北海道畜産草地学会報
Online ISSN : 2434-138X
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最新号
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原著
  • 森田 茂, 須藤 由貴, 劉 恩呈
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2020/03/23
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー

    本研究では、群飼養頭数が乳牛の自動搾乳機への訪問および搾乳回数に及ぼす影響を検討した。牛舎は自由往来型で、1群の乳牛群に2台の自動搾乳機を設置した農場1戸を調査対象とした。調査期間は2017年8月から2018年9月で、1期1週間分の自動搾乳機訪問、搾乳および通過(搾乳されずに退出)に関するデータを期間中6期、採取した。期間中の飼養頭数は、91~116頭であった。結果および考察自動搾乳機2台での総搾乳量は、91頭時の3,676㎏/日から116頭時の4,703kg/日の範囲にあり、飼養頭数の増加とともに直線的に増加した。飼養頭数の増加に伴い総搾乳回数は、91頭時の286回/日から116頭時の336回/日へと直線的に増加した。飼養頭数と総搾乳回数(回/日)の間に、y = 1.86x + 122という回帰式が得られた。91頭時を除く乳牛群で、飼養頭数と総訪問回数(回/日)の間に、y=-2.66x+762という直線回帰式が得られた。両関係から141頭時に386回で理論的な自動搾乳機利用の限界に達すると推測した。1頭当たりの訪問回数は、飼養頭数の増加に伴い直線的に減少した。1頭当たりの搾乳回数(y)は飼養頭数(x)との間に、102頭以上の牛群で、y=-0.020x+5.14という回帰式が得られた。両関係から140頭時に通過回数はゼロとなり、自由往来型における飼養頭数の理論的限界が推定された。自動搾乳システムの円滑な運営には、109頭付近での使用が適切と考えた。

  • 足利 和紀, 岡元 英樹, 田中 常喜
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2020/03/23
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー

    無予乾サイレージ調製に適するチモシーの選抜指標を明らかにするため、8栄養系を用いて検討した。その結果、発酵品質の指標(pH、揮発性塩基態窒素(VBN) / 全窒素(TN)、V-SCORE、フリーク評点)の広義の遺伝率は、VBN / TNを除きいずれも高く、育種改良の可能性が示唆された。収穫時の乾物率、可溶性炭水化物(WSC)含量、低消化性繊維(Ob)含量について、大半の発酵品質指標との間に中程度以上の表現型および遺伝相関が認められた。WSC含量と収穫時の乾物率が、共通して重回帰分析と判別分析から選択され、特にWSC含量は全ての発酵品質指標で高い間接選抜効率を示した。以上のことから、無予乾サイレージ調製に適するチモシーの選抜に、WSC含量と収穫時の乾物率が指標となり得る、との結論に達した。また、サイレージの良質化のためにOb含量の積極的な選抜も有効であると考えられた。

  • 安藤 哲
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 2020/03/23
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー

    大頭数の牛群に対して、装着型センサーを用いず簡易に、すばやく体温を測りたいという要望がある。このため、放射温度計を用いて牛の体表面温度を測定する時の放射係数(ε)と測定部位について検討した。育成牛で毛のある場合には、放射温度計で正確な測定をすることは難しいと考えられた。育成牛で毛を刈った場合は、背、肩、管はε=0.85~0.95の時が接触型温度計と放射温度計の表示差が小さく、鼻はε=0.98の時が一番両者の表示差が小さかった。乾乳牛の乳房を測定する際にはε=0.85で測定すると接触型温度計と放射温度計の測定値間に有意差がなく、搾乳牛の場合は、ε=0.90の時が両者間に有意差が認められなかった。乳房炎の牛については、分房別の牛乳中体細胞数の多少と、乳房表面温度の高低の傾向が一致し、乳房炎を乳房の放射温測定から検知できる場合と、牛乳中体細胞数と乳房表面温度の傾向が一致せず、乳房炎を検知できない事例が認められた。

  • 新堂 龍二, 木村 尚貴, 酒井 拓磨, 小笠原 鉄男, 山田 未知, 小糸 健太郎, 中辻 浩喜
    原稿種別: 原著
    2020 年 8 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 2020/03/23
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー

    北海道岩見沢市近郊から排出される未利用資源を含む採卵鶏用飼料を設計し、その給与が産卵成績、卵質および卵の化学成分に及ぼす影響について検討した。未利用資源として屑玄米、米ぬか、豆腐粕およびアスパラガスの切り下を用いた。市販の配合飼料を給与する区(対照区)に対し、その25%(25%区)および45%(45%区)を未利用資源で代替する、計3処理を設けた。49週齢の採卵鶏30羽を10羽ずつの3群に分け、1期70日間(予備期10日間、本期60日間)の3×3ラテン方格法にて試験を行った。代替割合が高くなるに伴い、卵のヨークカラーファンは有意に低い値を示し(P<0.01)、卵中粗タンパク質も低い傾向を示した(P<0.1)。また、レチノール含量も対照区に比べ45%区が低い傾向を示した(P<0.1)。しかし、産卵率や上記以外の卵質と卵中成分には処理間に有意な差はみられず、卵黄色や一部の卵成分に差はみられるものの、本研究で設計した45%代替飼料は採卵鶏用飼料として利用可能と示唆された。

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