保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
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10 巻 , 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2005 年 10 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    2005 年 10 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大道 暢之, 角野 康郎
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 113-118
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
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    近年,日本各地において急速に分布を拡大している南米原産の外来水生植物ミズヒマワリ(Gymnocoronis spilanthoides DC.)の結実は今まで未確認であったが,筆者らが調査した結果,群馬県藤岡市,千葉県東金市・松戸市,愛知県豊橋市・田原市,大阪府高槻市,福岡県筑後市において種子形成を確認することができた.大阪府高槻市芥川では開花期が6-12月で結実は7-10月であった.段階温度法による発芽実験より,種子は休眠性を持たず,発芽適温は15-35℃であった.明条件で発芽が促進されるが,暗条件下においてもある程度の発芽が認められた.さらに水中での発芽も認められた.種子は越冬可能であるため,植物体が越冬不可能な寒冷な地方にも,今後,分布を拡大する可能性がある.
  • 江口 佳澄, 佐々木 晶子, 中坪 孝之
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 119-128
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    クマツヅラ科の多年生草本,アレチハナガサVerbena brasiliensis Vell.は南アメリカ原産の外来種で,近年全国的に増加傾向にある.河畔域の生態系に対する本種の影響を予測するための基礎として,広島県太田川中流域の氾濫原に成立した群落を対象に,フェノロジー,成長・繁殖様式,種子発芽特性,他の植物に村する影響について,2004年に調査を行った.本種の前年に花をつけた枝の先端部分は春までに枯死したが,春期に株もとから新たな茎葉を伸長させると同時に,前年から残る枝の節から新しい枝を伸長させ,前年の主茎が倒伏すると,新枝が新たな主茎となって開花した.また,接地して砂に被われた節から不定根を伸ばして定着する様子も観察された.秋期の洪水は調査地内の植生に大きな影響を与えたが,本種は,洪水によって倒伏した茎からすみやかに枝葉を伸長させ,短期間に開花に至ることが可能であった.種子発芽には光要求性が認められ,群落内の土壌シードバンク中には多数のアレチハナガサ種子が含まれていた.秋期の増水後には一斉発芽した実生が多数観察された.本種の被度と他の植物の被度との間には負の相関が認められ,またレタス種子を用いた検定により,弱いながら他感物質の存在が示唆された.これらの性質を総合すると,今後,河川流域においてアレチハナガサの勢力が拡大する可能性があり,早期の実態調査と対策が必要と考えられる.
  • 山北 剛久, 仲岡 雅裕, 近藤 昭彦, 石井 光廣, 庄司 泰雅
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 129-138
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
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    航空写真を用いたRS/GISにより東京湾富津干潟の海草藻場の変化を1967年から36年間にわたり解析した.2004年に行った現地調査との比較から,航空写真からの目視判定により海草藻場の分布は約70%の精度で判別可能であることがわかった,海草3種(アマモ,タチアマモ,コアマモ)の識別はできなかった.海草藻場の面積は最大1.79km^2(1986年)から最小0.60km^2(2001年)まで著しく変動した.分布域は1969年から1986年にかけて沖側に拡大し,1986年以降は変動しながら減少する傾向が見られた.富津沖の水質の変化は小さく,海草藻場の面積変化とは対応しなかった.一方,砂洲の地形的変化は海草藻場の分布,特に沖側の境界線の位置の変化と対応した.開放的性質を持つ富津干潟の海草藻場の空間動態には,埋立てや砂洲の変動などの物理的プロセスが重要な役割を果たしていると考えられる.500m四方で区切った小区画ごとに面積の変動を解析したところ,藻場面積の時間的変異のパターンは小区画間で大きく異なることから,場所により異なる要因が関与していることが示された.変動の大きさは各小区画において全体よりも大きいことから,場所ごとに非同期的に増減をすることが,藻場全体の安定的な存続に関与していると考えられる.
  • 高橋 剛一郎, 桑原 禎知, 山中 正実
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 139-149
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    知床半島において,ダムの設置との関係で河川環境の状況を調査した.魚類の移動障害となりうるダムや床固等の一覧を作成し,2003年3月までのダム設置の実態を明らかにした.少なくとも331基のダム等が同半島に設置されていた.ダム等が設置されている河川の割合は半島全体で42.9%にのぼる.設置されているダムは,山地の保全や土砂災害を防止するために設けられる治山ダムと砂防ダムがほとんどであり,洪水調節や農業用水の取水を目的としたダムは確認されなかった.ダムの数は流域の地形や土地利用状況によりさまざまであり,ひじょうに集中的に配置されている河川もある.最初にダムが設置されたのは1960年代初頭で,1980年代にもっとも盛んに設置された(年平均約10.5基).現在はダムの設置数は減少しているが,2000年以降も年間7基以上が造られている.これに対して魚道の数は全部で66に過ぎない.ダム建設時に魚道が本格的に併設されるのは2000年以降である.魚道の管理状態は悪く,総体として知床半島における魚類および河川環境の保護は不適切かつ不十分な状態であった.
