植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
5 巻 , 1 号
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  • 郭 太現, 南木 睦彦, 辻 誠一郎, 植田 弥生
    1997 年 5 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
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    吉野ケ里遺跡は北部九州における弥生時代の拠点集落のひとつであり,弥生時代以降の様々な時代を含む大規模複合遺跡である。この遺跡の東側低地と西側低地で花粉分析と大型植物化石分析を行い,両地点で花粉化石群帯と大型植物化石群帯を設けた。これらに基づき以下のA~Eの五つの時期区分を設定した。A期は弥生時代前期以前で,丘陵上には照葉樹林が発達し,低地はハンノキ属が生育する湿地ないし河川で,人間活動の影響は認められない。B期は弥生時代前期~中期前半頃で,丘陵上に人間が住み始め,湿地のハンノキ属の林は切り払われ,カヤツリグサ科ならびにヨシ属を伴う湿地になると共に,丘陵上の森林はいくらか伐採される。C期は弥生時代中期後半で,湿地は開発されて水田になり,丘陵上での持続的活動によりエノキ属あるいはムクノキ属などの二次林が発達する。D期は古代または中世で,水田の面積がやや縮小し丘陵の縁辺は畑地ないし裸地になり,丘陵上の二次林は,過度の利用により減少する。E期は近世頃で,水田面積は最大となり,丘陵上および山地ではマツ属の林がスギ林と共に拡大するが,これは植林の可能性がある。以上の時期区分の境界は人間の開発行為の質的変化を示している。すなわち,弥生時代から近世にかけて,開発の仕方や資源の利用の仕方が段階的に変化することが分かった。
  • 百原 新, 吉川 昌伸
    1997 年 5 巻 1 号 p. 15-27
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    千葉県茂原市の国府関遺跡で,弥生時代終末から古墳時代初頭に埋積した蛇行河111の横断面を観察し,12の大型植物化石群の種構成,化石の形状と大きさ,堆積構造と堆積物の粒度組成を比較検討し,大型植物化石群の堆積過程を考察した。大型植物化石群は,攻撃斜面側へと蛇行河川が成長するに伴い側方付加することによって形成された細粒砂~極細粒砂主体の地層に含まれていた。河道内堆積物を構成する各単層は,下位の層の削剥面に始まる上方細粒化の堆積サイクルから構成されていた。単層の下部から中部への水流の営力低下にともなって,大型の種実類・木材片から葉や小型の種実類へと,堆積物にとりこまれる植物化石の形状と大きさが変化し,化石群の種構成が変化した。種実類サイズの平均とばらつきは,堆積物粒子の平均直径と淘汰度に対して正の相関があった。植物化石の運搬堆積様式を推定した結果,種実類は平均粒径1.5~2.0φ前後の中粒砂と挙動し,葡行ないし躍動様式によって運搬された可能性が考えられ,葉は主に平均3.1φ前後の細粒ないし極細粒砂と挙動し浮流様式により運搬された可能性が示された。植物化石群を構成する葉と種実類では種構成に大きな偏りが見られ,葉化石群はコナラ属アカガシ亜属を含む高木性の常緑広葉樹と針葉樹だけから構成される一方で,種実類は高木性の落葉広葉樹や低木が多く含まれていた。この原因として,高木性の常緑広葉樹と落葉広葉樹・低木間での器官の生産量の差が考えられた。
  • 百原 新, 水野 清秀, 沖津 進
    1997 年 5 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    和歌山県橋本市と奈良県五牒市の菖蒲谷層上部層から得た前期更新世末の寒冷期の大型植物化石群を記載し,古植生を復元した。植物化石群にはチョウセンゴヨウを含むマツ属単維管束亜属,トウヒ属バラモミ節,シラビソを含むモミ属,シラカバといった冷温帯から亜寒帯に分布する樹種が卓越し,水湿地に生育する草本が多く含まれていた。シラピソ,シラカバ,サワグルミの産出は西南日本の第四系における最古の記録であり,前期更新世末の寒冷期には,中期更新世前半の寒冷期と同様の亜寒帯針葉樹が優占した古植生が,東北日本だけではなく西南日本にも分布したことが明らかになった。
  • 能城 修一, 藤根 久
    1997 年 5 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
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  • 川田 秀治, 藤根 久, 辻 誠一郎
    1997 年 5 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
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