保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
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9 巻 , 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2004 年 9 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 9 巻 1 号 p. Toc1-
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
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  • 小林 隆人, 谷本 丈夫, 北原 正彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    オオムラサキ(鱗翅目,タテハチョウ科)の保護を目的とした森林管理手法の確立に必要な資料を得るため,面積の広い森林が連続的に分布する栃木県真岡市下篭谷地区と都市化が進んで面積が狭い森林がパッチ状に分布する伊勢崎地区において,森林群落のタイプとその面積,寄主植物であるエノキの本数,エノキの根元で越冬する本種の幼虫の個体数,夏季における成虫の目撃個体数を調査した.両地区とも,アカマツ-クリ・コナラ林およびクヌギ,コナラ,針葉樹,タケの人工林などがパッチ状に分布し,アカマツ-クリ・コナラ林の面積率が最も高かった.本種の寄主植物であるエノキの母樹(樹高2m以上)は,森林地帯,農家の屋敷地,荒地に小集団で存在した.母樹の本数は両地区ともアカマツ-クリ・コナラ林で最も多く,他の森林群落および土地利用では少なかった.地区別の本数は下篭谷地区と比べて,伊勢崎では顕著に多かった.当年,1年生など発芽して間もないエノキの椎樹は,森林の部分的な伐採から1年ほど経た比較的新しい林縁部に見られた.下篭谷では,胸高直径が15cm以上25cm未満のエノキにおける本種の越冬幼虫の個体数が,他のサイズのエノキよりも有意に多くなったが,伊勢崎では幼虫個体数はエノキのサイズの間で有意に異ならなかった.一方,木の周囲の森林および落葉広葉樹二次林の面積と越冬幼虫の個体数との間には,両地区とも有意な正の相関が認められた.成虫の確認個体数は下篭谷地区で多く,成虫の多くはクヌギ林およびその付近で確認された.以上の結果から,落葉広葉樹二次林に対して土地利用の変換を伴う部分的な伐採を行うことは,エノキの密度を増加させる反面,本種の越冬幼虫や成虫の密度を減少させることが示唆された.このような両者の相反する生息条件を満たすには,クヌギ林とエノキが備わったある広さの落葉広葉樹二次林を伐期が異なる小班に区分することが必要である.
  • エコ・プジャディ , 婁 崇美, 中根 周歩
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
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    1985年頃からウメの異常な生育障害が発生し,それが1990年代の半ばには梅林の10%近くに及んだ和歌山県田辺市とその周辺で,この生育障害が初期から発生している障害発生地域の5箇所(田辺市北西部)から生育障害木を,生育障害が顕在化していない非発生地城の5箇所(田辺市南東部及び日置川町)から健全木を,それぞれ15年生(5本)と25年生(3本)の年輪を1998年12月に採取し,その年輪幅を解析し,年輪中の重金属濃度を分析した.合わせて,各調査地点で年間にわたって煤塵中の重金属量も測定した.その結果,生育障害木は1990年代に入って,健全木と比較して明らかに年輪幅が低下していた.それに対して,5年間平均値で得られた重金属濃度は健全木では年輪幅とともに減少または横ばい傾向であるのに対して生育障害木では上昇傾向が見られ,1990年代の最後の5年間では多くの重金属において生育障害木で有意に濃度が高かった.土壌中重金属濃度は両地域で差異は見られないが,降下煤塵中の重金属量が障害発生地域で有意に高いことから,このような生育環境下では,生育障害による衰弱過程のウメの特徴(指標)としては,年輪幅の著しい低下と重金属濃度の上昇傾向が示唆された.
  • 上田 哲行, 木下 栄一郎, 石原 一彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
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    石川県金沢市郊外の丘陵地において,ハッチョウトンボの場所利用を中心とした調査を行った.調査地は谷津田の最上段にある広さ1,200m^2の休耕田で,毎年トラクターによる耕起は行われているが,イネは栽培されていない.耕起部分には,冠水状態により4つの群落が広がり,そのうちの1つ(群落1)は一年生草本を中心とした湿地性植物群落,残りは陸生植物群落であった.耕起部分の外側は湧水湿地になっており,湿地性多年生草本を主とした群落(群落2)が発達していた.ハッチョウトンボの成熟雄は群落1と2に分布し,調査した2年間では,とくに群落2で類似した分布を示した.雌と未成熟雄は陸生植物群落に分布していた.幼虫も群落1と2を利用していたが,群落1では年により羽化がみられなかった.夏の降水量が少ない年は長期間干上がってしまうためと考えられた.調査地から分散したと思われる成虫を周辺の湿地で確認した.もっとも離れた地点は1.5kmであったが,1km以内が多かった.これらの結果などから,ハッチョウトンボは,一時的な小湿地に適応した機会的な種と考えられた.ハッチョウトンボ個体群を保全するために,丘陵地帯にある放棄水田を耕起によって湿性ビオトープとして整備し,そのネットワーク化を図るべきであるという提案を行った.
