保全生態学研究
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22 巻 , 2 号
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原著
  • 丹羽 英之, 三橋 弘宗
    2018 年 22 巻 2 号 p. 257-264
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
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    流域スケールの流程区分は、河川環境マネジメントにおいて重要で、近年、保全計画で利用されることが増えている。流域スケールの流程区分は、河川に間隔をあけて配置された調査地点の生物データでつくられることが多い。河川で連続して生物データを取得するには多大な労力が必要であり、連続して取得した生物データで流域全体の流程区分を検証した研究はみられない。そこで、本研究では、植生図作成と比べ、より少ない労力で河川植生の連続したデータを取得する方法、および、そのデータを用いた流程区分方法を提案し、得られたクラスターの妥当性を検証した。河川区域を500 mの等間隔で区切った区域(ユニット)を地図上でつくり、現地調査でユニットに出現する植生単位を記録した。ユニットごとに植生単位の在不在を記録したデータを非計量多次元尺度構成法を用いて2次元に集約し、この2次元座標を用いてK-means法による非階層クラスター分析でユニットを分割した。指標指数(IndVal)を用い最適な分割と各クラスターの指標群落を選定した。クラスターの空間分布と指標群落、平均川幅から各クラスターの特徴を考察した結果、本研究の手法で得られたクラスターは、河川植生の立地特性や流程分布を反映した分割となっており、妥当な流程区分であった。植生図をつくるより少ない労力で流域スケールの流程区分が得られることから、河川環境マネジメントに有用な方法であり、今後、他の河川で検証する価値のある方法だと言える。
  • 前川 侑子, 町村 尚, 松井 孝典
    2018 年 22 巻 2 号 p. 265-274
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
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    セアカゴケグモLatrodectus hasseltiiは、日本では1995年に大阪府ではじめて発見された外来生物であり、原産国であるオーストラリアなどでは神経毒により死者を出したこともある。セアカゴケグモは、クモ自身の歩行に加え貨物や車両などに付着して移動する人為的な移動を行うため分布域が急速に広がり、近年増加している咬傷被害件数を減らすよう管理する必要がある。しかし、このセアカゴケグモ特有の人為的な移動を考慮した分布拡大予測は行われていない。そこで本研究では近畿地方を1 kmメッシュに区切り、人為的移動を考慮したセアカゴケグモの分布拡大予測を行った。まず1995?2013年の目撃分布から、近畿地方における生息可能条件を標高?460.1 m、1月平均気温?1.1℃とした。次に、時系列の分布図からロジスティック回帰分析により、前年の目撃メッシュからの距離を変数としてランダム歩行による移住確率のカーネル関数を算出した。この時目撃分布を最も良く再現する最大移住距離は、年間9 kmとなった。さらに人為的移動の影響要因として、交通・流通施設(空港、港湾、道路、物流拠点)、交通量(鉄道、バス、自動車、自転車のトリップ量)を選び、施設からの距離と交通量を変数とするクラスタ分析によって5分類した地域別に、人為的な移住確率を算出した。この結果、トリップ量が多いまたは交通・流通施設に近いクラスタの移住確率が高く、人為的移動による移住確率の増加が示された。最後に両者を合成したモンテカルロ・シミュレーションを行い、2013年の分布域予測値と実測値を比較することでモデルの検証を行い、さらに2045年までの分布拡大予測を行った。人為的移動を考慮した分布予測は妥当であり、2045年には生息適地全域で分布すると予測した。
  • 森田 健太郎, 有賀 望
    2018 年 22 巻 2 号 p. 275-287
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
