保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327
14 巻 , 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2009 年 14 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    2009 年 14 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 石田 弘明, 浅見 佳世, 黒田 有寿茂, 青木 秀昌, 服部 保
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 143-152
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    希少樹種エドヒガンの生態的特性と保全上の課題を明らかにするために、猪名川上流域におけるエドヒガンの生育立地と個体群構造を調査した(調査地の合計面積は約210ha)。本研究で調べた356個体のうち355個体(99.7%)は人為攪乱地(二次林、工事跡地、畑跡地)に分布していた。樹高1m未満の個体は総個体数の4.2%しかなく、樹高階・胸高直径階分布はともに一山型であった。また、他の樹木に被陰されている幹はほとんどみられなかった。さらに、エドヒガンは斜面下部に最も多くみられ、尾根部ではまったくみられなかった。これらの結果から、エドヒガンは「適湿性の陽地に好んで生育する攪乱依存種」であると考えられた。また、大半の分布地の地質が超丹波帯であったことから、猪名川上流域におけるエドヒガンの分布には人為的条件に加えて地質条件も関係していると考えられた。エドヒガンを保全するためには、更新サイトの創出や被害を与えているつる植物の伐採などの対策を講じる必要があることを指摘した。
  • 嶋村 鉄也, 徳地 直子, 尾坂 兼一, 伊藤 雅之, 大手 信人, 竹門 康弘
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 153-163
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    湿地における人為起源の養分の流入は湿地の富栄養化やそれに伴う生物多様性の減少を引き起こす。京都市北区にある深泥池は、多様な生物が生息・生育する池である。池の中央部には浮島がある。この池では、1950〜60年代に松ヶ崎浄水場の配水池から水道水が放水されたり、下水が直接流入したりすることによって富栄養化が進行した。1970年代には水道水の放水がとめられ、下水道の整備が行われたが、その後も配水池から水道水が漏水する問題、降雨時に下水管があふれる問題、交通量の多い道路からの路面水が流入する問題などが残されている。また、二次林が残されている集水域の森林が池に与える影響は解明されていない。そこで、本研究では現在の深泥池の水質分布特性を調べ、池の水質の現状評価を行った。さらに、集水域の影響を明らかにするために、集水域の土壌特性を調べた。集水域土壌中に含まれるNO_3^-層とNH_4^+の濃度は比較的低く、集水域は窒素制限を受けている森林であることが明らかになった。そのため、択抜や有機物除去などによる集水域管理が必要でないことが明らかになった。また、池全体の水質は先行研究同様、池南東部からの水道水の混入と、池北側道路や病院域からの汚水の混入が池の水質に強い負荷を与えていることが明らかになった。特に、2003年1月から池南東部に流入する松ヶ崎浄水場の配水池から漏れる水道水のポンプアップが開始されたが、2003年11月から2007年11月にかけてこの漏水の影響を強くうける南側流路の水質に大きな変化はみられなかった。ただし、このポンプアップは漏水を完全に遮断しておらず、未だに一定量の漏水は流れている。この不完全なポンプアップが続く限りは、これ以上の水質改善は期待できないと考えられた。
  • 田口 勇輝, 夏原 由博
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 165-172
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    オオサンショウウオの生息場所である河川は、取水堰や砂防堰堤によって著しく分断化されている。本研究は複数の取水堰が存在する調査地において、堰直下で発見されるオオサンショウウオの個体数とそれらの行動観察を通じ、堰による移動阻害の傾向を示すとともに、遡上可能な堰の条件を明らかにすることを目的とした。兵庫県篠山市の羽束川1533m区間で2004年7月〜2005年12月に月4〜8回の継続調査を行い、標識再捕獲法により本種を104個体識別した。再捕獲の結果、調査地内にある6つの堰全てにおいて10個体以上が遡上したことを確認できたが、明らかに堰直下で多くの個体が発見されていた。堰直下10m以内の密度(A)と、堰直下以外の調査区間1473mの密度(B)を年ごとに比較すると、2004年では8月にピーク(AはBの67.5倍)があり、2005年には7月にピーク(AはBの71.4倍)があった。これらのピークは繁殖期直前の遡上期にあたることから、遡上行動が阻害された結果として堰直下で多くの個体が発見されたと考えられる。特に堤高が80cm以上でスロープ状の迂回路がない堰では多くの個体が見つかった。しかし、そのような堰においても、堤体に足がかりとなる凹凸があるか、堤体から15m以内の護岸沿いにスロープ状の迂回路がある堰では遡上個体を確認できた。よって、このような堰の条件がオオサンショウウオの遡上を可能とすることが示唆された。
