導入した LADG 16例のうち,バリアンスのない症例は4例 (25%) であった.12例で負のバリアンスを認め,10例は患者希望による退院延期であり,2例は胃内容排泄遅延と吻合部出血による食事延期であった.平均術後在院日数は 18.5日と短縮した.また,食事開始日を1日遅らせた同一のパスを ODG (開腹幽門側冑切除)7例に適用したが全例にバリアンスを認め,退院時期を遅らせる変更が必要であった.
     パスを用いることで術式による術後経過の差異が明らかとなった.また当院は地域柄,社会的要因による長期入院希望患者が多く,患者中心の質の高い医療の提供を考えるとやむを得ないと思われた.
  • 大黒 浩, 大黒 幾代, 中澤 満
    2005 年 56 巻 2-4 号 p. 61-68
    発行日: 2005年
    公開日: 2021/10/05
    ジャーナル フリー
     脊椎動物視物質ロドプシンの3つのリン酸化部位 (334Ser, 338Ser および 343Ser) の生理的意義を検討するためにそれぞれのリン酸化部位を特異的に認識する抗体を作成する目的で3つのうち一つがリン酸化されたラットロドプシンペプチドを合成し,ウサギに免疫した.精製された抗体は ELISA法でいずれか一つのペプチドのみを特異的に認識するものであった.これらの抗体を用いて免疫組織化学的検討を行ったところいずれの抗体も光退色した網膜視細胞を認識し,光退色していない網膜とは反応性が認められなかった.さらに抗リン酸化ロドプシン334 (P-Rho334) および抗リン酸化ロドプシン338 (P-Rho338) 抗体は 650 および 5000 lux の比較的弱い光条件および非常に明るい光条件 (それぞれの光条件はロドプシンの7および 30% を退色させる光量である) のいずれの条件で退色された視細胞を標識した.これに対して抗リン酸化ロドプシン343 (P-Rho343) 抗体は 650 lux の比較的弱い光条件では視細胞を標識せず,5000 lux の非常に明るい光条件でのみ視細胞を標識した.これと同様に約 2000 lux の手術顕微鏡下で眼窩悪性腫瘍患者から摘出された眼球の網膜視細胞をそれぞれ抗P-Rho334, P-Rho338 および P-Rho343抗体によりかなり強く,比較的強くおよび非常に微弱に標識した.この結果はリン酸化された 334Ser, 338Ser および 343Ser の脱リン酸化速度が順に速くなるという従来の生化学的検討の結果と一致する.従って本法のようなリン酸化部位を特異的に認識する抗体を用いた検討は in vivo のロドプシンリン酸化および脱リン酸化の検討に適していると考えられた.
  • 渡邉 智子, 田村 好弘, 対馬 健一, 棟方 昭博
    2005 年 56 巻 2-4 号 p. 69-78
    発行日: 2005年
    公開日: 2021/10/05
    ジャーナル フリー
     大腸癌手術 131例について,p53遺伝子変異の臨床病理学的因子と予後との関連を検討した.キャピラリー電気泳動による直接シークエンス法を用いて,p53遺伝子の exon 5-9 の変異を検出した.大腸癌 131症例中 45例 (34%) に 47個の変異を認めた.臨床病理学的因子では,リンパ管侵襲陽性群 (p=0.03) とリンパ節転移陽性群 (p=0.02) において有意に変異がみられた.Kaplan-Meier法で p53変異陽性群は予後不良の傾向がみられたが,有意差はなかった (p=0.078).exon別では,exon 7 は野生型と比し有意に予後不良であった (p=0.041).多変量解析で p53変異陽性群は相対危険度が 1.650 で,予後不良因子であった (p=0.015).exon 7 は,別の exon やある特定部位の変異と同様に有意差が認められなかった.大腸癌において p53遺伝子変異の検討は予後予測に有用であると考えられた.
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