  • 田村 典子
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    外来種のタイワンリスが神奈川県において分布を拡大している.2002年にアンケートと現地調査によって確認された生息範囲は304km^2に及んだ.導入された1950年代からの分布拡大パターンを解析したところ,指数関数的に分布域が拡大していることが分かった.7年間にわたる標識再捕法および直接観察から,個体群パラメーターを算出し,個体数の増加速度を推定した.神奈川県におけるタイワンリスのこれまでの分布拡大パターンは密度効果のない個体数増加によって説明可能であることが明らかになった.
  • 宮脇 成生, 西廣 淳, 中村 圭吾, 藤原 宣夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 45-55
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    湖岸植生帯の衰退や維持に関わる要因を明らかにするとともに各要因間の相対的な重要性を評価するため,霞ヶ浦(西浦)の湖岸沿い1km毎に設けた122の地点における過去30年間の植生帯衰退の程度と環境要因の関係を,植生図など既往研究の結果より分析した.そこで各地点における1972〜1982年の間の抽水植物帯および沈水植物帯の「幅」(湖岸に対して垂直方向にみた植生帯の幅)の減少率,1982〜1997年,1972〜1997年の間の抽水植物帯の幅の減少率の各々を従属変数,各地点における堤防の設置位置,湖岸の地形勾配,波高,底質の粒径,流入河川からの距離,沈水植物帯の規模を説明変数の候補とするステップワイズ重回帰分析を行った.抽水植物帯幅の減少率の地点間変異は,いずれの期間においても堤防の設置位置と波高によって有意に説明され,堤防が沖寄りに設置された場所,波高が高い場所で抽水植物帯の減少が著しいことが示された.また1972〜1982年の間の抽水植物帯幅の減少率については1972年における沈水植物帯幅の効果も有意で,沈水植物帯の幅が狭い場所ほど抽水植物帯の減少が著しいことが示された.沈水植物帯の減少パターンは,ここで分析した環境要因では十分に説明できなかった.
  • 中島 真紀, 松村 千鶴, 横山 潤, 鷺谷 いづみ
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    温室栽培トマトの授粉用に導入されたセイヨウオオマルハナバチの野生化の状況を把握するために,2003年5月下旬から8月下旬にかけて北海道勇払郡厚真町および鵡川町において踏査による営巣場所探索の調査を行った.のべ18人日の調査により,8つのセイヨウオオマルハナバチの野生化巣と11の在来マルハナバチの巣が発見された.巣の発見場所は,主に水田の畦や畑地の用水路の土手であり,特にセイヨウオオマルハナバチとエゾオオマルハナバチ,エゾトラマルハナバチは営巣場所の選択において類似性が高いことが示された.さらに在来種であるエゾオオマルハナバチの1つの巣から,セイヨウオオマルハナバチの働き蜂が出入りしていることが確認された.在来マルハナバチ類とセイヨウオオマルハナバチが同じ巣を利用することにより,寄生生物の異種間感染をもたらす可能性が示唆された.
  • 渡辺 敦子, 鷲谷 いづみ
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 65-76
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    生物多様性の保全という社会的要請に応えることを目的とする保全生態学が集積する知見は,一定の整理を経た後に実社会を動かす政策に反映されることが必須である.ここでは,数年前から生物多様性保全に関わる政策にめざましい進展が認められる日本と,以前から環境保全に関わる先進的な政策を実践しながらも生物多様性条約を批准していない米国について,生物多様性保全上重要な課題のうち,「絶滅危惧種の保全」,「外来種対策」,「遺伝子組み換え生物のバイオセーフティ」にかかわる政策を社会的環境とその歴史的背景および,法的な整備と運用の現状の面から比較・考察した.米国において比較的早くから自然保護・生物多様性保全に資する政策が発展した要因としては,一つにはヨーロッパからの植民と建国以来の激しい自然資源の収奪や大規模な農地開発による生態系の不健全化に直面して醸成された自然保護思想や市民運動の隆盛があった.それと併せ,バイオテクノロジーの発展との関連で生物多様性の経済的価値を強く意識した産業界の思惑および生物学者の政策意思決定への積極的な関与などがあったといえる.それに対して,日本における保全政策は1993年の生物多様性条約への加盟をきっかけとし,過去10年間に関連法整備が進められ,それら法制度整備の有効性に関する評価・改善は今後の課題である.しかし,国内の生物多様性の衰退が急速に進んでいる現状を鑑みると,保全生態学には自然科学としての科学的な厳格さに加え,政策意思決定へのより効果的な寄与が求められるといえよう
  • 金谷 整一, 池亀 寛治, 手塚 賢至, 寺川 眞理, 湯本 貴和
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 77-82
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    種子島の早稲田川沿いの木成国有林において絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの分布調査を行い,新たな群生地(個体群)を発見した.この個体群は林齢43年の若い二次林であった.2ha内に生残している樹高2m以上のヤクタネゴヨウ成木138個体を確認し,その密度は69個体/haであった.これほどの高密度で分布するヤクタネゴヨウの個体群は,他の自生地でも報告例がない.種子島では,これまでヤクタネゴヨウの推定生残個体数は100個体といわれてきたが,今後はこの値を修正する必要があろう.この個体群内外で,マツ材線虫病とみられる被害で枯死したとみられるクロマツならびにヤクタネゴヨウが観察された.この個体群一帯を保護林等に設定することを九州森林管理局へ要望書を提出するとともに,マツ材線虫病への対策を早急に講じていく必要性も指摘した.
