Honda R&D Technical Review
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19 巻, 2 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
技術紹介
  • 所 洋介, 石橋 丈弘
    2007 年19 巻2 号 p. 1-6
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    クロスロードは「Active Life Navigator」というコンセプトのもとにSUV の持つたくましさをベースに3列シート(7人乗り)とコンパクトなサイズをあわせ持った新生活創造車として開発された.

    エクステリアデザインは,「小さいけれども強い」をテーマに都市で埋没しない個性的なデザインを目指し,張りのある四角いボデーとしっかりと張り出したフェンダをつくり力強いデザインを実現している.

    インテリアデザインは「爽快で骨太な空間」をテーマにスクエアな室内を隅々までつくりこみ骨太な骨格をいかすことによって,守られた安心感とタフでモダンな空間づくりを目指した.

    タフで力強い雰囲気をもつエクステリアとモダンなインテリアをあわせ持つこの車が新しい価値観を人々に提供できると考えている.

  • 山岸 政彦
    2007 年19 巻2 号 p. 7-11
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    新型モンパルML200 はこれからの高齢者社会に向けた電動カートとして,より多くのお客様のさらなるクオリティ・ライフ(高質生活)の実現のために開発を行った.

    都市近郊部での走行を考慮して,自転車並みの車体幅で実現した“スマート・パッケージ”を基本骨格とし,量産車として初めて先進安全研究車Honda ASV-3 LONG 技術を採用するなど被視認性に配慮した.また,愛着のわくフロントフェイスや,安定感のある台形フォルムなど,「Hondaらしい新しいモビリティ」を基本テーマにデザインを行った.

  • 上田 孝治, 高橋 龍一, 今野 修
    2007 年19 巻2 号 p. 12-19
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    1960 年代,Honda がFormula 1 で初優勝し,日本の自動車産業界に新しい歴史が刻まれた.そのRA272 エンジン排気系エキゾーストパイプ(以後, エキパイと呼ぶ)を現代に継承された“つくり”のWAZA(技)により,忠実に再現させ分析を試みた.その結果,当時の機械曲げ工法に比べ,パイプに砂を入れ炙り曲げる工法(以後,手曲げと呼ぶ)は,図面や型を使わず曲げ限界が大きい連続した曲げが可能であるため,レイアウトの自由度,製作スピードの点で優れていたことがわかった.職人が曲げる瞬間の勘所からは,WAZAの解明に重要な曲げ温度と起点が明らかにされた.曲げ加工による残留応力が少なく,材料のミクロ組織が700℃から900℃の排気熱でも安定していることから,形状安定性と機械的強度においても有用な知見が得られた.

  • 吉井 恭一, 堤 幸一, 重水 信男, 佐藤 辰
    2007 年19 巻2 号 p. 20-25
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    コントロール性の高いハンドリングと旋回性能向上に重点を置き,RC211V のフルモデルチェンジをおこなった.RC211Vの基幹である,軽量コンパクト,高出力なV型5気筒エンジンを継承した上で,エンジンのさらなる小型,軽量化を図り,完成車全体の再設計をおこない,マスの集中化を進め,フレーム・足まわりの大幅なディメンションの変更により車両全体での慣性モーメントの低減を達成した.さらに燃料供給系の5気筒中2気筒のみを電子制御としたHonda Intelligent Throttle Control System I(I HITCS II)の採用により最高出力を向上しながらも,燃費とスロットルコントロール性を改善した.また,フェアリング側面面積の削減によりハンドリング性能を向上した.

    これらの結果により,戦闘力が高く,かつ安定したレース車両が開発された.

  • Knowles Trevor, Yasuhide Sakamoto, Nickols Tom
    2007 年19 巻2 号 p. 26-31
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    アメリカンルマンシリーズ(ALMS)のプロトタイプカテゴリLMP2 グループ用のエンジンの開発をおこない,2007 年セブリング12 時間レースに初参戦をした.

