(Li, Na, K)NbO3(LNKN)を主成分とするアルカリニオブ酸系セラミックスは高いキュリー温度をもち,優れた圧電特性を示すため,無鉛圧電セラミックスの研究開発において有力な候補材料となっている.将来的な応用を目指して,高負荷耐性に適した合成プロセスの開発や微細構造の制御が望まれているが,これらに関する報告例が乏しい.本研究では,Nb2O5原料のファイン化を検討したところ,LNKNセラミックスを低温焼結できる可能性を見出し,さらに高密度セラミックスも得られたことから,電界負荷時のドメイン構造の変化を精密に捉えることに成功した.これらの成果は,高負荷耐性に優れるLNKNセラミックスの合成に関する重要な知見となった.
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