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    札幌市を流れる豊平川では、毎年約20万尾のサケの稚魚が放流されている。これは、1978年に始まった「カムバックサーモン運動」を期に、サケを豊平川に呼び戻そうという活動の一環として行われている。一方、自然産卵するサケも多く見られ、標識放流調査では、豊平川に遡上するサケの半数以上が自然産卵に由来する野生魚であることが判明した。近年、人工ふ化放流が生物多様性に負の影響を及ぼすことが懸念されるようになり、札幌市が策定した生物多様性さっぽろビジョンにおいても「豊平川でも将来的には自然産卵によってサケの回帰が維持されることが理想」とされた。しかし、現在の放流を止めた場合、自然産卵によってサケの回帰が維持されるかどうかは分からない。そこで、放流数を削減した場合の応答を見ながら、サケを減らさずに放流魚割合を減らす管理方式を検討した。豊平川のサケの個体数変動を再現したオペレーティングモデルを作成して、フィードバック管理(遡上数が目標値を達成すれば放流数を減らす)を行った場合の有効性をシミュレーションにより検討した。作成したモデルは、リッカ―型の密度依存的な死亡を仮定した年齢構成モデルで、環境確率性と人口学的確率性を組み入れた。その結果、放流中止にしても絶滅はせず、目標となる遡上数が達成されることが予測された。しかし、オペレーティングモデルに用いたパラメータの推定精度は低く、不確実性は非常に高かった。また、地球温暖化等の環境変化によってもパラメータの値が変化する可能性も考えられた。そこで、初期生存率または海洋生存率が現在推定されている値よりも50%低かった場合も想定しシミュレーションを行った結果、放流中止とした場合は絶滅リスクが高いが、フィードバック管理を行った場合は目標が概ね達成された。この結果に基づき、2016年春から放流数が8万5千尾に削減され(例年の43%)、フィードバック管理を実践することが決まった。今後、遡上数のモニタリング調査を継続し、豊平川にサケを遡上させるために必要な放流のあり方が明らかになっていくことが期待される。
  • 佐久間 智子, 白川 勝信, 中越 信和
    2018 年 22 巻 2 号 p. 289-298
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
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    放牧地や採草地として利用されてきた半自然草地には、草地特有の動植物が生息・生育しているが、半自然草地の減少に伴い、これらの動植物は絶滅の危機にさらされている。大面積の半自然草地だけでなく、小面積で分布する半自然草地も多様な草原生植物の生育地として機能しており、重要な景観構成要素として位置付ける必要がある。山頂部の草地は草原生植物のホットスポットとして重要な環境と考えられるが、生育種やそれらと環境要因との関係について明らかにされていない。本研究では、山頂部に残る半自然草地を対象として、草原生植物の種組成、種数と面積の関係、大規模な半自然草地内における山頂部の特性を明らかにし、草原生植物の生育地としての山頂部草地の位置付けについて考察した。調査地は広島県北西部に位置する8山とした。8山のうち、1山は草地利用の履歴が無く、他の山は過去に半自然草地として利用されていた。山の頂上から標高10 m差の範囲を山頂部と定義し、植物相調査を行った結果、草原生植物の出現種数は現在も草地管理が行われている「管理継続区」で最も多く、過去に草地管理が行われていない「自然区」で極端に少なかった。また、従来の草地管理が停止した「放棄区」でも、「自然区」に比べると多くの草原生植物が生育していた。山頂部における草原生植物の種数と面積の関係を比較した結果、種数と山頂部の面積には相関が認められなかったが、種数と山頂部の草地面積には正の相関が認められた。草原生植物について、周辺の草地と連続している山頂部において、山頂部と草地全域の出現種数を比較した結果、山頂部には、草地全域に生育する草原生植物の61%から75%が生育していた。以上の結果から、過去に草地管理が行われた山頂部の草地には、従来の草地管理が停止しても多くの草原生植物が残存していることが明らかになった。山頂部における草原生植物の種数と草地面積には、正の相関があり、草地面積は草原生植物の種数を限定する主要な要因であることが明らかになった。草地全域に生育する草原生植物のうち、多くの種が山頂部にも生育していることが明らかになった。
