Honda R&D Technical Review
Online ISSN : 2187-381X
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ISSN-L : 2187-381X
22 巻, 1 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
技術紹介
  • 秋丸 立也, 風間 智史, 内田 智, 小林 美絵
    2010 年22 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    今回のフルモデルチェンジで4代目となるステップワゴンは,「皆楽MAX ミニバン」というコンセプトのもと,5ナンバーユーティリティミニバンとして,ユーザの期待を超える機能性と空間を持った,生活の豊かさの創出を提供する商品として開発をおこなった.

    その中でデザインは「FRIENDLY MAX」をキーワードに展開した.

    エクステリアデザインでは「広さ」「使いやすさ」「シンプル」という観点で,ひと目で広大な空間を感じさせるスクエアな骨格と,楽しいドライブをイメージさせる大きなガラスエリアを採用し,豊かな面や張り出したフェンダ,躍動感のあるフォルムなどで,機能的でシンプルながらもあたたかみのある「FRIENDLY MAX EXTERIOR」を実現した.

    インテリアデザインも,「広さ」「使いやすさ」「シンプル」という観点で,ひと目で使い勝手のよさを感じさせながら,より広さを感じさせる造形や,誰でも見やすく操作しやすい表示と操作系などで,機能性と親しみやすさを両立した「FRIENDLY MAX INTERIOR」を実現し,カラーデザインについても,その特徴をより引き立たせたものを開発した.

  • Schumaker Eric, Schell Damon, Wiedeman Michae, Christensen Michelle, M ...
    2010 年22 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    In keeping with Acura’s core value of being an innovator of vehicle segments, the ZDX team identified an opportunity to create a segment that would satisfy a trend-setting luxury customer and raise Acura’s prestige.

    The ZDX styling concept of “Suspenseful Emotion imagining an epicurean [luxurious] journey” provides a driving and living experience of emotion and style. The “Motion Surfacing” exterior concept gives the vehicle an immediate and strong visual impression. The “Two plus Freedom” packaging concept combines characteristics of sport sedans, coupes, and SUVs to provide spirited, coupe-like driving and strong all-road performance. The “Destination Hotel” interior design concept extends the living experience of a modern and luxurious getaway.

    ZDX’s coupe proportions featuring large wheels and tires and a small, tapered cabin allowed stylists to create very dramatic shapes, such as the deep shoulders over the rear tires. The all-glass panoramic roof maximizes the feeling of interior openness while minimizing exterior size. The interior features wrap-around leather surfaces, ambient lighting, and a center command area called the “Blended Technology Monolith,” which blends the climate, entertainment, and navigation systems.

    ZDX’s purpose of inviting a couple to explore and drive in a spirited fashion led to a new mix of sport SUV driving and utility combined with the comfort and seating of a sport sedan or coupe.

  • 石川 昌宏, 細田 正晴, 高橋 潤, 小野寺 和夫, 宮原 啓輔, 松井 充
    2010 年22 巻1 号 p. 13-20
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    2009年モデルインサイトのプラットフォームおよびハイブリッドシステムを活用し,新時代のハイブリッドによるスモールスポーツカーの開発をおこなった.

    エンジンを 1.5L IMA(Integrated Motor Assist)とし,さらに6速トランスミッションと組み合わせることでスポーティなフィーリングを実現した.デザインは,低,短,ワイドでスポーツパッケージを際立たせ,Honda初のLED DRL(Light-emitting diode Daytime Running Lights)ヘッドライトに代表される先進アイテムにより,先進スポーティフォルムを実現した.インテリアは先進3Dメータ,スマートスポーツシートでスポーティさを演出し,ソフトフィールインストルメントパネルと金属フィルムの使用によるクオリティの向上を図った.走りはきびきびとしたハンドリングとし,ドライブシチュエーションに合せた3モードドライブシステムを採用することで新感覚の加速と爽快な走りを実現した.

    走りと燃費を高次元でバランスさせ,デザインでスポーティさを演出することで,IMAという新しい価値を持つ,今までになかったスモールスポーツハイブリッドカーを作り上げた.