  • 勝川 木綿, 宮本 健一, 松田 裕之, 中西 準子
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 83-92
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    化学物質の生態リスク評価では,内的自然増加率γを指標の一つとして使うことができる.しかし,数多くの卵を水中に放出する多くの魚種では,自然環境下の卵から仔稚魚までの生存率を得ることは困難である.データから推定されたγの絶村値は,推定誤差が大きい.本論文では,化学物質の毒性が魚類個体群に与える影響を評価するため,不明または推定誤差の大きいパラメータを使わずに生態リスクを評価できる簡易方法を提案した.はじめに,化学物質による内的自然増加率γの減少分(Δγ)をリスク評価の指標と定義し,齢構成モデルから計算可能であることを示した.Δγは推定誤差の大きい初期生残率のデータを用いずに計算できる値であり,化学物質が魚類個体群に与える影響を相対的に比較することができる.次に,生活史パラメータが不明な場合,種間外挿によって未知のパラメータを求め,齢構成モデルを構築する方法を示した.Δγは,個体の繁殖率や生存率の減少など化学物質の毒性が生活史パラメータに与える影響により決まる値である.内的自然増加率の減少率Δγを指標として使う場合,(1)成熟齢や極限寿命など生活史の異なる生物の生態リスクを相村的に比較することが可能である,(2)卵の受精率,孵化率の減少や仔稚魚期の生存率の減少,あるいは成魚の生存率や繁殖率の減少など暴露が様々な生活史段階に与える影響を評価できる,(3)推定誤差が大きい初期生存率のデータを用いずに,化学物質が個体群に与える影響を相対的に比較できる,(4)乱獲など質の異なる生態リスクとの比較が可能である.実際に,ブルーギルについて個体への影響を調べた毒性試験結果から,Δγを用いて個体群への影響を評価した.
  • 松村 千鶴, 中島 真紀, 横山 潤, 鷲谷 いづみ
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 93-101
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道勇払郡鵡川町・厚真町と沙流郡門別町のほぼ7.75km^2の範囲にある水田や畑地,河川敷,山林において,2003年6月から9月の間にマルハナバチ類(Bombus spp.)の巣を探索し,地中のネズミ類の廃巣に作られたセイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris L.)の自然巣8つを含む27の巣を発見した.そのうち9巣を採集して分解し,卵,幼虫,マユ,成虫の数をできるだけ雌雄とカースト(働きバチか女王バチか)を区別して計数するとともに,蜜の保存や排泄場所の有無などの営巣特性についての情報を収集した.新女王バチの生産に至った巣の比率には,外来と在来のマルハナバチ間で有意差はなかったが,セイヨウオオマルハナバチの1巣あたりの新女王バチ生産数は在来マルハナバチ類と比較して4.4倍の平均110頭であり,当該地域の野外でのセイヨウオオマルハナバチの増殖率の高さが示唆された.
  • 金井塚 務
    原稿種別: 本文
    2004 年 9 巻 1 号 p. 103-105
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    The riparian forest in Hosomidani Valley, located in the West Chugoku Mountains, in western Japan, is facing an environmental crisis because of a major on-going forest road construction project undertaken by the Japan Green Resources Agency. Most of the original vegetation in Chugoku district has already been lost due to industrial activity, and the Hosomidani area is one of the few areas where precious habitat has been maintained. Researchers and NGOs jointly investigated the area and discovered many species in different taxa in Hosomidani that are listed in the Red Data Book (RDB). It is urgently important to protect these species and their habitat and to maintain the biodiversity of the Hosomidani area.
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 9 巻 1 号 p. App6-
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    2004 年 9 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
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