【背景】 Retinoic acid-inducible gene-I (RIG-I) は RNAへリガーゼの一種であり,ウイルス感染により,細胞質内に蓄積する二重鎖RNA を認識する細胞内受容体である.
【目的】 Tumor necrosis factor-α (TNF-α) と Interferon-γ (IFN-γ) はそれぞれ表皮ケラチノサイトにおける RIG-I の発現を増強させるが,その作用機序は不明である.本研究では.培養表皮ケラチノサイトであるHaCaT細胞において,RIG-I の発現に対する TNF-α と IFN-γ の協調作用を検討した.
【結果】 RIG-I の mRNA とタンパク発現量を半定量的 RT-PCR法とウエスタンブロッティング法でそれぞれ解析した.その結果,TNF-α と IFN-γ を同時添加した条件では,RIG-Iタンパクと mRNA発現量が相乗的に増加していた.
【結論】 両サイトカインが相乗的に RIG-I の発現を上昇させたことから,2つのサイトカインは別々のシグナル伝達経路を介して RIG-I の発現を制御していると考えられた..
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