    エンジンはLMP2 のレギュレーションに従ってV型8気筒3.4 L,リストリクタ径φ 44mm を使用しており,そのレギュレーションおよび耐久レースの特徴に沿ってエンジンの出力向上,耐久信頼性向上さらにメンテネンス性向上を中心に開発をおこなった.ディメンションに共通部分が多いインディレーシングリーグ(IRL)のエンジンを比較対象としたが,IRL とALMS ではサーキットにおいてはオーバルメインとオードコース,燃料仕様においてはアルコールとガソリン-アルコール混合,さらには回転数リミットと空気リストリクタ付きなどの基本的な違いがある.

    ALMS のレースの特徴にマッチした動弁機構や燃焼室の仕様決定や実験方法の確立をおこなった.

  • Hayre Manminder, Martinelli Marcelo, Sakamoto Yasuhide
    2007 年19 巻2 号 p. 32-36
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    アメリカンルマンシリーズ(ALMS)用レースカーのエレクトリカルシステムの開発をおこなった.ECUはソフトウエアのコントロール機能を中心とするようにし,ドライバやユニットは独立したモジュールタイプを採用した.モジュールタイプを採用することによりインジェクタや各センサなどの仕様変更や追加に対し必要なモジュールの対応のみで使用することが可能となり,拡張を容易におこなうことができる.今後,開発のフレキシビリティおよび効率向上を計ることができると考えられる.

    ソフトウエアの開発ではシミュレーションやモデルの使用に努めた.その結果,従来に比べ3倍程度時間を短縮してソフトウエアストラテジ投入が可能になり,高効率なエレクトリカルシステム開発ができるようになった.

  • 田中 良男, 岡部 格, 小野寺 泰洋, 伊藤 隆司
    2007 年19 巻2 号 p. 37-43
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    定格出力4.5 - 5.5 kVA クラス世界トップレベルの静かさで軽量なポータブルエンジン発電機EU6500is を開発した.

    EU6500isは空冷式単気筒エンジンを搭載した既存の開放型インバータ発電機EM6500is をベースにマフラの冷却方法にエアガイド付きマフラ冷却構造を投入することや,高剛性モノコックフレームの採用などで騒音の低減と軽量化を両立させた.その結果,定格出力5.5 kVA で騒音値LWA90 dB を達成した.これは出力がおよそ半分の防音型インバータ発電機のEUシリーズと同等以上の低騒音である.また,同出力帯の水冷式二気筒エンジンを搭載したポータブルエンジン発電機EX5500 と同等以上の低騒音でありながら,重量は35%の低減,及び体積は33%のコンパクト化を図ることに成功した.

    その結果EU シリーズ最上位機種としてバックアップ電源やレジャーユース等幅広いニーズに対応できる商品とすることが出来た.

  • 坂本 友和, 岡田 恵, 井上 和城
    2007 年19 巻2 号 p. 44-48
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    四輪車用システムをベースとしAll Terrain Vehicle(ATV)用の電動パワーステアリングシステム(Electric Power steering System: EPS)を開発した.EPS ユニットをコンパクトな構造とし,ATV の車体構造を変えることなく搭載を実現した.モータサイズ,減速比,トーションバーのばねレートを最適に設定することにより,操だトルクを2WD/4WD時共に半減し,また,キックバックを低減しつつ路面からの適度なフィードバックを残し,コントロール性と快適性を両立させた.EPS ユニットにベアリングホルダを配置するなど外的な荷重の影響を受けない構造や防水処理を施すことによってATVの使用条件を満足するシステムを実現した.

  • 新井 雅之, 山中 敬三, 養父 利秀
    2007 年19 巻2 号 p. 49-54
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    ナビゲーションシステムは,近年,機能の向上に伴う地図データサイズ増加のため,データ格納メディアとしてハードディスク装置(HDD)を使用している.

    地図データは,最新の道路や施設などを反映して定期的にデータの更新が必要なものであるが,現在の地図データ更新作業は,HDDを取外す手間がかかり,また,更新作業中は使用できなかった.

    そこで,新しい構造のデータ格納方式を採用し,HDDを取り外すこと無く簡便に,かつ短時間にデータを書き換えられる機能を開発した.