  • 丹羽 英之, 三橋 弘宗, 森本 幸裕
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 173-184
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    統一的かつ定量的な方法で、流域スケールでの環境類型区分と指標種の抽出ができれば、流域全体の環境目標の設定に活用でき、河川環境のマネジメントに貢献できると考えた。兵庫県市川水系における66調査地点の植生と環境要因から、流域スケールの環境類型区分をつくり、それぞれの類型区分ごとに典型性と特殊性の指標群落を抽出した。モデルに基づくクラスター分析とIndVal(指標指数)による方法を組合せ、複数モデル、複数クラスター数の組み合わせから最適な環境類型区分を抽出し、指標群落を客観的に抽出することができた。環境類型区分は空間的にまとまった区分で、抽出された指標群落は現地の状況をよく反映していた。また、流域スケールで環境類型区分をつくる際にはフィジオトープが適していることが示唆された。本研究で用いた方法は汎用性があり、今後、他の水系、他の生物で実証的な知見を蓄積していくことに貢献することが期待される。
  • 能勢 裕子, 亀山 慶晃, 根本 正之
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 185-191
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    全国的に個体数の減少が著しいギンランの生育地内保全を図るため東京都立川市にあるギンラン自生地に調査枠を7ヶ所設け、2006年4月から2007年6月にかけて草丈、葉長、葉数、花数及び基部直径を調査した。ギンランは両年とも4月上旬に出芽、5月中旬までに地上部の伸長成長が停止した。2007年6月中旬に、調査した194個体のうち23個体を掘り取り、総ての個体について2cm間隔で根部の横断片を作成、顕微鏡下で菌根菌感染細胞の占有面積を計測した。ギンランにおける菌根菌感染率は不定根から生じた分枝根で最も高く、次いで不定根の先端、中間、根元の順で高いという傾向があった。各個体の花数、葉面積、乾物重量のそれぞれと菌根菌感染細胞面積の間に強い正の相関が認められた。したがって共生する菌根菌量の多少がギンランの生育に強い影響を与えていると考えられ、ギンラン個体群を自生地で保全するためには、菌根共生の維持が重要だと考えられる。
  • 岡本 八寿祐, 中村 雅彦
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 193-202
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    毎年、大量の外国産クワガタムシ・カブトムシが日本に輸入されている。このような現状の中、在来種との競合、交雑など様々な問題点が指摘され、それに関わる検証実験等が報告されている。しかし、その報告の多くは外国産クワガタムシの例であり、外国産カブトムシの例はほとんどない。外国産カブトムシも外国産クワガタムシと同様、定着、競合など生態系や在来種への影響等のリスク評価を行なう必要がある。本研究では、コーカサスオオカブトムシが、成虫期・幼虫期で日本の野外で定着することができるのか、また、日本本土産カブトムシと競合し、その採餌行動等に影響を与えるのかを調べた。野外観察と飼育実験の結果、コーカサスオオカブトムシの成虫は、日本本土産カブトムシと同等に生存し、産卵した。また、野外でコナラの樹液を吸った。しかし、幼虫は、冬に野外で生存できなかった。これらのことから、コーカサスオオカブトムシの日本への定着は、困難であることが示唆された。成虫の活動に関しては、コーカサスオオカブトムシの雄の活動時間帯は、日本本土産カブトムシの雄と重なる時間帯があり、餌場で闘争した場合、コーカサスオオカブトムシが勝つことが多かった。これらのことから、コーカサスオオカブトムシは、逃げ出したり放虫された成虫が、野外で活動する際、日本本土産カブトムシと競合し、その採餌行動に影響を及ぼす可能性が高いと考えられた。
  • 杉浦 直人, 高橋 英樹, 河原 孝行, 郷原 匡史