  • 藤木 大介
    2018 年 22 巻 2 号 p. 299-310
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
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    ニホンジカ(以降、シカ)と常緑広葉樹林化がコナラ二次林の維管束植物の出現種数に及ぼす影響の強さとその空間変異を、兵庫県全域のスケールで推定した。一般化線形混合モデルによる解析の結果、調査地域のコナラ二次林の出現種数に対して、シカの影響の強さの指標であるSDRと常緑広葉樹林化の指標である常緑樹被度の2変数による強い効果が示された。生活形別の解析から、SDRが低木種とツル植物を中心に負の影響を及ぼすのに対し、常緑樹被度はより広範な種群の落葉性植物に負の影響を及ぼすことが明らかとなった。空間パタンの評価から、シカの影響による出現種数の減少は調査地域の南東部を除いた標高300 m以上の山域を中心に、常緑広葉樹林化の影響による出現種数の減少は、瀬戸内側の標高300 m未満の低山域を中心に進行していることが示された。このような地理的な相違は、過去数十年間に調査地域の南東部を除いた標高300 m以上の山域からシカの生息密度の増加と分布拡大が進んだこと、気温と積雪の制約から常緑広葉樹の生育適地が瀬戸内側の標高300 m未満の低山帯に偏っていることに起因するものと推測された。
  • 長谷川 啓一, 上野 裕介, 大城 温, 井上 隆司, 瀧本 真理, 光谷 友樹, 遊川 知久
    2017 年 22 巻 2 号 p. 311-321
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
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    キンラン属は、我が国の里山地域を代表する植物種群であり、菌根菌との共生関係を持つ部分的菌従属栄養植物である。全国的に、里山林の荒廃や樹林の減少に伴って生育地が減少しつつある。本研究では、キンラン、ギンラン、ササバギンランの3種を対象に、(1)樹林管理の有無とキンラン属の分布にどのような関係があるか、(2)キンラン属が生育するためにどのような環境整備が必要か、(3)ハモグリバエ類の食害はどの程度生じているのか、を明らかにし、今後、キンラン属の保全のためにどのような方策が必要かを検討した。調査は、茨城県つくば市の20.5 haの樹林において、キンラン属3種の分布と、樹林の管理状態、生育地点の林内環境(植生被度、開空率、近接する樹木の樹種と胸高直径、リター層の厚さ、土壌硬度、土壌水分)を調査した。また、ハモグリバエ類による3種の食害状況を調べ、結実率を求めた。その結果、下草刈りなどの樹林管理を行っている管理エリア(14.0 ha)では3種すべてが生育し、合計47地点で計881株が確認されたのに対し、非管理エリア(6.5 ha)では、キンランのみが生育し、その数も1地点で計3株であった。また、3種の生育株数は、微環境の違い(開空率、草本被度、土壌硬度)や、近接する外生菌根性の樹種によって異なることがわかった。他方、3種ともに、袋がけを行わなかった大半の株でハモグリバエ類による被害を受けており、食害を受けていない健全株は、キンラン1%、ギンラン12%、ササバギンラン0%であった。これらの結果から、キンラン属の保全のためには、生育環境を維持するための樹林管理に加え、ハモグリバエ類による食害対策が重要と考えられた。
  • 石井 潤
    2018 年 22 巻 2 号 p. 323-330
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    近年、全国各地の湖沼において浮葉植物であるヒシ属植物の群落面積が増加し、その対策が課題となっている。対策の計画立案や効果検証のために、ヒシ属植物の分布変化や季節的変動のモニタリングが必要となる。本研究では、福井県の三方湖に生育するヒシTrapa japonicaを対象として、無人飛行機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle、通称ドローン)による分布推定手法を開発した。撮影高度を決定するため、1辺1 cmおよび 2 cm、4 cmの各格子を組み合わせたイラストを対地高度20-50 mで撮影し目視判読した結果、対地高度20 mの時、1 cm格子(ヒシの個葉を模したもの)を組み合わせた6cmの方形領域(ロゼットを模したもの)を正確に判別できた。