  • 石井 禎基, 宮部 満, 角野 康郎
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 151-161
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    兵庫県東播磨地方において過去20年間(1979-1999年)にため池に生育する水生植物の大半の種で年々その出現頻度が減少し,個々のため池における優占度も低下している実態が明らかにされた(石井・角野2003).本研究では,行列モデルのマルコフ連鎖を用いてため池の植生の将来予測を行った.まず,のべ831カ所のため池の植生データを用いてクラスター分析を行い,東播磨地方におけるため池植生を特定の1-2種の優占種で特徴づけられる17タイプに類型化(Type1-17)した.次に,これらのため池の植生タイプが今後どのように変化するのかを予測するために,1979-1983年の調査と1998-1999年の調査に共通する165カ所のため池から植生タイプの推移確率行列を作成し,それを基にしてそれぞれの植生タイプの出現率(%)をマルコフ連鎖により算出した.その結果,過去20年間の変化が将来も続いたと仮定をしたとき,東播磨地方のため池植生は,100年後にはほとんどの植生タイプが消滅あるいはその出現率が激減し,無植生またはヒシ属(Trapa)が優占あるいは多産する富栄養化したため池(合計出現率約74%)とジュンサイ(Brasenia schreberi J. F. Gmel.)を優占種とする貧栄養なため池(出現率約16%)への2極分化が予想された.また,過去20年間のうち前半の10年と後半の10年とでは,後半にため池の植生の衰退がより顕著であったことも示された.これらの結果は,東播磨地方のため池の植生が危機的な状況にさらされていることを示しており,早急なため池の環境保全が望まれる.
  • 富松 裕
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 163-172
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    生育場所の分断化は,生物多様性に村する最も大きな脅威の一つである.残存する植物個体群に与える影響について検証した過去約15年にわたる研究は,分断化が花粉制限による種子生産量の減少をもたらすこと,エッジ効果による環境条件の改変が,新しい個体の加入をはじめとする多くの適応度成分に影響を与えることを示した.また,分断化は遺伝的多様性の減少や,しばしば近親交配を伴う.これらは主に,幼植物の加入や成長を制限すると考えられるが,分断化が個体群の長期的存続に与える影響は,特に世代時間の長い植物で不明瞭である.分断後の小さな個体群が絶滅しやすいことを示す研究結果もあるが,絶滅を導くメカニズムには未だ未解明の部分が多い.さらに,長期的な個体群動態のデータから,絶滅をもたらす複数の要因の相対的重要性や,個体群の存続可能性について検証していく必要がある.
  • 浅川 満彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 173-183
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    外来性の寄生嬬虫が,ヒトや家畜,野生動物に感染した場合,時に高い病原性を示すことがある.そこで,これまで国内で行われた外来動物の嬬虫調査の概要を紹介し,次に寄生虫学における外来種問題を扱うための宿主-寄生体関係の類型化を行い,それぞれの類型ごとにヒトや動物,自然生態系に与える可能性のある悪影響などについて考察した.宿主-寄生体関係を,外来宿主-外来嬬虫,在来宿主-外来嬬虫,外来宿主-在来嬬虫,在来宿主-在来嬬虫の組合せに類型化して概観した.外来の宿主-寄生体関係には,アカミミガメTrachemys scriptaとFalcaustra sp.,インドクジャクPavo cristatusとPseudaspidodera pavonis,タイワンリスCallosciurus erythraeusとBrevistriata callosciuri,ヌートリアMyocastor coypusとStrongyloides myopotami,アライグマProcyon lotorとStrongyloides procyonisなどが該当し,寄生嬬虫はいずれも線虫であった.原産地における宿主-寄生体関係をそのまま踏襲したものであり,自然生態系への悪影響は少ないと考えられるが,モニタリング調査は必要と考えられる.外来宿主と在来嬬虫の例としては,クマネズミRattus rattusと線虫Heligmosomoides kurilensis(アカネズミApodemus speciosusに由来),アライグマとタヌキ蛔虫(線虫)Toxocara tanuki(タヌキNyctereutes procyonoidesに由来),アライグマとネコ条虫Taenia taeniaeformis(エゾヤチネズミClethrionomys rufocanusに由来)などがあり,こういった事例では嬬虫は在来であっても新たな生態的地位を占める宿主に移行したため,本来の生息環境の外に分散して新たな疾病の原因になる可能性を指摘した.在来宿主と外来嬬虫の関係では,ニホンジカCervus nipponと線虫Nematodirus helvetianus(ウシBos taurusに由来),ヒメネズミApodemus argenteusと線虫Heligmosomoides polygyrus(ハツカネズミMus musculusに由来)などが観察された.動物園で見られたヨーロッパヤマネMuscardinus avellanariusでのH. polygyrus濃厚寄生による致死例のような事例は,野外では未確認であるが,生物多様性を減ずる因子となる可能性は十分指摘できよう.在来宿主と在来嬬虫の関係は,ニホンジカと線虫Spiculopteragia houdemeri,アカネズミ属と線虫Heligmosomoides属,タヌキとタヌキ蛔虫など,日本の自然生態系に属し,生物進化の過程で生じたとされる組み合わせが該当した.寄生虫の「外来種問題」では,外来嬬虫の存在に関心が集中しがちであるが,宿主-寄生体関係の類型に分けて論議することが望ましいことを強調した.