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道礼文島のレブンアツモリソウ保護区内にはごく少数ながらカラフトアツモリソウ(ラン科)の開花株が生育している。その由来については両論があり、いまだ決着がついていない。仮にそれが人的に持ち込まれたものならば、絶滅危惧種レブンアツモリソウとの交雑によって生じる「遺伝的汚染」が問題となる。本研究ではカラフトアツモリソウの訪花昆虫相と昆虫分類群ごとの訪花頻度および訪花行動を明らかにすることで、種間交雑に寄与し得る花粉媒介昆虫の特定を試みた。また、調査結果をもとに、実際にどれくらい種間交雑が生じる可能性があるかについても考察した。2007年のカラフトアツモリソウの開花期には、鞘翅・双翅・鱗翅・膜翅の4目に属する25の昆虫分類群が花を訪れた。そのなかで訪花頻度が高く、唇弁サイズに適合した体サイズをもち、適切な訪花行動をしめしたコハナバチ科やヒメハナバチ科の"小型ハナバチ類"のみが花粉媒介昆虫とみなされた。その主要種はタカネコハナバチだった。小型ハナバチ類はレブンアツモリソウの花をめったに訪れず、またマルハナバチ媒花のレブンアツモリソウは通常、カラフトアツモリソウよりも大型の花を咲かせることから、小型ハナバチ類によってレブンアツモリソウの花粉が媒介される機会は非常にまれと推測される。また、体の大きなマルハナバチ類の女王バチによって小型ハナバチ媒花カラフトアツモリソウの花粉が媒介されることはあり得ない。これらのことから、礼文島ではカラフトアツモリソウとレブンアツモリソウとの間で種間交雑が生じる機会は皆無とはいえないが、決して多くはないと予想した。
  • 西川 洋子, 住田 真樹子, 棗 庄輔
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 211-222
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    温暖化の影響を受けやすい高山生態系において、植物の生物季節の変化は、温暖化の影響を早い段階で検出するための有効な指標となる。アポイ岳の風衝草原に生育する高山植物ヒダカソウについて、地表面温度の積算値に対する開花特性と、開花時期に対する温暖化の長期的な影響を明らかにした。主要な3生育地において、開花開始日と日平均地表面温度のモニタリングを、2005〜2008年に行った。モニタリングによって得られた10データセットを用い、開花開始日を推定する最適積算温量モデルの検討を、積算開始日に作用する温度条件と生育限界温度を変化させて行った。積算開始日は、花芽が裂開して成長が始まる日とし、一定の基準温度に達した日が一定期間続いた翌日に起こると仮定した。仮定した積算開始日と生育限界温度の全ての組み合わせについて、10データセットの開花までの積算温量を算出し、その平均値を開花に有効な積算温量として開花開始日を推定した。推定した開花開始日と観察された開花開始日との比較を行った結果、積算開始日を2月1日以降にはじめて6℃に達した日の翌日とし、生育限界温度を1℃とする積算モデルが最適と考えられた。浦河町の日平均気温から算出したヒダカソウ生育地の日平均地表面温度を用いて、最適モデルを基に過去のヒダカソウの開花開始日を推定した結果、過去100年間で7.6日の早期化が認められた。
  • 正富 宏之, 正富 欣之
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 223-242
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道に広く分布していた留鳥性タンチョウGrus japonensis個体群は、生息地開発や狩猟により19世紀末には絶滅寸前まで減少し、20世紀半ばまでその状態が継続した。しかし、1950年代に餌付けが行なわれ、冬の餌不足解消により現在は1,300羽を超すまでに回復した。他方、生息地の湿原は既に70%以上が失われているため、個体数増加に伴い繁殖番いの高密度化と越冬群の集中化が進行し、餌や営巣場所を求めて人工環境へ進出する傾向が顕著となっている。これを容易にしたのが、長年の保護活動によるヒトへの馴れであり、その結果、ヒトとのさまざまな軋轢を生んでいる。そこで、従来の個体数増加に力点を置いた保護方針の再検討を行ない、ヒトとの共存を図る新たな将来像の構築が求められる。それには、現状をふまえながら、タンチョウにややヒトと距離を置く生活習性へ向かわせることを基本姿勢とする。その上で、過剰なヒト馴れを低減する方法を模索すると共に、生息地の拡大・保全・維持を行ない、遺伝的多様性の低さに配慮した個体数の増加を図りながら、集中化によるカタストロフィの危険を避けるため、群れの分散化を目指すことである。これは、従来のように一部のツル関係者や行政担当者でなし得ることではなく、利害を持つ地域住民の主体的参加が不可欠であり、その方策として順応的管理に即した円卓会議の設置を急ぐべきである。
  • 一條 信明, 井上 雅史, 安藤 樹, 佐々木 舞, 在原 正泰, 吉田 薫
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 243-248
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    2003年7月31日から2007年7月26日にかけて北海道東部釧路地方の各地で在来種ニホンザリガニと外来種ウチダザリガニの生息を調査した。その結果、7地点でニホンのみを、6地点でニホンとウチダを、1地点でウチダのみを捕獲した。ニホンのみが捕獲された5地点とニホンとウチダが捕獲された5地点それぞれについて、ニホンが捕獲される最下流の位置を調査した。ウチダが捕獲されなかった地点ではニホンは源流部より下流でも捕獲されたが、ウチダが捕獲された地点ではニホンは源流部だけで捕獲された。ニホンが捕獲された10地点と、今回とこれまでの調査からウチダが捕獲された10地点を選び、各地点の水質をBTB試験紙やパックテストを使用して測定したが、これらの値について両種の捕獲地点間で違いは見られなかった。この研究は顧問の指導の下で生物部所属の高校生5名が行ったものである。