2016年9月11日に研究対象地を高度20 mから撮影し、オルソモザイク画像(ピクセルサイズ:0.9 cm)を作成した。この画像をもとに、400地点(学習データ200地点、検証データ200地点)のヒシの在・不在(目視判読に基づく)およびRGB値のデータセットを作成した。一般化線形モデルによる解析の結果、G値(緑色の輝度)を説明変数としたとき、検証データにおいて一致率91.5%およびAUC値0.97ともっとも高い推定精度を示した。以上の結果から、湖面のヒシの分布推定のためにUAVを用いた本手法の有効性が示された。
総説
  • 竹内 亨
    2018 年 22 巻 2 号 p. 331-344
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    風力発電は、環境負荷が少なく比較的低コストに利用可能なエネルギー源として世界各国で導入が進められている一方、衝突死に代表される鳥類への影響が懸念されている。鳥類や生態系保全の観点から、衝突するリスクが高い場所への風車建設を避けることが重要となる。建設前の環境影響評価において、鳥類衝突リスクモデルを用いた推定衝突数により鳥類への影響を評価する方法が日本国内外で一般的となっているが、様々な課題が表出している。これまで広く利用されてきた衝突リスクモデルでは、評価対象とする風力発電所全体で一つの推定衝突数を求めるが、実際の衝突数は1つ1つの風車が立地する地形、風況等によって大きく異なる可能性がある。衝突リスクモデルの変数である回避率は、モデルの計算結果に影響の大きいパラメータであるが、回避率が得られている種は極めて少ない。現状の衝突リスクモデルのみによる鳥類への影響評価では、個体群に及ぼす影響について評価できない。衝突リスクモデルによる環境影響評価は単一の発電所を対象に行われているが、特に複数の風力発電所が集中して立地する場合には、希少種の個体群に対する累積的な影響を評価する取り組みが求められている。日本国内の風力発電所で実施されている事後モニタリングを工夫すれば、種や立地環境によって異なる衝突数、回避率、さらに個体群の影響評価に活用できるデータを得られる可能性がある。
調査報告
  • 2017 年 22 巻 2 号 p. 345-349
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    これまで、日本におけるオオクチバスMicropterus salmoidesの産卵可能な最小体サイズ(生物学的最小型)は標準体長(SL)230 mm前後であるとされてきた。しかし、滋賀県立大学内の人工的に造成された水域で捕獲したSL 230 mm以下のオオクチバスのうち、4個体(オス2個体、SL 162-169 mm; メス2個体、SL 182-204 mm)に生殖腺の発達が観察されたため、これらは繁殖可能個体であると推測された。本研究および既存の報告から、オオクチバスの成熟はSL 230 mm以下の個体においても起こりうることが示唆された。本水域におけるオオクチバス小型個体の成熟には亜種との交雑や餌環境、水温などが要因として挙げられるが、今後、調査地におけるこれらの要因の詳細な状況把握が必要である。また、本稿で示した小型個体の成熟は他の水域でも生じている可能性がある。
  • 中野 光議, 木村 哲平
    2017 年 22 巻 2 号 p. 351-360
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    滋賀県長浜市木之本町を流れる農業水路において、イシガイ科二枚貝類(以下、イシガイ類)の生息状況、およびイシガイ類の密度と水路環境との関係を明らかにすることを目的に研究を行った。2015年10月?11月に水路の物理環境とイシガイ類の生息状況を調査した結果、マツカサガイ、カタハガイ、タガイ、ササノハガイ、オバエボシガイ、タテボシガイ、ニセマツカサガイの7種合計347個体のイシガイ類が採捕された。ニセマツカサガイを除く6種について、それぞれの密度と水路環境との関係について一般化線形モデル(GLM)を使用して解析した。その結果、マツカサガイとカタハガイは砂が多く、底質が硬く、水深が浅い場所、タガイは砂が多く、底質が硬く、水深が浅く、流速が遅い場所、ササノハガイは砂が多く、底質が硬い場所、タテボシガイは底質が硬く、流速が遅い場所に多い傾向が示された。オバエボシガイについては、密度と環境要因との関係が不明瞭であった。イシガイ類保全のために水路環境の保全・復元を行う場合、種間差に配慮して多様な環境を維持・創出することが必要と考えられる。