  • 富永 克彦, 清水 哲也, 植田 茂紀, 倉田 征児, 都地 昭宏
    2007 年19 巻2 号 p. 55-60
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    高耐熱排気バルブ用に,従来の高ニッケル耐熱合金に対し,ニッケル含有量を低減した高耐熱合金NCF5015 を開発した.本合金は,高温強度と耐摩耗性および長時間加熱後の組織安定性に優れた材料である.この特性は,低ニッケル化に伴う強度低下を補うために,折出強化に寄与するガンマプライムの生成量と固溶強化に寄与するモリブデン,タングステン量を,いずれも熱間加工性を損なわない範囲にまで増量したことにより得られた.

  • 鶴田 直樹
    2007 年19 巻2 号 p. 61-65
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    自動車室内の空気質を改善するために,アセトアルデヒドとトルエンの揮発量が少ないダストシーラを開発した.このダストシーラは,従来の材料と比較して,アセトアルデヒド揮発量を90%以上,トルエン揮発量を45%以上削減することができた.

    配合原料としては,ベース樹脂にアクリル樹脂とウレタン樹脂を使用し,また,トルエンを含まない希釈剤を使用した.一方,製造方法としては,ダストシーラ各原料の製造過程からトルエンを全廃し,原料中にトルエンが残留することを防ぎ,また,ダストシーラ製造工場内でのトルエン含有溶剤の使用を禁止し,工場内の空気中のトルエン濃度を一定の基準値以下で管理した.

  • 坂本 淳, 尾崎 睦
    2007 年19 巻2 号 p. 66-69
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    新型ACCORD の開発において,加速時室内音を対象に,ターゲットユーザに応じた目標を設定し,それを達成するために,主成分回帰法を用いた伝達経路解析法を適用した.本手法は,室内音に対して,振動入力による伝達経路と,音響加振力による伝達経路の寄与度を明確にすることができ,得られた合成音は音質評価システムに組み合わせることが可能である.その結果,目標室内音の達成のために,対策が必要な部位の抽出と,必要対策量の設定がなされて,新型ACCORD の目標室内音を達成することができた.

  • 野口 好洋, 田中 賢治, 多田 寛子, 井出 史彦, 見坐地 一人
    2007 年19 巻2 号 p. 70-73
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    新型ACCORD 開発にあたり,競争力のあるNV 性能を満足しウエイトパフォーマンスの高い防音パッケージをめざした.防音仕様検討には,これまでの開発に実績があるハイブリッド統計的エネルギー解析手法(以下ハイブリッドSEA手法)と積層多孔質材料の音響特性予測技術,および車体FEM解析技術を用いた.これらの解析結果から,車室内ロードノイズに対しトンネルを含むフロア部の寄与が高いことがわかり,軽量化と防音性能向上を両立する防音フロア構造を開発し,新型ACCORD の静粛性向上に貢献することができた.

論文
  • 小松田 卓, 高橋 誠幸, 安川 勝久, 大村 淳一, 難波 規之
    2007 年19 巻2 号 p. 74-82
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    2007 年モデルMDX 用として開発された3.7L V6 エンジンは,前モデルMDX 用3.5L V6 エンジンの基本骨格を踏襲しながら排気量拡大と高出力化を達成した.

    排気量拡大と高出力化を同時に図る技術としてアルミニウム合金製シリンダライナの採用が有効であるが,採用にあたってはシリンダライナとピストンリング間のしゅう動性を重点的に取り組んだ.主にボアしゅう動面の面性状として,ライナに含有させる硬質粒子の浮き出し状態の詳細規定やボア熱変形剛性向上のためのライナとシリンダブロック間密着性向上技術の開発により,しゅう動性を確保した.本稿では高出力,大排気量V6 エンジン用アルミニウムライナ鋳込みシリンダブロックの開発における研究内容とその技術を述べる.

  • 奥山 庸介, 相川 孔一郎, 星川 渉, 丸山 雅司
    2007 年19 巻2 号 p. 83-89
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    本研究において,エンジン油中の酸化防止性能は,スラッジの発生と強い相関関係にあることを見出した.エンジン油の単体試験,および台上試験をおこない,酸化防止性能の劣化形態を解析し,エンジン油劣化の化学反応機構が0 次反応と1次反応の足し合わせで近似できることが示された.また,熱,空気,NOx,未燃燃料が酸化防止性能の劣化に強く依存してることも示された.さらに詳細な解析をおこない,酸化防止性能の劣化形態を一般式化し,その劣化度合いを推定できた.

