ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
ISSN-L : 2189-4663
25 巻
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前付け
平成27年度 研究助成成果報告
  • 安坂 幸師
    2017 年 25 巻 p. 22-25
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    グラフェン量子ドット(GQD)は,量子閉じ込め効果やエッジ効果に起因した光学的・電気的特性からナノエレクトロニクスにおいて注目されている.しかしながら,これまでのカーボン材料を化学的,あるいは物理的に破壊するGQDの作製方法では,GQDの大きさや構造の制御が困難である.そこで,清浄表面を有するニッケル(Ni)ナノ粒子をテンプレート触媒として用いて,アモルファスカーボン(a-‍C)をグラファイト化することにより,ナノグラフェンの作製を試みた.Niナノ粒子上に室温で蒸着したa-C薄膜のラマン分光スペクトルには,GとDモードに対応する二つのピークが1582 cm–1と1388 cm–1にそれぞれあらわれた.透過電子顕微鏡法観察から,Niナノ粒子のまわりにのみ乱れた炭素原子層が熱処理を行っていないにもかかわらず自発的に形成していることがわかった.今回の結果から,Niナノ粒子の清浄表面は,高い触媒能を示し,a-Cのグラファイト化温度を低下させることが示唆された.

  • 内山 知実
    2017 年 25 巻 p. 26-32
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    渦輪を用いた固体粒子群の生成と輸送の技術の開発実験を実施した.ピストンとシリンダから構成される渦輪射出装置を水タンクの底部に設置し,シリンダ出口に張ったメッシュにポリアセタール粒子を置いた.個数は100,直径は1.52 mm,密度は1417 kg/m3である.シリンダ内の水をピストンで鉛直上方に押し上げ,タンク内に固体粒子を含む渦輪を射出した.ピストン速度とシリンダ直径で定義されるReynolds数Reが6500,7500,13000の渦輪を調べた.その結果,Re = 7500と13000の場合には,粒子が渦輪内部に巻き込まれて粒子群が生成され,渦輪の移流に伴って鉛直上方へ輸送された.渦輪の鉛直断面内の水速度は粒子により低下し,渦輪強度も減じた.Reが低い場合ほど低下量が大であった.

  • 尾関 哲也
    2017 年 25 巻 p. 33-36
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    これまでに我々は,2液混合型スプレーノズルを用い,医薬品用薬物ナノコンポジット粒子(薬物ナノ粒子がマイクロ粒子に含有されているもの)に関する開発を行ってきた.粒子をナノ化することにより,粒子の比表面積が増大するため,薬物の溶出を改善することができる.また,この2液混合型スプレーノズルを用いることにより,通常は多工程となる機能性粒子の作成をわずか単一工程で作成することができるため,本方法は,生産面・コスト面において有用である.本研究では,2液混合型スプレーノズルの新たな可能性を模索するために,ナノ粒子が凝集して,マイクロ粒子状になったもの(いわゆるナノマトリクス粒子)の調製について,検討を行った.今回は,塩化ナトリウムのナノ結晶粒子が凝集し,マイクロ粒子状になったものを調製したものを紹介する.塩化ナトリウムナノマトリクス粒子は,嚢胞性繊維症を目的としてつくられており,今後の展開が期待できる.

  • 片平 和俊
    2017 年 25 巻 p. 37-41
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    本研究は,新しい表面機能制御法として注目されている“大気圧低温プラズマジェット”を援用し,ピーニング処理中における“基材⇔粒子/粒子⇔粒子”それぞれの反応を活性化させるという斬新な試みである.純チタン基材に大気圧プラズマ援用FPP処理を施し,大気圧プラズマの援用の有無が被処理面の表面特性と細胞適合性に及ぼす影響について検討した.その結果,酸化チタン粒子を用いた大気圧プラズマ援用FPP処理を純チタン基材に施すことにより親水性が高く,微細な凹凸を有する酸化チタン層が形成されることが明らかとなった.また,大気圧プラズマ援用FPP処理により形成された酸化チタン層はFPP処理により形成された酸化チタン層より厚く,密着性に優れていた.さらに,大気圧プラズマ援用FPP処理により形成された酸化チタン層は細胞接着性および増殖性が優れていることが明らかとなった.

