現代社会学研究
Online ISSN : 2186-6163
Print ISSN : 0915-1214
ISSN-L : 0915-1214
16 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 金子 勇
    2003 年 16 巻 p. 1
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 介護保険のもとでのNPOの展開
    安立 清史
    2003 年 16 巻 p. 3-24
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    住民参加型在宅福祉団体から特定非営利活動法人(NPO法人)へと転換して介護保険指定事業者となって介護保険サービスを提供している介護系NPOに注目し,その全国調査を行った。その実態と動態を紹介しながら,介護系NPOの組織実態,介護保険枠内と枠外のサービス内容などから介護系NPOを分類し,活動の発展についてのモデルを構築する。また訪問調査などもふまえて介護系NPOの特徴やめざす方向性などを考察する。介護系NPOが,介護保険発足数年で大きく発展していること,地域福祉の中で新しい機能や役割を果たしていること,社会福祉制度の枠外から社会実験しながら新しい地域福祉サービスを開拓していること,その実践にあたって従来の福祉行政や福祉組織とは異なったリーダーシップや組織運営のあり方をとっていることなどが分析される。そして制度の外側にある地域の福祉ニーズに応えながら,それを制度や政策に反映させていく役割も担い始めていることを論じる。
  • 今野 裕昭
    2003 年 16 巻 p. 25-42
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    神戸市長田区の下町,真野地区で活発に行われている地域ぐるみの高齢者福祉活動を事例に,どのような小地域の構造が高齢者支援を可能にするのか,なぜ地域として高齢者福祉活動なのかを検討する。
    真野では,個々の高齢者支援活動が,学区.レベルでの地縁的な住民団体間の連携でなされている。昭和40年代からはじまった真野住民の住民運動,コミュニティ活動の母体になってきた地域住民組織の変遷を検討すると,学区レベルで,運営が民主化された自治会を基盤にしての地域住民諸組織の緩やかな連合の枠があり,この下に,数多くのアソシエーションタイプの活動集団がつくられていること,実行委員会方式での活動がこうした構造をつくり出してきたことが明らかになる。
    大都市下町の小地域では,地域住民組織の運営を民主化し,実行委員会方式での活動の中から組織間の緩やかな連合の構造をつくり出すことが,地域あげての高齢者支援を可能にする点,小地域が高齢者支援を行う根底に,「地域の高齢者は地域で守る」「高齢者が安心して暮らせる」まちづくりがあるという点,緩やかな構造を持つ地域コミュニティがあれば必要に応じて地域福祉活動ができる,また逆に,地域福祉活動を通して地域コミュニティを形成できる点,地域の主体的な自律がなければ地域高齢者の自立もないであろうことが,明らかになった。
  • 都市の高齢者と農村の高齢者の比較より
    松岡 悦子
    2003 年 16 巻 p. 43-61
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    自立したQOLの高い都市部の高齢者と農村部の高齢者に,ライフスタイルについて聞き取り調査を行った。その結果,都会の高齢者は妻,母,嫁,一家の稼ぎ手などの役割から解放され,自分の行動や人間関係を自由に決められることに幸福感を見いだしていた。彼らは高い学歴に裏打ちされた経済的ゆとり,人間関係,時間という資源を最大限利用していた。それに対して農村部の高齢者は,農作物の成長や天候に合わせて自分の生活サイクルを組み立て,友人と共同作業をすることに喜びを見いだしていた。彼らの行動は,互酬的な人間関係や,労働と遊びが分離していない日常活動という共同体の原理に支えられていた。これらのことから,同じ日本の高齢者であっても都市部と農村部ではライフスタイルに大きな違いがあり,彼らの満足感や自立の背景をとらえるのに,一つのモデルで語るのは不十分であることがわかった。また,高齢者を非生産人口として社会的弱者と見なす「近代化パラダイム」では,都市の高齢者も農村の高齢者の実態も十分にとらえきれないことが明らかになった。
  • 金子 勇
    2003 年 16 巻 p. 63-83
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1990年代から,高齢者の自立促進条件は,積極的に研究されてきた。その条件は,良好な家族との関係であり,安定した経済的な基盤であり,快適な居住環境である。加えて,親戚,近隣,友人,知人などの関係が豊かなことである。第三には,趣味や得意をもつことである。これらがQOLを高くする。人間関係をストリングスと呼び,QOLが高いことをストレングスと命名すれば,高齢者のストリングスが得意と趣味とに結びついて,ストレングスを押し上げることが分かっている。全国5565人の高齢者データ計量分析の結果,市部よりも町村部の高齢者に,得意がストリングスに結びつきやすかった。
    事例分析に選んだのは長崎県すこやか財団の「シニア記者制度」であり,得意を具体的に検討した。その結果,満足感と生活の積極性としての自立志向が構造的要因になっていたことが分かった。ここから,社会的凝集性を目標とした社会全体の持続可能性を展望したい。
    これには,オーストラリア政府が実施している「堅固な家族とコミュニティづくり」が参考になる。「堅固な家族」を戦略的に作り出すことは家族関係を強め,家族解体を減らすことになる。これに即した政策の遂行によって,長期的な視野の中で個人,家族,コミュニティの持続可能性が開けてくるはずであり,日本高齢社会でも応用される価値がある。
  • 角 一典
    2003 年 16 巻 p. 85-102