    実車による検証をおこなった結果,酸化防止性能の劣化度を精度良く推定でき,オンボードでの使用に有望な技術であることが証明された.

  • 山本 裕司, 赤崎 修介, 小原 正徳, 水野 隆英
    2007 年19 巻2 号 p. 90-95
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    内燃機関の燃焼圧力を,比較的安価な多結晶圧電素子で,リアルタイムに計測可能なシステムを構築した.燃焼状態が全運転領域で計測でき,失火検知を高精度におこなえることを,量産車の運転試験において実証した.これまで,多結晶圧電素子は比較的安価ではあるものの,使用環境下での温度特性や耐久劣化などによる出力変化が大きく,量産エンジンへの適用が困難とされてきた.そこで本研究では,センサ出力のばらつきを各要素別に明確にするとともに,適応演算を用いて規範となるモータリング時の推定圧力に一致するように補正パラメータを同定し,温度特性の変化や出力劣化による変化が生じても,安定した筒内圧力を計測可能にした.

  • 髙岸 広, 長久保 篤史, 六車 和人, 高橋 信晴
    2007 年19 巻2 号 p. 96-103
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    エンジンのオイルポンプチェーン荷重を精度良く予測するシミュレーション技術を確立した.確立にあたってチェーンに発生する遠心力と慣性力を考慮できることと,弦振動が大きいブレードテンショナから油圧テンショナを用いたシステムまでチェーン荷重予測ができることを主眼とした.そのためチェーンは1リンクを一つの質点に置き換え,その間をスプリングで連結するリンクバイリンクモデルとした.この研究によりオイルポンプチェーンシステムの特徴が明らかになり,オイルポンプチェーンの挙動と荷重を高い精度で予測することが可能となった.

  • 舘野 義和, 古居 芳臣, 法田 和宏
    2007 年19 巻2 号 p. 104-109
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    トランスミッション用外歯車のかみあい解析精度向上のため,歯車のかみあいミスアライメントに着目した.実機における歯車は,複数の部品で支持されている.歯車支持部品間の接触部に適正なばねを与えることで,実用に見合った精度と計算時間を有するミスアライメント机上予測技術を線形解析により構築した.本稿手法によるミスアライメントを歯車かみあい解析に適用することで,歯車歯面の接触状態や破損予測に対して,実態と良好な相関が得られることを確認した.また,ミスアライメントの影響因子と寄与についても分析が可能となり,改善が効率的におこなえるようになった.

  • 齋藤 俊博
    2007 年19 巻2 号 p. 110-116
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    発進時のトルクコンバータ付きCVTの金属ベルトは,急激なプーリ推力の立ち上がりを受け,停止状態からわずかな時間でトルク伝達することが求められる.本稿では,金属ベルト挙動とエレメント応力を同時にシミュレートする技術を用いて,発進時の過渡運転条件におけるエレメントネック部廻りの応力履歴を明らかにした.その結果,エレメントネック部応力の支配因子はV面荷重であり,これにエレメント間押し力による曲げが追加される形であることがわかった.シミュレーション結果の確からしさを検証するためエレメントに作用する荷重分布を実験値と比較した結果,定性的な一致が見られた.あわせて,この過渡的な応力を評価する手法についても示す.

  • 小谷野 光江, 竹内 務, 小原 健史, 横井 元治
    2007 年19 巻2 号 p. 117-122
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    二輪車シートの乗り心地性能を向上させるために,走行時の入力条件を再現できる乗り心地評価試験機を製作し,動的ストローク感(路面衝撃入力時のシートクッションの動き)と乗り心地不快感評価について,評価手法を確立した.この装置を用いて,人体の感じ方と二輪車に必要なシートの振動特性を見出し,二輪車に必要な低周波での振動特性に優れた熱可塑性エラストマ製の立体網状クッションを開発した.確立した評価方法を用いて,従来のウレタンフォームクッションと立体網状クッションの性能を比較した結果,立体網状クッションは,動的ストローク感,乗り心地が向上していることを明確にすることができた.