  • 勝山 茂
    2017 年 25 巻 p. 42-47
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    ゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電変換材料の高性能化には材料のゼーベック係数Sおよび電気伝導率σを大きく,熱伝導率κを小さくする必要がある.その設計指針としてPBET(Phonon Blocking Electron Transmitting)的特性を示す材料の実現が提案されている.本研究では酸化亜鉛ZnO系熱電変換材料について,キャリアの変調ドープを行った粉末から成る複合焼結体を作製し,PBET的特性の実現によりその高性能化をはかることを検討した.粒子複合化装置を用いてZn0.98Al0.02O粉末粒子の表面がZnOナノ粒子で覆われた粉末試料を作製し,ホットプレスにより焼結してZn0.98Al0.02O-ZnO複合焼結体を作製した.この複合焼結体では低電気伝導性のZnO粒子が含まれるにもかかわらず,変調ドープ現象によりある程度の電気伝導性が得られ,さらにZnOナノ粒子層によるκの低減が見られたが,性能指数ZTの向上には至らなかった.

  • 北山 雄己哉
    2017 年 25 巻 p. 48-53
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    金属のナノ粒子は,その特異な表面特性から触媒や医療診断などの広範な分野へ応用可能な機能性微粒子材料であり,希少資源であることから使用済み貴金属粒子の回収・再利用技術の開発が望まれる.本研究では,安全かつ低コストな気体刺激によって回収可能な貴金属ナノ粒子の合成を試みた.表面開始原子移動ラジカル重合を用いて,二酸化炭素(CO2)および窒素(N2)に応答して水溶性を制御可能なポリマーをシェル層にもつ金ナノ粒子を合成したところ,CO2およびN2導入によって水中における分散安定性制御が可能であることがわかった.さらに,有機溶剤を用いた回収を試みたところ,CO2溶解水中に分散している気体刺激応答性ポリマー修飾金ナノ粒子を,N2導入により有機相に抽出することに成功した.このように,温和な気体刺激によって有機溶剤による回収を可能とする新規金属ナノ粒子の創製に成功した.

  • 坂本 渉
    2017 年 25 巻 p. 54-61
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    近年,無鉛圧電材料の開発が環境問題のため注目されている.多くの強誘電体酸化物の中で,BaTiO3は有望な候補である.本研究では,卑金属内部電極を使用した積層圧電アクチュエータデバイス用の耐還元性BaTiO3系セラミックスの作製と評価について研究を行った. Mnドープ(Ba,Ca)TiO3セラミックスの化学組成を最適化することにより,耐還元性のBaTiO3系セラミックスを作製した.それらの電気的特性を改善するために,板状のBaTiO3およびCaTiO3粒子を用いた反応性テンプレート粒成長法により,結晶粒子配向セラミックスを調製した.還元雰囲気(酸素分圧0.1 Pa以下)で焼結されたBaTiO3系セラミックスの電気的性質は,結晶配向性の試料を作製した結果,顕著に改善された.ここでは,圧電アクチュエータへの応用を可能にする電気的特性(特に電気絶縁性)および実効圧電定数約570 pm/Vを達成した.

  • 白井 孝
    2017 年 25 巻 p. 62-66
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
    研究報告書・技術報告書 フリー

    大気汚染の原因の一つとされているVOCガス削減のために,ヒドロキシアパタイト(HAp)の熱誘起ラジカル生成を利用した脱レアメタル触媒の開発とその応用について検討を行った.HApは熱を加えた際,表面の水酸基が脱離し表面に補足電子が生じる.この補足電子が大気中の酸素と反応し酸素ラジカルを生成し,VOCガスの酸化分解に利用される.そこで,加熱方法に直接加熱ではなくマイクロ波加熱を用いることで,より低エネルギーかつ効率よく水酸基を脱離させることができるのではないかと考えた.本検討では,遊星ボールミルを用いてHAp表面にメカノケミカル処理を施し「HApの結晶性」と「マイクロ波の吸収と加熱特性」の相関を調査した.