  • 平沼 淳二, 広瀬 忠文, 結城 仁, 田中 豪, 室野井 和文
    2010 年22 巻1 号 p. 21-27
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    ポータブルエンジン発電機は停電時のバックアップ電源や工事用の電源だけでなくレジャーにも使用される.レジャーでは主にキャンピングカーのエアコン電源として使われており,低騒音で可搬性に優れる 3 kVAクラスの発電機が求められている.こうしたニーズにこたえるために「EU3000i Handi」を開発した.

    EU3000i Handiは既販プロユース仕様の「EU3000is(3kVA)」に対し,体積を36%,質量を42%削減し,クラストップレベルの小型・軽量化を実現した.

    エンジンは,高回転化やフルトランジスタ点火時期制御などにより,EU3000isに搭載されている排気量 196 cm3のエンジンに対して排気量 163 cm3にダウンサイジングした.また ,マグネシウム合金で補強した樹脂モノコック構造のフレームを開発し,鋼板フレームに比べ大幅な軽量化を図った.さらに,ヘルムホルツ型レゾネータの装着により吸気音を低減し,きょう体構造の改良によりメカニカルノイズの吸音と遮音の効果を向上した.その結果,定格出力時の騒音値は既存のレジャーユース仕様の「EU2000i(2 kVA)」と同等の LWA 91 dBを実現した.

  • 木幡 高志, 伊藤 法彦, 和田 伊佐夫, 宮崎 諭, 藤井 聡, 大崎 優
    2010 年22 巻1 号 p. 28-34
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    足の不自由な方の自立支援に有効な,手動運転補助装置「Hondaテックマチックシステム」を新たに開発し FITに搭載した.

    本開発においてはHonda純正としての安全性と信頼性の確保と,操作性において「運転ができる」という領域から「運転を楽しむ(FUN FOR EVERYONE)」領域に大きく進歩させ,さらにさまざまな機種に対応でき,容易に取り付けられることをねらいとした.

    本稿では,そのねらいを達成するための具体的な構造について説明し,内装と融合したコントロールレバー部のデザインについても述べる.さらに,体の不自由な方の運転免許の歴史やその市場についても紹介する.

  • 吉田 哲也, 倉品 大輔, 山下 郁也, 大髙 彰文
    2010 年22 巻1 号 p. 35-41
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    石油など他の化石燃料と比較して CO2排出量が少なく,加えて家庭への供給インフラが整っている天然ガスを改質して,家庭で燃料電池電気自動車に水素を供給すると同時に,電力と熱の供給も可能とする小型水素供給システム Home Energy Station(HES)を開発した.その第4世代モデルである Home Energy Station IV(HES IV)を運用してHonda FCXへの水素供給および商用電源との系統連系可能な発電を実証した.

    一般家庭に HES IVと燃料電池電気自動車を合わせて導入することで,CO2排出量で30%,エネルギーコストで 54%の低減が可能であることがわかった.実証試験を通じて,環境負荷低減とユーザメリットを両立させる新しいエネルギー供給システムの形態を示すことができた.

  • 新堀 勇, 武藤 彰男, 武生 裕之, 高橋 徹, 齋藤 吉晴, 津幡 義道
    2010 年22 巻1 号 p. 42-49
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    燃費向上,高効率,コンパクト化をねらいとして,MDX用新骨格6速自動変速機(Automatic Transmission : AT)を開発した.トルク伝達効率の高い従来の Honda製 AT同様の平行軸構造を採用し,変速段の多段化,エンジン入力の高トルク対応をおこなった.その一方で,ギヤ列の共用化および入力軸への前後進切り替え構造の配置などをおこなうことで,2007年モデル MDX用5速 ATに対し全長を 18 mm短縮した.また,トルクコンバータには別室多板ロックアップクラッチ(Lock-up Clutch : LC)構造を採用することで,LC容量の向上および LC制御領域の拡大が可能となり,新油圧制御システムの採用と合わせて 2007年モデル MDXに対し,5%以上の燃費向上を達成しつつ,動力性能の向上とダイレクト感あふれる走りを実現した.

  • Batdorf Scott
    2010 年22 巻1 号 p. 50-54
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    To validate the durability of ATV fenders in the lab, it is necessary to apply a testing method that utilizes inertial reactions with large displacements and high accelerations that are present in actual vehicle usage. A relatively simple test rig was devised utilizing an ATV frame, hydraulic actuators, and beam structures. The test rig can reproduce many high amplitude events common to ATVs such as jumps, whoops, and log crossings. By combining this test rig with road simulator technology, a simulation test method was developed. A correlation study to actual riding durability testing demonstrated the test method’s ability to reasonably recreate testing conditions and validate ATV fender durability. With this method, efficient and timely part validation was achieved. This simulation method was successfully applied during development and continues to be utilized in additional research and development projects.