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿は,環境社会学の重要な一概念である受益圏/受苦圏を再検討し,初期の受益圏/受苦圏概念が抱えていた問題点を指摘し,対案を提示して概念の精緻化を行うとともに,事例への応用を通じて,新たな概念上の地平を拓くことを目的とする。
    初期の受益圏/受苦圏概念においては,重なり型と分離型の二つの構造が提示されていたが,概念の提唱者である梶田や舩橋による,両者を分類するための圏域設定は,十分に厳密性を持ったものとは言い難かった。本稿では,圏域を受益と受苦の和によって設定して重なり・分離を把握することを新たに主張し,また,他の構造判別の指標として,圏域の広がり,経済的代替性,事前型・事後型を設けた。
    事例としては千歳川放水路問題を取り上げ,受益圏/受苦圏概念の観点から分析を試みた。千歳川放水路計画をめぐる政治過程においては,以下のような特徴を把握することができた。すなわち,初期の過程において,受益圏/受苦圏構造は分離型として現れたが,問題の長期化にともなって,受益圏および受苦圏それぞれが変化し,閉鎖的受益圏の顕在化・受益圏の局地化・疑似受益圏の顕在化・潜在的受苦圏の顕在化・受苦圏の拡散などが生じている。
  • 配食サービスを事例とした5年間の参与観察から
    青山 泰子
    2003 年 16 巻 p. 103-118
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,在宅高齢者を対象とした配食サービスを事例として,地域支援システムが内包する問題点を析出するとともに,サービスの担い手が一つの福祉システムにいかに組み込まれ,資源としての有効性を発揮するのかについて分析・考察することにある。調査方法は参与観察法を選択し,過去5年間,自らがボランティアの一人としてサービスの供給現場に携わり収集したデータを,質的に分析した。このシステムは,フォーマル資源としての専門職員と,インフォーマル資源としてのボランティアという,質的には異質な供給者による対等な協働関係によって成り立っていた。
    調査の結果,サービスを支える職員とボランティアの協働関係については,以下のような知見が得られた。第一に,ボランティアはサービス供給を支える人員として即戦力になりうるが,自発的参加に基づく性格上拘束力はなく,その流動性の高さが人材確保のマイナス要因にもなりうるということ。第二に,したがって事例とした配食サービスが抱える課題を解決するには,ボランティアの迅速な補充方法を検討するか,もしくはサービス供給の理想型を変えなくてはならないということ。第三に,施設機能を活用した形で維持される地域支援システムにとっては,基盤としてのハード資源が揺るがないことの利点を活かすためのソフト資源の加工がポイントになるということである。
  • フレーム分析の再検討
    西城戸 誠
    2003 年 16 巻 p. 119-136
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    最近の社会運動研究において,人々の不満などの運動にかかわる認知的な側面の議論には,「文化的フレーミング」という概念が広く使われている。運動がどのようにすれば拡大するのかという実践的な関心を伴い,運動体とその指導者側が提示する「フレーム」の戦略的優位性についての議論が多くなされてきた。しかしながらこれらの議論は,フレームの受け手側の分析を欠いた議論であり,結果として動員された事象を対象とし,運動体とその指導者側の「効果的なフレーミング」の結果,支持者の動員が可能になったという説明をしている。
    本稿では,このようなトートロジカルな議論を回避するために,運動体側から投企されるフレームと,そのフレームの受け手の「文化的基盤」との「提携」という図式を用いる。北海道札幌市・江別市における都市近郊の環境運動を事例にして,投企されたフレームと,受け手の集合的記憶,組織文化,集合的アイデンティティといった運動の「文化的基盤」との関係を実証的に検証することによって,なぜ複数の人々が抗議活動に参加したのかという問いに対して文化的な説明を試みる。
  • 井腰 圭介
    2003 年 16 巻 p. 137-142
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 川又 俊則
    2003 年 16 巻 p. 143-146
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 杉野 勇
    2003 年 16 巻 p. 147-153
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 高橋 徹
    2003 年 16 巻 p. 155-158
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 貢
    2003 年 16 巻 p. 159-163
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 藤井 廣美
    2003 年 16 巻 p. 165-167
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 藤井 史朗
    2003 年 16 巻 p. 169-172
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 義秀
    2003 年 16 巻 p. 173-175
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 井上 芳保
    2003 年 16 巻 p. 177-180
    発行日: 2003/06/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
feedback
Top