  • 新戸 浩幸
    2017 年 25 巻 p. 67-70
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    本研究では,分子シミュレーションよりも遙かに計算効率の高い密度汎関数理論(DFT)を用いて,液体中の疎液性表面間に働く長距離性引力を理論解析した.その結果,バルク液体の熱力学的状態が疎液性引力の発現距離にどのように影響するのかを明らかにした.

  • 鈴木 崇弘
    2017 年 25 巻 p. 71-74
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    固体高分子形燃料電池の多孔質電極(触媒層)におけるスラリー(触媒インク)乾燥過程の構造形成メカニズムを明らかにするため,交流電気抵抗計測とレーザー変位計測を用いたスラリー乾燥過程のその場センシングを行った.電池高性能化のための任意の多孔質構造形成に向けては,乾燥形成過程における物質移動ダイナミックスを把握し,作製条件を決定することが有効であると考えられる.本研究では,独自に設計,作製したマイクロ電極を用いた交流電気抵抗計測により触媒インク中のナノ分散粒子の状態を評価した.また,レーザー変位計測により溶媒の乾燥状態を評価した.これらの同時計測システムを構築することにより,乾燥挙動と粒子状態の関係を明らかにするためのセンシング技術を開発し,固相成分(カーボン及びアイオノマー)の含有割合を変えた触媒インクの計測,評価を行った.

  • 田原 耕平
    2017 年 25 巻 p. 75-78
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    晶析と造粒を同一系内で同時に行う球形晶析法は,医薬品生産プロセスにおけるダウンストリームを融合できるため,医薬品製造の高効率化が可能となる.しかしながら,球形晶析法のこれまでの研究はバッチ生産を想定したものであり,本法は通常の晶析法と比較し現象が複雑であるため,実生産移管におけるスケールアップが困難であった.本研究ではMSMPR(Mixed-Suspension, Mixed-Product-Removal)晶析装置により,球形晶析法の連続プロセス化を試みた.モデル薬物として水溶性のサルブタモール硫酸塩と難水溶性のフェノフィブラートを用いた.MSMPR晶析装置により,これら原薬の球形顆粒を連続的に製造することができ,24時間以上の連続運転を達成した.晶析時の滞留時間などのプロセス条件により,生成物の物性を制御できることが分かった.サルブタモールのような水溶性薬物に球形晶析を適用する場合,多量の有機溶媒を使用することが問題となる.そこで,溶媒リサイクル型MSMPRを設計し,連続球形晶析法を試みたところ,90%以上の溶媒再利用が可能であった.

  • 冨永 昌人
    2017 年 25 巻 p. 79-83
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    ブルー銅タンパク質であるラッカーゼは,中性付近の温和な反応条件下において白金触媒を遙かにしのぐ高い電位から酸素を還元する.このタンパク質の性能を電極上に固定化したそれで発揮することはできなかった.我々は,ステロイド系生体由来界面活性剤修飾炭素電極上にラッカーゼを固定化することで,溶液中でのラッカーゼの反応と遜色ない速度ならびに電位で酸素を還元できることを明らかにした.本研究では,各種の生体由来界面活性剤を用いて高電位かつ高速な酸素還元極の開発を行った.その結果,コール酸で界面機能化を施したナノカーボン電極が最もよい性能を示した.他の生体由来界面活性剤を用いたナノカーボン電極の結果と合わせて検討したところ,ラッカーゼの電子移動反応は,表面修飾されたステロイド分子の側鎖に非常に敏感であることが解った.

  • 中曽 浩一
    2017 年 25 巻 p. 84-88
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    粒子充填層は,反応,ガス吸収,化学蓄熱等に利用されているが,伝熱速度が著しく低く,反応制御および反応熱有効利用が困難といった課題がある.このため,高熱伝導率材料の添加等検討されてきたが,伝熱性能が向上する反面,粒子充填密度もしくはガス透過性が低下した.そこで,充填層の低熱伝導率の一因として粒子同士が点接触していることに着目し,粒子接触点付近にのみ伝熱促進材を添加することで,必要最低限の伝熱促進材で伝熱性能の向上を図った.本研究では,粒子間に伝熱促進材の懸濁液による液架橋を形成して,これを乾燥させて粒子-粒子間および粒子-壁面間に伝熱促進材の架橋を作成した.アルミナ粒子によるモデル実験により,有効熱伝導率が5倍程度向上した.また通気時の圧力損失の増加は2割程度で,ガス透過性も処理前と概ね同等だった.2粒子間の伝熱計算により,更なる性能向上には,架橋部分の高密度化が重要であることが示唆された.