  • 諏方 悟, 川口 大二, 村上 敦, 木村 和良, 多田 雅人
    2010 年22 巻1 号 p. 55-62
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    高い生産性を有する高強度クランクシャフトを開発した.本開発では,高い疲労強度と加工性,ひずみ矯正性を両立したクランクシャフトを検討するにあたり,析出強化元素として知られる Vの鋼中の固溶量が,加熱温度に依存することに着目した.熱間鍛造後の制御冷却ではなく,より簡便に処理条件を設定しやすい焼ならし温度のコントロールにより高強度化可能な材料を開発した.焼ならし温度を最適化することで,加工性,ひずみ矯正性を確保しながら,現行材に対し疲労強度が30%以上向上した.

  • 前川 恵一, 村上 敦, 橋村 雅之, 鎗田 博, 渡辺 崇則
    2010 年22 巻1 号 p. 63-69
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    材料の未固溶炭化物を低減しながら焼き戻し軟化抵抗を向上させる元素添加をおこなうことで,冷間コイリング性を維持しながら,窒化後の内部硬さの向上をはかった.弁ばねの表面処理である窒化に関しては,従来は化合物層に対する対応はおこなわず高硬度化していた.しかし,線材強度,窒化拡散層硬さ,内部硬さを極限まで高めた結果,化合物層強度が破損のヒューズとなり疲労強度が上がらないことがわかった.そこで化合物層が疲労強度に有害と考え,本来,相反する化合物層レスと窒化拡散層硬さ向上を両立する窒化方法を開発した.

  • 松本 善行, 岸本 雄也
    2010 年22 巻1 号 p. 70-73
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    車両前輪近傍の死角を少なくするためのミラーシステムを開発した.二重反射光学系を採用することで,像の反転が無く誤認を生じ難い直感的鏡像生成を実現した.車両に実装し効果検証を実施したところ,幅寄せや狭路通過性能に向上が確認できた.

  • Bai Sue
    2010 年22 巻1 号 p. 74-81
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    In 2007, more than 41,000 people were killed in traffic collisions in the United States (NHTSA 2007). As the number of vehicles on U.S. roads continues to increase, and we at Honda continue to research autonomous safety systems, a new area of safety research has emerged . specifically, wireless communication-based active safety technology. Using wireless communication, vehicles exchange highly reliable, low latency safety messages with each other and the infrastructure to help prevent collisions. This effort represents a major step toward the goal of “vehicles that do not crash.”

    This paper presents an overview of the projects in DSRC communication based Vehicle-to-Vehicle (V2V) and Vehicle-to-Infrastructure (V2I) safety technology research. Prototype system development and testing results are presented, as well as USDOT proposed further research plan.

  • 壇 恵一, 新納 忠, 神谷 満好, 川上 拓郎, 菅野 牧子, 小沼 隆之
    2010 年22 巻1 号 p. 82-87
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    単気筒エンジンにおけるカムチェーン駆動損失とアイドル回転域のカムチェーン打音の机上評価技術を確立した.従来,カムチェーンの打音・駆動損失を机上評価した例はほとんど無く,カムチェーンの打音や駆動損失を満足させるテンショナリフタやテンショナガイドの仕様は,実機テストにて決定されていた.本研究において開発したシミュレーションモデルに与えたカムチェーンやテンショナガイドの静特性・動特性・カムチェーンとカムスプロケットのかみ合い剛性や摩擦係数等は,各々,実機単体テストにより取得した.その結果,カムチェーン打音の発生荷重とカムチェーンシステムの駆動損失が実機データと絶対値レベルで高い相関性を持つことが確認された.本研究により,低燃費と静粛性のエンジン性能を高い次元で両立するカムチェーンシステムを設計初期段階で検討することが可能となった.