  • 石井 潤, 和田 翔子, 吉岡 明良, 大谷 雅人, リンゼイ リチャード, 塩沢 昌, 高橋 興世, 鷲谷 いづみ
    2017 年 22 巻 2 号 p. 361-370
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    北海道の黒松内低地帯において、ミズゴケ属植物が生育し植物の種多様性が高い湿原(来馬湿原:面積約0.9 ha)の存在が新たに確認された。地元住民を対象とした聞き取り調査および1948-2005年の空中写真の判読を行ったところ、この湿原は、1976年頃に宅地造成に伴う土地改変により部分的に土壌剥離または未舗装道路の建設がなされ、その後植生が発達して今に至ることが判明した。植生の現況を把握するためのフロラ調査では、ミズゴケ属植物としてウロコミズゴケ1種、維管束植物の在来種103種(絶滅危惧種イトモ、エゾサワスゲ、ホロムイリンドウ、ムラサキミミカキグサを含む)、外来種8種が確認された。ウロコミズゴケの分布調査の結果では、その分布は1976年の土地改変と有意な関係があり、ウロコミズゴケパッチ面積の合計は期待値と比較して、土壌剥離に伴い裸地化された場所で大きく未舗装道路だった場所で小さい傾向があった。これらの結果は、1976年の土壌剥離による裸地化が、現在のウロコミズゴケパッチを含む植生の形成に寄与している可能性を示唆している。ウロコミズゴケパッチ内外を対象とした植生調査では、オオバザサがウロコミズゴケの被度50%以上の方形区に、期待値と比べて多く出現する傾向があり、ウロコミズゴケパッチの形成とオオバザサの生育が関係している可能性が考えられる。
解説
  • 大澤 剛士, 戸津 久美子
    2017 年 22 巻 2 号 p. 371-381
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    Darwin Core/Darwin Core Archiveは、生物多様性情報を記述する国際的な標準データフォーマットである。しかし、これはもともと標本を記述することを目的に作成されたため、記述するデータの単位が基本的に個体の在データのみの形式となっており、在/不在データやトラップ調査によって得られる多種多数の個体データ等、生態学でしばしば用いられる形式に適合しにくいという欠点があった。この状況に対し、2015年、Darwin Coreの改良を担うBiodiversity Information Standards: BIS(Taxonomic Databases Working Group: TDWGともよばれる)より、Darwin Coreを生態学データに適合させる新形式「Sample-based Data: SB Data」が公表された。SB Dataは、様々な生態学データを標準化し、共有および横断利用を促進させる可能性があるデータ形式として、The Group on Earth Observations:GEO-BON等の国際生態系観測コミュニティにおいても期待されている。本稿は、Darwin Coreの基本的な情報ならびに、Darwin Coreの新しい形式であるSB Dataの解説を行うことで、日本における生物多様性データの共有、横断利用推進の一助にすることを目的とする。
保全情報
  • 佐野 明
    2017 年 22 巻 2 号 p. 383-389
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル 認証あり
    三重県内の洞穴に設置されたバット・ゲートの形状とコウモリ類の生息状況について調査した。10カ所の洞穴に設置されたバット・ゲートには、格子柵と上半が空いたハーフゲートがあった.翼が広短型のキクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、テングコウモリと中間型のモモジロコウモリは格子柵の設置された洞穴でも生息が確認されたが、狭長型のユビナガコウモリはハーフゲートしか利用していなかった。したがって、ユビナガコウモリが分布する地域ではハーフゲートを設置するのが望ましい。
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