  • 永津 雅章
    2017 年 25 巻 p. 89-98
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年の地球温暖化などによる地球規模での生活環境の変化は,未知の伝染性ウイルス,とりわけ,新型インフルエンザウイルス,SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス,さらにデング熱やジカウイルスなどの発生をもたらしており,それらの伝染拡大を未然に防ぐための迅速な高感度検出技術の開発が世界的な喫緊の課題となっている.さらに,ノロウイルスや大腸菌O157,サルモネラ菌などの病原性細菌による健康被害も頻繁に発生しており,これらの高感度検出技術の開発も求められている.本研究では,DCアーク放電により作製したグラファイト被覆金属ナノ微粒子の表面化学修飾,および抗体固定化した磁気ナノ粒子による各種ウイルスや細菌の超高感度検出に関する実験を行うとともに,ワンステップDCアーク放電によるアミノ基修飾金ナノ微粒子を用いた液中銅イオンの高感度検出に関する実験を行ったのでそれらの結果について報告する.

  • 中西 貴之
    2017 年 25 巻 p. 99-103
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    Europium sulfide(EuS)ナノ結晶は価電子帯と伝導帯の間に縮退した4f電子軌道を持つ磁性半導体の一つである.この4f軌道から5d軌道への電子遷移は,外部からの磁場作用により巨大な磁気光学旋光(e.g.ファラデー効果)を示し,近年ではその特異効果を用いたセキュリティ物質や可視光アイソレータ応用への注目が集まっている.磁気光学効果はファラデー物質の磁性と入射光による物質の光学電子遷移よって発現するため,機能中心となる磁性イオンの環境(ex.結晶場)や電子物性に強く依存した効果発現が期待される.本研究では中核物質に大きな磁気光学効果を示すEuSを選択しそれと全率固溶系を成すCalcium sulfide(CaS)結晶を用いた新しい機能化の検討を行う.機能中心で大きな吸光係数を持つEu2+は結晶環境の変化に敏感な5d電子軌道を持ち大きな磁気光学効果を発現する磁性イオンとして知られている.そのEu2+を機能中心にしたEuS-CaSの連続固溶体ナノ結晶の創成は結晶場分裂と量子サイズ効果を掛け合わせた光学材料設計が可能となる.ここでは巨大な磁気光学旋光と高輝度発光を組み合せた新型セキュリティ物質の検討を行った.

  • 中村 昭子
    2017 年 25 巻 p. 104-108
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
    研究報告書・技術報告書 フリー

    太陽系には塵や衝突破砕物のような粉粒子体で構成された小天体が存在し,衝突による集積と破壊を経験している.小天体の空隙率は,現在,大きいものでは80%を越えるが,太陽系初期には,もっと大きかったと考えられる.小天体どうしの衝突によって,衝突点近傍では加圧による圧密が起こる.衝突点から離れた場所では衝突励起振動による流動のために密度が変化する.本研究では,粉粒体層に対して一軸方向の圧力を加え,空隙率の変化を測定した.その結果,初期空隙率がほぼ一定のまま保たれる圧力範囲が存在し,それを超えると空隙率が圧力とともに減少することが示された.このしきい値を粉粒体層の「降伏強度」とし,個々の粒子間に働く平均の力を見積もった.この力は,粒子間に働くころがり摩擦力とすべり摩擦力のそれぞれの理論値の間の値をとることを示した.また,すべり摩擦力の小さい粉粒体層ほど,圧縮しやすい傾向があることも示した.