  • 篠原 智義, 春原 慶子, 坂居 三郎, 勝部 弘嗣, 井出 大介, 原 宗生, 金田 健
    2010 年22 巻1 号 p. 88-98
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    ClassAデータ(または ClassAサーフェスデータ)とは,製品のスタイリングを表現する高品質な曲面データを意味する.四輪デザイン開発プロセスにおいては,ClassAサーフェスデータ作成 CADを用いてクレイモデルの 3D測定データから ClassAサーフェスデータを作成する.

    複雑化かつ多様化する四輪スタイリングの形状表現に応えながら ClassAサーフェス作成過程でのさらなる高精度化,高効率化を図るために,独自の ClassAスタイリングデータ作成 CADシステムを開発し,形状表現や形状精度,開発効率において効果を発揮した.

  • 篠原 智義, 春原 慶子, 坂居 三郎, 勝部 弘嗣, 井出 大介
    2010 年22 巻1 号 p. 99-113
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    本システムの開発にあたっては ClassAサーフェス作成工数50%削減の目標を達成するため,ClassAサーフェス完成までの三つのモデリングフェーズに着目した.各領域での作業効率を革新的に向上させる新技術を開発して,CAD機能としての具現化に成功した.本文では,とりわけ大きな効果を得た代表的な機能についてこれを実現した技術を紹介する.

    具体的には先ず,クレイモデルの測定データにフィットする基本曲面の作成において,物理的な板の「しなり」をヒントに,曲面の振る舞いや品質を最適化モデルとして定義し,これを解くことで高品質なフィッティング曲面の作成技術を確立した.

    次に ClassAサーフェス数の約10%を占めるフィレット面の作成において,計算アルゴリズムの根本的な刷新により高速化と高精度化を同時に達成した.

    ClassAデータ作成の最終段階においては,デザイナの審美的視点で目標形状への微修正が可能な TDM(ターゲットドリブンモデリング)機能の実現により,繊細な意匠形状の表現が求められるClassAサーフェスの仕上げ作業を効率化した.

  • 外山 寛之, 師 鉄平, 伊原 伸, 南野 達彦, 米倉 浩之, 坂井 伸二
    2010 年22 巻1 号 p. 114-118
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    開発期間を短縮しながらも製品の品質を保つためには,開発の早期段階で,実車が無い代わりに 3Dモデルを用いたデジタル検証をおこなうという開発のフロントローディングが必要である.

    その際にボトルネックとなってくるのが,2Dデータ上に設計情報を記載している図面である.そのため,設計情報を3Dに集約した図面である 3D単独図(以下,3DA)化を核にした設計から製造までの一貫した 3D活用プロセスの構築をおこなった.3DA化のポイントは,部門間やシステム間の連携をスムーズにおこなえるように,3DAが持つ形状要素や属性の格納方法,データ構造を図面特性ごとに自由度を持たせることである.

    これらにより,3DAを用いた 3Dデータでの早期検証と 3DA作図作業の高効率化を実現した.

  • 荒瀬 高志, 菅原 一志, 斉藤 肇
    2010 年22 巻1 号 p. 119-126
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    工業製品の設計プロセスにおいて,特に仕様が確定していないなかで部品の形を決めていくレイアウト作業では二次元(以下2D)上と三次元(以下3D)上の形状を同時参照しながら検討し,それらの結果が相互に反映されていることが重要である.設計ツールである CAD(Computer AidedDesign)にはこれらの作業が効率よくおこなえる機能性が求められる.これに対して設計業務とその具体的な手法に基づき,CAD上で必要な作業を 2D上と 3D上の作業の関係性に着目して整理した.そしてそれらを実現する新機能のコンセプトと機能要件を定義し,CATIA V5標準機能として実現した.レイアウト機能と 2Dと 3Dの連携機能を併せ持つ新機能の活用により,構想からレイアウト段階のさらなる設計効率向上を可能にした.

  • 中野 文雄, 宅美 仁史, 山本 孝則
    2010 年22 巻1 号 p. 127-131
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    Data Proto Modelの活用拡大に伴い,DPM構築機種および派生数が増加してきた.また,部品表システムからの連携も週単位から日単位への頻度向上および部品構成の精度向上が求められている.加えて CADシステムの CATIA V5化対応も必要となり,V5の機能を最大に活用でき,かつ出図されたデータをできるだけ早く DPMとして公開できるように DPM構築のためのシステムを開発した.開発に際して,旧システムにて構築された CATIA V4データを含むDPMの形状精度を保証し,V5データ化して本システムに移行した.効果として,図面が出図されてから DPM公開されるまでの日程を最大4日間短縮し,他部門での仕様検討を前倒しすることが可能になった.

