現代社会学研究
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11 巻
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • PKKの活動を中心として
    吉原 直樹
    1998 年 11 巻 p. 1-26
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    1970年代初頭以降インドネシア全土を席捲することになったPKK運動は基本的に官製的なものであり,そこでの主たる活動は国家のプロジェクトとか施策の「上からの強行」としてあり,また地域の側からは人的資源の「下からの動員」という性格を帯びていた。そしてPKK運動におけるリーダーシップの構造もまた全体として行政に統制されやすい側面を有していた。
    しかし一部の村(デサ)では,PKK運動を介して女性のエンパワーメントが見られ,従来村(デサ)をあつく覆っていた「アダットの世界」にゆらぎが生じている。
    また,ジャカルタでは,PKK運動が結果としてこれまでのような義務型ではない「自己実現型」のリーダーを生み出しつつあり,グラス・ルーツに大きな刺激を与えている。とはいえ,そこにおけるグラス・ルーツは依然としてアンダーソンのいう〈パトロン=クライエント〉関係によって示される重層的な集団構造に深く足を下ろしているように見える。
  • 神戸製鋼ラグビーチームを事例として
    今田 高俊
    1998 年 11 巻 p. 27-48
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,ラグビー日本選手権で7連覇を遂げた神戸製鋼ラグビーチームを事例にして,非管理型の自己組織化がどのような条件の下になされるかを分析することにある。現代的自己組織性論から導かれる組織原理は,ゆらぎと自己言及性に依拠した脱管理・反制御のシステム形成であるが,それが具体的にどのようになされるかは開かれた課題である。本稿では,自己組織化の条件として,1)個の発想を優先すること,2)ゆらぎを秩序の源泉とみなすこと,3)不均衡ないし混沌を排除しないこと,4)コントロール・センターを認めないこと,の4つを設定する。これらの条件にかんし,既存の資料を用いて,神戸製鋼チームがどのように取り組んできたかを明らかし,非管理型の自己組織化を実証的にあとづけることで,スポーツ界だけでなく一般の組織ひいては社会システムにおける自己変革過程の具体像を探求する。
  • チャティプ・ナートスパー氏による共同体文化論の検討を中心に
    櫻井 義秀
    1998 年 11 巻 p. 49-69
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    現在タイでは,村落共同体の伝統文化・技術を梃に自力更生型開発を推進しようとする農本主義的村落開発運動が盛んである。北原淳氏はこれをポピュリズム的共同体復興運動と名づけ,共同体文化,民衆の知恵といった集合的シンボルの言説性と,開発戦略としての限界を指摘している。本稿では北原氏の問題提起を受けながら,共同体言説の代表的理論家であるチャティプ・ナートスパー氏のタイ社会論,開発論を紹介し,彼の所論に寄せられた批判を検討する。
    タイの共同体文化論は,タイ人による自己再帰的な歴史認識であり,地域開発の実践的認識論として,いわゆる実証主義的な地域研究を行う外国人研究者に大きな問題を投げかけた。論議の主題が,地域社会,歴史研究の目的であった社会的事実の探求から,それを解釈する文化の問題に移行した。文化は元来がイデオロギー的であり,当事者から文化を表象する権利を持ち出されれば,外部から共同体文化論のイデオロギー批判をしにくい。しかも,社会計画的実効性とは別の次元で,共同体文化論が一部研究者,NGO,農村指導者の言説から政府の開発政策に採用される公定言説となりつつある。そのために農村開発,地域文化の社会的現実を構成する力を現実に持つに至った。このような状況の中で,むしろ利害関係を持たない位置から,文化の領有をめぐる政治的問題を指摘すること,文化支配による社会的再生産の構造を分析することが可能であり,今後のタイ文化研究を行う切り口になるのではないかと論じた。
  • 1960年-1990年代の環境運動を事例として
    西城戸 誠
    1998 年 11 巻 p. 70-86
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿では,戦後日本における環境問題とそれに対応する環境運動を,運動目標と組織構造,運動戦略を中心に整理しながら,政策提言型環境運動の特質を考察した。産業公害や大規模開発に伴う環境問題に対しては,制度的変革志向的な運動目標を掲げる政治志向型環境運動が対応し,その組織形態にはフォーマル性が認められた。生活公害のような環境問題に対しては,自己変革的な運動目標を掲げる共助志向型環境運動が対応し,基本的にその組織形態はインフォーマルな運動組織であった。そして地球環境問題に関しては,この問題の特質が生活公害の延長上にありながらもその構造の重層性のため,フォーマルな運動組織を持つ政策提言型環境運動が対応していることを示した。また環境運動が持つ政策提言性の質の程度が組織構造や運動戦略にも影響を及ぼしていることも示した。
    以上のように,環境問題の類型ごとの運動展開と運動の持つ政策提言性の質の変化に注目することによって,1990年代の日本の環境運動において,運動組織のフォーマル性をめざし,高度な専門性を所持した上で行政などに対案提示を行うような志向性が認められる。最後に,政策提言性の高さと動員戦略とのジレンマという政策提言型環境運動が抱えている諸問題を提示した。
  • 1997年マハサラカーム大学の事例
    櫻井 義秀
    1998 年 11 巻 p. 87-99
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    タイ地域社会の変動は,農民の階層分解や都市部労働市場の分析から明らかにされてきたが,教育制度・組織が研究対象に挙げられることは殆どなかった。しかし,現代タイ社会では情報通信・金融・サービス系のソフト型産業が製造加工のハード型産業を凌いでおり,後期資本主義,消費社会の段階に至っている。そこでは学歴の象徴財,知識・情報を提供する教育サービスが産業化されている。町の子供はパソコン・英語教室,学習塾に通い,大学進学を目指す。農村部でも子供を勤め人にするべく,町の実業系短大に通わせようとする。子供数の減少(ほぼ2人)にもかかわらず,それゆえに教育関連支出は家計費に大きくのしかかっている。東北タイの県庁所在地であるマハサラカーム市は行政による教育産業立地型の町であり,人的資源の輩出を開発の主眼に置いている。その中心的存在である大学教育組織及び教育内容を本報告ではまず概観し,次いで,大学教育機関によるタイ地域研究・開発実践の制度化の問題を扱いたい。地域社会研究に関わる要点は次の通りである。農村開発の理論として論議をよんでいる共同体文化論は学部教育,大学院教育のカリキュラムに組み込まれ,この公定言説にのって地域社会の現実が解釈され,行政・NGOの開発ワーカーによってタイの地域社会が作り上げられていく。タイの地域研究は,教育制度による社会的現実の再帰的構成の局面,過程を十分念頭において今後進められるべきであろう。
  • 布施 晶子
    1998 年 11 巻 p. 100-106
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 金子 勇
    1998 年 11 巻 p. 107-110
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 白樫 久
    1998 年 11 巻 p. 111-116
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 鷹田 和喜三
    1998 年 11 巻 p. 117-118
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
  • 高倉 嗣昌
    1998 年 11 巻 p. 119-124
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 玉井 康之
    1998 年 11 巻 p. 125-128
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 泰郎
    1998 年 11 巻 p. 129-134
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 浅野 慎一
    1998 年 11 巻 p. 135-138
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 大国 充彦
    1998 年 11 巻 p. 139-140
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
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