  • 佐藤 宏明, 神田 奈美, 古澤 仁美, 横田 岳人, 柴田 叡弌
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 185-194
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    糞粒法によってニホンジカの生息密度を推定するためには,単位面積当たりの糞粒数を測定する他に,1頭1日当たりの排糞回数と排糞粒数,および糞粒消失速度を知る必要がある.しかし,これらの値は地域や植生,季節で異なるにもかかわらず,労力上の問題から他地域で得られた値で代用されている.そこで本研究では奈良県大台ヶ原にて糞粒法による信頼度の高い生息密度推定値を得ることを目指し,2001年5月から11月までの月1回,1頭1回当たりの排糞粒数を調査するとともに,原生林,ササ草地,移行帯の三植生で糞粒消失速度を測定した.原生林とササ草地では固定区画を設定し,月毎の加入糞粒数を数えた.以上の測定値と既存の1頭1日当たりの排糞回数を用いて原生林とササ草地における生息密度を推定した.さらに,糞粒消失速度と気温,降水量,糞虫量との関係も調べた.その結果,糞粒消失速度は植生と季節で大きく異なり,気温,降水量,糞虫量とは無関係であった.これまで報告されている視認にもとづく区画法による生息密度推定値と比較したところ,糞粒法による推定値は過大であり,また植生と季節によっても大きく変動していた.これらの結果をもとに糞粒法による生息密度推定の問題点を検討し,大台ヶ原におけるシカの個体数管理のための望ましい生息数調査法を提案した.
  • 山瀬 敬太郎, 吉野 豊, 上山 泰代, 前田 雅量
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    1970年代にはカタクリが群生していたが,試験の開始時には著しく個体数が減少していた兵庫県佐用郡南光町船越山のコナラ二次林において,鹿防護柵の設置と落葉の除去を行った.その結果,鹿防護柵の設置区は対照区に比べ,個体数の増加と葉長の成長が上回った.また鹿防護柵の設置前は開花個体が全くみられなかったが,設置3年目以降は,開花個体が年々増加する傾向がみられた.以上のことから,ニホンジカの採食によって衰退傾向にあるカタクリ群落では,鹿防護柵の設置によって,群落を保全できる可能性が示唆された.
  • 松本 雅道, 比良松 道一, 松尾 友紀
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 201-202
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 高橋 剛一郎, 桑原 禎知, 山中 正実
    原稿種別: 本文
    2005 年 10 巻 2 号 p. 203-208
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    We discuss different perspectives relating to stream-environment conservation on the Shiretoko Peninsula, Japan, given the large number of dams in this area. Over 330 dams have been installed on this peninsula, of which most are check dams. Many species of Salmonidae, which are the primary fish of this peninsula, are anadromous. Dams have narrowed fish habitats in streams by blocking their migration routes, which could also have a devastating impact on terrestrial ecosystems. One reason for the large number of check dams in this area is that housing developments are concentrated on narrow flat areas, which are hazardous with regard to debris flows and flooding. This has undermined the conservation of stream environments. Information on the distribution of residential developments and infrastructure is required for rehabilitation and conservation of the stream environments on the peninsula; in addition, data on the characteristics of the natural environment must be collected and organized. The prevention of disasters caused by debris flows must be reconsidered, including a review of dams and land use based on the above information. Fishways are not a sufficient solution. It is important to develop novel ways to control debris flows and to facilitate fish passages that will avoid the complete blockage of entire channel sections.
  • 原稿種別: 付録等
    2005 年 10 巻 2 号 p. App6-
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    2005 年 10 巻 2 号 p. Cover3-
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
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