  • 江口 純司, 近藤 いずみ, 小池 弘之
    2007 年19 巻2 号 p. 123-128
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    夜間における歩行者事故低減を目的として,近赤外線画像の道路領域を遠赤外線画像に重ね合わせた重畳画像を構成した.これまでに研究されている遠赤外線画像と近赤外線画像全域を用いた重畳画像では,歩行者認識に必要のない街灯や対向車の灯火などの画像情報も重畳されるため,これらの影響を低減することで視覚支援の効果を向上させることができる可能性がある.このため本研究では,グラデーションをかけることで近赤外線画像の道路領域のみを遠赤外線画像に重畳し,歩行者と道路領域に限定した部分的な重畳画像を構成した.この重畳画像の視覚支援効果について,被験者を用いた他の画像との比較実験をおこなった結果,歩行者位置の認識精度が向上することを確認した.

  • 高田 健太郎, 木暮 亮介, 小林 輝夫
    2007 年19 巻2 号 p. 129-137
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    焼結鍛造コネクティングロッド(以下コンロッド)の素材の高疲労強度化を研究した結果を報告する.

    従来の主要な混合粉末(鉄,炭素,銅)に対し,特殊な合金成分を添加せずに配合量の調整と焼結温度条件の制御によって焼結鍛造素材の加工性を低下させずに高疲労強度化を図った.疲労強度の向上には銅によるフェライトの固溶強化だけでなく素材の表面欠陥である空孔を低減させる方法が有効であるが,含有炭素量を低減することで塑形段階において形成される欠陥を大幅に減らすことができた.

    本研究の結果を元に高強度化した焼結鍛造素材は従来の素材に対して疲労強度を30%以上向上させることができ,焼結鍛造コンロッドの適用範囲を,従来よりもさらに高出力,高負荷エンジンにまで広げることができた.

  • 井出 史彦, 多田 寛子, 見坐地 一人, Courtois Theophane, Bertolini Claudio
    2007 年19 巻2 号 p. 138-143
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    ロードノイズ性能向上を目的とした音源同定手法を検討した.中周波域での固体伝搬音による車室内音を低減させるためには,寄与の高いパネル放射音源を同定する必要がある.本研究では,実稼働状態での車室内音圧と台上状態での車室内各パネルに配置したスピーカからの音響伝達関数から,主寄与音源を同定した.計測時の誤差による音源同定精度の低下を防ぐため,伝達関数の逆行列を用いない手法を適用した.実車検証の結果,100 - 600 Hzの車室内合成音圧を高い精度で予測できた.

  • 梅津 健太, 石戸 亘, 藤原 欣哉
    2007 年19 巻2 号 p. 144-153
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    長さの国家標準器に対してトレーサブルであるボールアーティファクトにより歯形計測の校正をおこない,校正結果から任意諸元の歯形と1対1に対応して歯形計測の不確かさを定量化する評価技術を確立した.

    本評価技術では測定機の校正作業を最小限とし,歯形計測における統計的性質を代数的にモデル化し,歯形計測を数値演算によりシミュレート可能としたことで歯形計測の信頼性を統計的に評価している.本評価技術により製造現場の歯形検査において,実用性の高い検査精度の保証を可能とした.

  • 池内 康
    2007 年19 巻2 号 p. 154-159
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2026/03/09
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    高齢者の生活をサポートするため,「人にやさしい歩行アシスト装置」の実現をめざし,装着者へのアシストと装置の自重補償を両立するあらたなアシスト制御手法を提案する.この手法では,装着者と装置の演算モデルを分離し,装着者側の演算よりアシストモーメントを,装置側の演算より装置の自重補償モーメントをそれぞれ別々に逆動力学解析手法を用いて算出する.また装置の自重補償のための,床反力演算手法を確立した.実験により,装置の自重補償床反力ベクトルの向きの安定性が高いことを示した.この結果,この手法を装着者の力学モデルに適用して,装着者の足が受ける床反力ベクトルを推定することが可能となるため,床反力センサを用いることなく人にやさしい歩行アシスト装置を実現する見通しが得られた.

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