保健師教育
Online ISSN : 2433-6890
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研究
  • 井口 理, 鈴木 良美, 佐藤 太地, 石田 千絵, 山下 留理子, 呉 珠響, 奥田 博子
    原稿種別: 研究
    2024 年 8 巻 1 号 p. 62-72
    発行日: 2024/05/31
    公開日: 2024/06/07
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    目的:公衆衛生看護学の教科書の分析から「感染症の健康危機管理に関する公衆衛生看護技術」の構成要素を明らかにし,概念を定義づける.

    方法:Rodgersの概念分析の手法を用いて,公衆衛生看護教育で使用されている教科書12件の「健康危機管理」に関する章を分析した.

    結果:特性として【コミュニティの特徴とリスクに応じて保健指導・啓発を行う】【保健所内外と協働して保健・医療提供体制を強化・管理する】等6カテゴリが抽出された.感染症の健康危機管理に関する公衆衛生看護技術とは「疫学調査の分析から地域の感染リスクを推定し,保健医療体制を強化・管理する手法を用いて平時の保健師活動で把握しているコミュニティの特性に応じて個々人と地域全体の感染予防と感染拡大防止の対策を講じること」と定義した.

    考察:COVID-19への対応を経て付加された技術があり,今後の保健師基礎教育において教授する必要があることが示唆された.

  • 松本 千晴, 大河内 彩子
    原稿種別: 研究
    2024 年 8 巻 1 号 p. 73-81
    発行日: 2024/05/31
    公開日: 2024/06/07
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    目的:保健師学生の採用試験受験の決断および合格までの過程を明らかにする.

    方法:A大学の保健師教育課程4年生10名に,半構成的面接調査を実施し,質的記述的分析を行った.

    結果:採用試験受験の決断において,5カテゴリ【保健師への適性の見極め】【看護師への適性の見極め】【実習指導保健師の職業選択への影響】【職業選択の模索】【親の助言】が抽出された.採用試験の合格までにおいて,7カテゴリ【保健師志望学生特有の就職活動】【受験対策における豊かな支援】【前向きな受験対策】【受験地の選択】【他看護職への進路再考】【合格までの道筋が見える安心感】【自己との対峙】が抽出された.

    考察:学生は,採用試験受験の決断や継続の中で,揺れ動く心を抱えながらも,周囲の影響や支援を受けて前向きに行動していた.学生が保健師への適性や,受験地の選択,面接試験に不安を感じた時は,教員の支援が必要である.

活動報告
  • ―完全オンラインによる公衆衛生看護学実習の体験から―
    佐藤 晃子, 渥美 綾子, 下山田 鮎美
    原稿種別: 活動報告
    2024 年 8 巻 1 号 p. 82-93
    発行日: 2024/05/31
    公開日: 2024/06/07
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    目的:公衆衛生看護学実習の代替として実施したオンライン実習について,学生が有意義と意味づけた体験を明らかにする.

    方法:保健師教育課程の学生6名に対し半構造化面接を行った.研究方法は質的記述的であった.

    結果:オンライン実習において,学生が有意義と意味づけた体験として,【情報が整理された多様な教材で学ぶ】【支援計画を他学生と共有しディスカッションする】【技能の実践と評価を体験する】【他学生・教員とつながる】【時間的な余裕を活用する】【自分のペースで実習を進める】の6カテゴリーが明らかになった.

    考察:今後,感染症や災害等によりオンライン実習に変更せざるを得ない状況が生じた際,本活動報告の結果を踏まえ学びの深化を図り,学生が安心して実習に臨めるよう実習プログラムを構築する必要がある.

  • 佐藤 公子, 岩渕 梓, 馬林 幸枝, 鈴木 睦
    原稿種別: 活動報告
    2024 年 8 巻 1 号 p. 94-100
    発行日: 2024/05/31
    公開日: 2024/06/07
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    目的:介護予防教室における参加者と主催者への大学介入の影響を明らかにする.

    方法と対象:介護予防教室の参加者には,介入前後の身体・口腔機能検査と意識調査を実施し,主催者は介入後に意識調査を実施した.結果はx2検定,Wilcoxon検定などで分析した.

    結果:参加者は教室参加前後で筋力・口腔機能向上が認められなかったが,プロセス・影響評価が高いことが示された.主催者は域学連携の必要性を感じており,介入後のプロセス評価・影響評価の因子別平均値は3.0以上であった.一方,もっとも低値だった因子は結果評価であった.

    考察:域学連携を実施した結果,参加者・主催者共に評価指数からなる結果評価よりもプロセス・影響評価を重視していた.特に,主催者は大学が関与することでプログラム構成,専門的な情報提供,事業の活性化や共同体感覚などを期待していることが示唆された.

  • 渡部 幸子, 大澤 豊子
    原稿種別: 活動報告
    2024 年 8 巻 1 号 p. 101-110
    発行日: 2024/05/31
    公開日: 2024/06/07
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    【目的】保健所の臨地実習方法の違いによる学生の学びから,今後の教育への示唆を得る.

    【方法】保健師課程4年23名を対象に保健所実習前後にアンケート調査を行い,〈臨地実習〉〈オンライン実習〉〈学内実習〉での方法別の単純統計と自由記載の検討,実習日誌から学びをカテゴリ化した.

    【結果】保健所の機能と役割は〈臨地実習〉〈オンライン実習〉で理解した割合が高かった.保健師の役割は〈オンライン実習〉で理解した割合が高く,保健師との対話が学びに繋がった.共通した学びには【保健所の役割】【保健所の活動】【保健師の役割】があり,実際の体験に差があった.

    【考察】臨地実習での学びは,体験だけではなく,現場で働く保健師との対話が学びに影響していた.実習施設と調整を図り,学びを深めることの重要性が示唆された.しかし,実習方法別の期間は2日間と短く,学内実習での共有時間も含まれていることから,明確な差異には課題は残った.

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