北海道畜産草地学会報
Online ISSN : 2434-138X
Print ISSN : 2187-5391
4 巻, 1 号
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原著
  • 山口 悠, 清水 成洋, 島田 謙一郎, 口田 圭吾
    原稿種別: 原著
    2016 年 4 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/10/17
    ジャーナル フリー

    安価な牛肉加工品の原料として経産牛肉が挙げられるが、それらの肉質は著しく劣るため、一般にローストビーフなどの単身品の加工原料としては不適である。しかしながら、一産肥育により生産された牛肉であれば肉質は未経産と遜色ないと報告されている。したがって、ローストビーフの原料として肥育形態(一産肥育牛および未経産牛)が品質へ影響を及ぼすかについて調査した。一産肥育牛および未経産牛それぞれ3頭ずつのウチモモブロックを2週間熟成した後に、食肉加工場にてローストビーフの加工を行った。これらのサンプルの理化学分析および官能評価を実施し、結果を比較した。理化学分析6形質において、一産肥育牛と未経産牛の間に有意差はみられなかった。また、官能評価において一産肥育牛の方が未経産牛よりも好まれる結果となった。以上のことから、経産牛であっても1産であれば肥育を行うことで未経産牛肉に劣らない単身品の加工原料となりうることが明らかになった。

  • 林田 まき, 相馬 幸作, 荒木 真一, 岩澤 雅文, 石坂 史明, 田中 愛里, 神谷 絵里, 安藤 達彦, 増子 孝義
    原稿種別: 原著
    2016 年 4 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/10/17
    ジャーナル フリー

    阿寒湖周辺において2006年および2007年のそれぞれ冬期に生体捕獲したエゾシカを、鹿生産牧場に移送し3~10ヵ月間飼育した。2006年6月、7月、9月および10月に満2歳以上のオスをそれぞれ3頭、3頭、2頭および2頭(計10頭)解体した。2007年には6月、7月、9月、10月および11月に満2歳以上のメスを3頭ずつ(計15頭)解体した。これらのエゾシカのロース肉の一般成分含量およびミネラル含量を測定した。オスのロース肉において、粗脂肪含量が9月にわずかに減少し、10月に最も多くなる傾向がみられた。ミネラル含量においては、カリウムおよび鉄含量が9月に減少した後10月に増加する傾向がみられた。メスにおいては、ロース肉の粗脂肪含量が多く、特に10月に有意に多かった。粗タンパク質含量の季節変化はみられなかった。粗灰分含量は7月に有意に少なかった。ミネラル含量においてはカリウム含量に季節変化がみられ、11月に有意に少なかった。以上より、生体捕獲後に鹿生産牧場で短期飼育したエゾシカのロース肉の粗脂肪、粗灰分およびカリウム含量において季節変化が認められた。

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