【目的】我々は女性アスリートで実施される運動,食事制限がもたらす体脂肪の減少とこれにより誘発される性ホルモン分泌や免疫機能の変化を検討した.
【方法】対象者は大学女性アスリート51名 (体操選手15名,女子長距離陸上選手17名,女子柔道選手19名) であった.調査項目は,身体組成値,栄養摂取状況,月経状況,血液生化学検査値,血中性ホルモン濃度 (FSH,E2),血清オプソニン化活性 (SOA) であった.
【結果】最も食事制限が厳しく % fat が最も低かった体操選手で月経異常割合が最も高く,次いで長距離陸上選手,柔道選手となっていた.また,体脂肪率,総エネルギー摂取量と脂質摂取量は SOA と有意な正の相関を示した.
【結論】脂質摂取を中心とした栄養摂取制限が好中球機能の低下をもたらすとともに,これに付随して生じる体脂肪率の低下もこれを抑制する要因となる可能性が示唆された.
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