  • 早矢仕 有子
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 249-261
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    シマフクロウKetupa blakistoniの分布記録が44年以上途絶えていた北海道北部において、2006年9月、単独個体の生息が確認された。その個体は1987年に96km離れた北海道東部で生まれたメスで、発見地が他個体の生息地から隔離されていたため、10年間飼育下にあったオス個体を移動させつがい形成を目指すことが決定された。オスは、メスの生息地に設置された馴化用の野外ケージで2週間飼育された後、2007年10月25日に放鳥された。放鳥翌々日の10月27日から放鳥120日後の2008年2月22日までの期間、集中的な追跡調査を実施した。雌雄ともに、魚類を放飼した人為給餌池を頻繁に利用した。昼夜ともにオスの居場所が不明な日時はなかった。オスは放鳥地から分散することも短期間の遠出をすることもなく定着した。オスのねぐらは放鳥地周辺に集中しており、38日中36日(94.7%)でねぐらから放鳥地点までの距離は400m以下であった。夕刻に活動を開始してから採餌を開始するまでの間に雌雄ともに高頻度で送電柱・配電柱等の人工物をとまり木として利用していたが、とくにオスにおいて、人工物の利用頻度が高かった。また、雌雄間の鳴き交わしは放鳥翌々日から継続的に確認されたが、その頻度は繁殖歴のある野生つがいに比べると著しく低かった。放鳥オスは2008年3月に感電事故に遭遇しながら生存した。しかし、2008年6月26日、放鳥から246日目に放鳥地に近接する養魚池で溺死し、北海道北部においてシマフクロウの繁殖地を復元するという当初の目標を達成することはできなかった。今後も、他の生息地から隔離された単独個体の生息地には異性個体を人為的に移動させつがい形成を目指すべきであるが、その際には、人為給餌・巣箱設置などの保護策に加え、単独個体および生息地を対象にした事前調査と危険要因の除去、放鳥後の追跡調査が必須である。
  • 横田 岳人, 中村 沙映, 柴田 叡弌, 佐藤 宏明
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 263-278
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    With increasing numbers of sika deer Cervus nippon, primary forests have declined considerably since the 1980s on the Ohdaigahara Subalpine Plateau, central Japan. However, a comprehensive survey of the vegetation on the plateau has not been conducted since 1983. Therefore, in 2001, we surveyed the vegetation on the plateau in 197, 20×20-m quadrats, analyzed species composition using the phytosociological methodology, and generated a vegetation map. After 1983, Carici-Piceetum jezoensis var. hondoensis rhododendretosum quinquefolii and associated Sasa nipponica extended their ranges in the eastern part of the plateau, whereas Abieti homolepidis-Fagetum crenatae sasetosum borealis expanded in western areas. In the eastern region of the plateau, Rhododendron quinquefolium, which was rarely browsed by sika deer, became prominent, the areas with few P. jezoensis trees increased, and the forest floor became densely covered with Sasa nipponica, which is highly tolerant of sika deer browsing. In the western region, Sasamorpha borealis, which had previously covered the forest floor, was replaced by Skimmia japonica, which is not preferred by sika deer.