  • 山本 良, 寳満 聡, 鈴木 和典
    2010 年22 巻1 号 p. 132-136
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    本システムは,図面経歴および構成部品などの管理情報(以下部品管理情報)を入力し,それらの情報を車の製品基本情報を総合管理している技術部品表システム(以下NEWS)の情報と照らし合わせ,整合性が取れているかチェックをおこなう CADソフトウェア(以下CATIA V5)上で動作するシステムである.

    部品管理情報を効率よく入力するためのインターフェイスを開発し,NEWSとの整合性チェック結果を図面にフィードバックし修正する一連の作業を自動化した.また,外部ネットワーク接続におけるセキュリティの対応を強化したことによってインターネットを介して本田技術研究所だけでなく,取引先環境でも同システムを使用できるようになった.

    効果として,設計者の図面作成や修正といった図面の作図および出図工数を,CATIA V4の作図支援システムに対して約35%削減することができた.

論文
  • 中溝 大和, 藤原 一夫, 小島 充, 山西 輝英
    2010 年22 巻1 号 p. 137-144
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    圧縮行程初期又は吸気行程後期から圧縮行程初期に,排気バルブをわずかに開閉させる内部 EGRシステムを考案した.この開閉タイミングの場合,吸気行程はほぼ完了しているため,新しい混合ガスの充てん率低下はほとんどない.かつ,筒内圧は負圧であるため,NOx低減のための十分な既燃ガスが勢いよく筒内へ流入する.その熱エネルギーと乱流エネルギーにより,筒内の混合ガスが活性化される.ゆえに,本システムはバルブタイミングを可変にする必要はなく,排気側カム軸と同軸に配置されたEGRカムをソレノイドで作動させるシステムとした.その結果,良好なドライバビリティを得つつ,排気エミッション規制(Euro 3)走行モードにおいて,NOxが約50%,COが約20%低減された.また,NOxが大幅に低減できたために,Euro 3排気エミッション規制値をクリアするための触媒容積を,従来に対して約70%小さくすることが可能となった.

  • 中西 啓太朗, 岡田 義裕, 世良 啓太, 南 克哉, 角田 巌
    2010 年22 巻1 号 p. 145-149
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    本研究では,ピストン摩擦力におけるスカートおよびリングの寄与解析手法の構築および実践をおこなった.寄与解析は,スカートおよびリングそれぞれのストライベック線図を同定することによっておこなった.その結果,スカートは流体潤滑状態にあり,リングは混合潤滑状態にあることが明らかとなった.また,高回転低負荷条件下では特に,スカート摩擦力が支配的であることが明らかとなった.

  • 垣内 浩樹
    2010 年22 巻1 号 p. 150-157
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    遊星歯車装置において歯車の強度設計を適切におこなうためには,製造誤差を統計的に捉え,製造誤差に起因する遊星歯車にかかるトルクの分布を予測する必要がある.本論では,一般の nピニオンの遊星歯車装置に対して,製造誤差と遊星歯車にかかるトルクの関係式を導出した.これによって,遊星歯車にかかるトルクの分布を表す式を得ることができた.また,実験によって関係式を検証し,その妥当性を確認した.トルクの分布を予測するためには,関係式に現れる遊星歯車装置の剛性値を推定する必要がある.その剛性値は図面値と材料特性値を入力した,3D FEMを用いた数値解析によって算出する.剛性値の推定精度を実験によって検証し,剛性値が高い精度で算出できることを確認した.以上から,一般の n個の遊星歯車を有する遊星歯車装置について,製造誤差に起因する遊星歯車にかかるトルクの分布を机上データのみで精度良く予測することが可能となった.

