植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
18 巻 , 2 号
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  • 門口 実代
    2011 年 18 巻 2 号 p. 45-56
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/16
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    山形県西置賜郡小国町において,科学研究費補助金基盤研究(B)「縄文時代のクリ利用に関する考古学・民俗学・年輪年代学的研究」の一環として2007 年度から2008 年度にかけて実施した民俗調査の成果を中心に,クリ林に依拠した生活の実態を解明することが本稿の目的である。山村である当地域においては,昭和20(1945)年代まで集落の周囲にクリ林が存在し,クリ果実と材とを利用した生活が営まれ,生活のなかでのクリの重要性がきわめて高かった。こうした地域の事例に即してクリ林を利用した生活の実態を明らかにすることにより,トチノキなどの堅果類に比べてクリについて論じられることが少なかった民俗学の先行研究に対して新たな知見を示すことが可能になる。そこで,小国町北部の三つの集落を対象として,クリ林に依拠した生活を経験してきた複数の話者からの聞き取り調査を行った結果,昭和20(1945)年代当時,各集落で維持していたクリ林の分布範囲が特定され,クリ林には集落の「共有林」と,家を単位とする「私有林」という異なる所有形態が並存していたことが確認された。また,クリ林の利用は,「果実の利用」と「用材としての利用」を二つの柱とし,利用方法に応じて共有林と私有林との使い分けがなされていたことが明らかになった。さらに,クリ果実の利用と用材としての利用とを両立させるために,クリの木の成長段階に応じた相応の人為的な関与がなされていたことが認められた。そして,人為的な関与に支えられる形で,世代を越えてクリ林の利用を継承することを可能にする仕組みが形成されていた可能性が高いとの結論を得た。
  • 吉川 純子
    2011 年 18 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/16
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    文時代の遺跡から出土した様々な状態のクリ果実の大きさを比較するため,現生の自生ないし栽培に由来する様々なサイズのクリ生果実を実験的に炭化させ,炭化していない果実から炭化した子葉への炭化によるサイズ変化を検証した。果実から炭化子葉へのサイズ変化は高さ,幅ともに直線に回帰し,高い相関が得られた。この結果に基づき炭化クリ子葉のサイズから果実のサイズを復元した。さらにクリ果実の高さと幅を用いた「クリの大きさ指数」(√(高さ× 幅))と重さの立方根は直線に回帰することから,クリ果実の大きさをこの指数で示すことができることを示した。そして縄文時代の各時期から出土した化石クリの大きさ指数を比較したところ,縄文時代早期から後期まではクリの大きさ指数の平均値は増減しながらもわずかに増大傾向を示し変異幅は狭いのに対し,晩期には小さい平均値を持つ集団も存在し変異幅は極めて広いため,人々はサイズを選択することなくクリ果実を利用していたと考えられた。
  • 吉川 昌伸
    2011 年 18 巻 2 号 p. 65-76
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/16
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    縄文時代のクリ林を復元するための基礎資料を得ることを目的として,クリ林における表層花粉と空中浮遊花粉からクリ花粉の飛散を検討した。表層花粉群におけるクリの樹木花粉比率は,クリ林の林縁から約25 mより内側では60%以上,クリ林内の林縁から約25 m 以内では30%以上と高く,クリ林から離れると急減し,樹冠縁から約20m で5%,約200 m で1%以下,クリ個体が疎らに分布する地点では2.5 ~ 5%であった。クリ林内でも空中浮遊クリ花粉は少なく,周辺に分布する風媒花のコナラ亜属が多く飛散し,クリ花粉は自然落下や雨水による落下により林床に多く堆積していた。表層花粉と空中浮遊花粉の分析からクリ花粉が極めて飛散し難いことが明らかになった。クリ花粉の飛散状況に基づいて,花粉化石群の組成の時間的,空間的検討により三内丸山遺跡周辺におけるクリの分布状況の復元を試みた。その結果,調査した多くの地点の周囲25 m 以上の範囲までクリの純林が形成されていたことが明らかになった。縄文時代前期末から中期には三内丸山遺跡周辺のほとんどの台地斜面から台地縁にクリの純林が広がっていたことが推定された。
  • 14C 年代に与える影響の有無に関する比較実験
    工藤 雄一郎, 百原 新, 中村 俊夫
    2011 年 18 巻 2 号 p. 77-82
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/16
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    In many cases, plant remains excavated from archaeological sites have been preserved in the ethanol solution to prevent growth of fungus and decay. Comparative experiments were conducted for examining the presence or absence of effect by ethanol solution for the radiocarbon age of the plant remains. Fossil seeds from the Okinoshima site (ca. 9700 cal BP) which preserved in the ethanol solution during 3 years and dried one, and fossil reefs from the Kouzeki site (ca. 3rd Century AD) which preserved in ethanol solution during 16 years and dried one, were dated. The result of radiocarbon dates coincided in the standard deviations respectively.
  • 本村 浩之
    2011 年 18 巻 2 号 p. 82-
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
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