  • 大澤 剛士, 上妻 信夫
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 279-282
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    We investigated the current status of sika deer (Cervus nippon Temminck) using three informational sources: field observations, information from park volunteers, and information from visitors, in Hakone, Japan. Sika deer were recorded in western areas of Hakone that neighbor Shizuoka Prefecture. Evidence of feeding on plants by sika deer was rarely observed. These results suggest that the sika deer invasion in Hakone is currently at an initial stage. Although serious sika deer problems have not yet occurred, precautionary measures and monitoring are necessary to avoid damage to the flora of Hakone.
  • 森 章
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 283-291
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    森林は陸域の生物相の約65%を支えており、森林における生物多様性の保全は、多くの分類群の保全につながる。しかし、人為の影響を欠いた森林はごく僅かで、多くの森林が人間の生活活動の場である。そのような森林においても、生態系の人為改悪を防ぎ、生物多様性の保全という機能を持たせることが、これからの持続可能な森林管理における主要課題である。本研究では、「自然生態系、生態プロセス、生物多様性の保全を主目的にしていない景観中のエリア」と定義される"マトリックス"において、如何に生物多様性に配慮するか、配慮できるか、その重要性を論じる。そこで、日本と同様に森林面積が高く、保護区率の低いスウェーデンでのマトリックスマネジメントの事例に着目した。スウェーデンでは、歴史的に長い間、人間活動が行われ、土地所有形態も零細かつ複雑になっている。国や地方自治体が大規模な自然保護区や国有林を一元的に所有・管理できる状況ではなく、国有林面積は僅か7%ほどで、民有林が国土の大半を占めている。しかし、スウェーデンでは、各土地所有者が生産性だけに焦点を当てた森林施業を行うわけではなく、生物多様性に配慮した新しい森林施業・管理を行っている。国立公園や自然保護区といった法的な保護対象となる森林の保全だけでなく、希少種の生育する潜在性の高い森林を数多くの私有地に指定し、伐採せずに保護している。また、伐採活動を行う施業林においても、伐採時に全ての樹木を伐採、搬出するのではなく、動植物相のための住み場所としての樹木や枯死木を残しておくといった、生態系の機能や生物多様性に対する配慮がなされている。つまり、スウェーデンでは、マトリックスの中に存在する、経済活動の対象となる森林において、如何にして生物多様性に配慮しながら管理、保全するのかを重要視している。このようなスウェーデンで実施されている新しい森林管理は、人為影響を受け続けた日本の森林生態系の保全、復元、そして管理に対しても、非常に重要な示唆を含んでいると考えられる。
  • 高槻 成紀
    原稿種別: 本文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 293-296
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    Bears are popular, and are often regarded as umbrella species by conservationists and wildlife societies. This is the case for the Asiatic black bear and the brown bear in Japan. The idea is that bears' home ranges are large and, consequently, that the conservation of bears would result in the conservation of other sympatric plants and animals. Buskirk (1999), however, stated that since large carnivores are habitat generalists, they cannot serve as umbrellas. In fact, in the Sierra Nevada, most martens, fishers and wolverines, which are habitat specialists, are extinct or nearly so, while American black bears are common or abundant (Buskirk pers, comm. 2009). Buskirk's opinion is important for the following reasons. 1) Although the concept of an umbrella species has merit, unless a species' habitat and resource requirements are known, the conservation of other species is not assured. 2) If a conservation initiative is enacted under this slogan and some animals disappear, while bears are abundant, as happened in the Sierra Nevada, then the logic underpinning the initiative is flawed. 3) The proposition of "the more, the better" can be unpopular, even with people who have an understanding of conservation efforts, because such a proposition may be difficult to accept, particularly in a small country like Japan. 4) The concept that bears are umbrella species stems from the idea that not only bears but also other organisms should be conserved; however, the term can be misconstrued to imply that, "Bears live here and thus other animals must also be OK." Thus, the slogan can function in a manner contrary to its intent. We should be cautious not to use this concept without confirming the true meaning of umbrella species.
  • 原稿種別: 付録等
    2009 年 14 巻 2 号 p. App6-
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    2009 年 14 巻 2 号 p. Cover3-
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
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