  • 矢ヶ崎 徹, 青山 英明, 一條 秀治, 戸塚 博彦, 原田 雅道
    2010 年22 巻1 号 p. 158-164
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    CVTの伝達容量と伝達効率向上を両立させるため,金属ベルトのV面角度に着目し,この最適角度を検討した.その結果,V面角度を 11 degから9 degにすることで,伝達容量で約20%の向上を達成しつつ,ODレシオ(速度比0.45付近)の単体効率を約0.5%向上させた.金属ベルトの疲労強度はV面角度を狭角化させるほど,リング張力が低減され,伝達容量が向上することを軸間力測定と耐久試験により確認した.金属ベルトの伝達効率は,金属ベルトがプーリ上で半径方向に移動した最大値と最小値の差である軌道ずれ量の影響を受ける.軌道ずれ量を小さく抑えることで,半径方向のすべり移動により生じる摩擦損失が低減され,ベルト伝達効率が向上することを明らかにした.

  • 岡野 武政, 河合 信治, 高村 繁, 堀 剛, 岡田 善成, 庄田 宜史, 池永 直樹
    2010 年22 巻1 号 p. 165-171
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    駆動系ハイポイドギヤ歯元強度を精度良く評価するため,噛み合い位置の変化を考慮した歯元応力の予測技術を構築した.実機でのギヤセットは複数の部品で支持されているため,それらの変形により実働時のギヤの噛み合い位置は無負荷時とは異なる.この噛み合い位置の変化により,歯元応力は増加する.そこで,ギヤ支持部品の剛性を考慮したハイポイドギヤ歯元応力シミュレーションを開発した.本技術により,歯底に沿った歯幅方向の応力分布と最大応力値において,実測値と良好な相関が得られた.

    また,この歯元応力を基準にした強度評価により,ハイポイドギヤの寿命予測精度が向上した.

  • 石黒 哲矢, 米 竜大, 根本 浩臣
    2010 年22 巻1 号 p. 172-178
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    V6可変シリンダエンジンの燃費性能を向上させる方法に3気筒運転領域の拡大がある.3気筒運転によって1気筒あたりの燃焼圧力が上昇し,燃焼の基本次数だけでなく高調波成分のエンジン振動も大きくなる.この高調波振動に対しても振動騒音(NV)商品性を満足する新型アクティブ・コントロール・エンジン・マウント・システムを開発した.高調波振動には,エンジンが発生する振動以外にアクティブ・コントロール・エンジン・マウント(Active Control Engine Mount:ACM)を駆動することにより発生する振動がある.新型 ACMシステムは,正弦波駆動制御および多次数制御により,この二つの高調波振動を低減する.さらに,エネルギー回生回路を採用することで発熱量を低減し,電子制御ユニットの小型化と信頼性を両立させている.車両搭載による試験の結果,拡大された3気筒運転領域においても NV性能を向上できた.

  • 秋山 雅彦, 星野 大介, 根本 浩臣
    2010 年22 巻1 号 p. 179-187
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電子付録

    車載されるモータは,近年,個数と用途ともに拡大傾向にある.それに伴い,車一台分トータルのサイズとウェイトが増加し,エンジンルーム内搭載等による使用環境も厳しくなり,小型かつ軽量で耐環境性に優れるブラシレス直流モータへの置き換えが増えつつある.しかし,ブラシレス直流モータを制御するためには,一般的に相電流センサと磁極位置センサが必要であるためコスト増加傾向にあり,低コスト化が課題となっている.そこで,ブラシレス直流モータにおいて性能と信頼性を確保しつつ,低コスト化を達成するために,相電流センサと磁極位置センサを使用せず,もともとコントローラに存する故障検知用の DC電流センサとモータ駆動電圧の情報により,相電流と磁極位置の両方を推定するアルゴリズムを構築した.構築した手法により,ブラシレス直流モータの低コスト化の見通しを立てることができた.

  • 小林 茂, 五味 哲也
    2010 年22 巻1 号 p. 188-193
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2026/03/04
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    電子付録

    衝突時の軸圧潰エネルギー吸収量を向上させる,MAGレーザハイブリッド溶接の適用技術を開発した.ギャップ部の溶接性に優れる MAG溶接,貫通溶接性に優れるレーザ溶接,各接合手法の長所を活かし,従来レーザ溶接のみでは接合困難とされていた亜鉛メッキ材料同士の重ね溶接および,ギャップ部位の溶接時の課題を解決した.

    また,本溶接技術を適用した HAT形テストピースの落錘試験で得られた衝突時軸圧潰エネルギー吸収量がスポット溶接を適用した場合と比較して約40%向上した.

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