  • 伴 貴彦
    2017 年 25 巻 p. 109-112
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
    研究報告書・技術報告書 フリー

    自発的に対称性を破り運動性を示すアクティブマターの運動方向を制御する方法を確立する.Pt触媒を含浸したゲル粒子を過酸化水素水中に導入すると,不規則な方向に自発的に運動する.Ag濃度勾配存在下では,正の走化性を,Pb2+濃度勾配存在下では,負の走化性を示した.これらの走化性機能を利用すると,閉鎖空間からの群衆退避行動の模擬実験を安全かつ簡便で再現性のある方法で行うことができる.

  • 山本 徹也
    2017 年 25 巻 p. 113-118
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    本研究では疎水性粉体であるカーボンナノチューブ(CNT)表面を高分子微粒子でin-situ被覆し,水中へ分散する技術を開発した.CNT表面に水和層を形成するために,N-ビニルアセトアミドで被覆し,立体反発効果で水中での分散安定性を確保した.つぎに,静電的な相互作用を利用し,正帯電のポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子を吸着させた.これらのポリマーはソープフリー乳化重合により合成した.表面修飾したCNTの水和層とPMMA微粒子の静電相互作用によりin-situ吸着技術の開発に成功した.さらにCNT複合高分子粒子を合成する方法を開発し,その力学物性を評価した.CNTの表面は混酸処理により親水性を付与した.このCNTとベンジルメタクリレートモノマーによりピッカリングエマルジョンを調製した.CNTの表面帯電により複合微粒子のサイズを制御した.未処理のCNTをモノマー中に分散させておき,CNT内包型複合高分子微粒子を合成し,その力学物性を向上することに成功した.

  • 吉田 達哉
    2017 年 25 巻 p. 119-125
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    ボールミルは稼働時に振動や衝突音が発生し,それらはミル内部の状態と関係がある.本研究ではミル稼働時の振動や音圧から被粉砕物の粒子径の推定に必要な知見を得るためのシミュレーション手法を開発した.ミル内部の媒体及び被粉砕物の運動を個別要素法によってシミュレーションすることで,ミル壁面への衝突力を予測する.そして,その衝突力をもとにミルの有限要素振動解析を行うことで,ミルの振動を計算する.最終的に,ミル表面に複数の点音源が存在すると仮定し,ミル壁面の振動に伴う放射音を予測する.このシミュレーション手法を用いて,ミルの運転条件として回転数を変化させた場合の放射音への影響を再現できることを確認した.また,被粉砕物の粒子径が変化した場合の解析を行い,粒子径の減少により音圧も減少することが確認でき,ミル内部の状態と放射音の関係を明らかにできると考えられる.

  • 吉田 幹生
    2017 年 25 巻 p. 126-131
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    粒子流動性を向上させる手法の1つに微小粒子添加法がある.しかし,流動性向上メカニズムは十分に明らかになっていない.本研究では,そのメカニズムを検討するため,振動排出時の流動性に着目し,添加粒子による主粒子表面粗さが流動性向上効果に及ぼす影響を検討した.主粒子には41.4, 60.8 μm,添加粒子には8, 104 nmの試料を用いた.主粒子と添加粒子を所定の割合で混合した試料の排出流量を測定し,主粒子のみの場合と比較した.また各混合試料の被覆状態を異なる角度からSEMにより撮影し,画像解析ソフトにより3次元の粗さ情報を取得した.検討の結果,振動排出時の流動性向上効果は,圧密充填時の場合とは異なる傾向が確かめられた.また,振動排出流動性が最大となる被覆状態を検討したところ,RMS値が約0.1 μm,凹凸の周期が約3.2 μmであることが示された.

  • 脇谷 尚樹
    2017 年 25 巻 p. 132-137
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
    研究報告書・技術報告書 フリー

    将来の磁気ハイパーサーミア応用を目指して,磁性微粒子(マグネシウムフェライト)の表面をシリカで被覆したハイブリッド微粒子を合成した.このようなシリカ被覆磁性微粒子の合成例は多いが,既往の研究例のほとんどすべてではオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の加水分解に用いる触媒として塩基が使われてきた.しかし,塩基触媒を用いると求核反応が生じるために単分散微粒子や多孔質のバルクが生成しやすい.これに対して,酸触媒を用いると求電子反応が生じるために繊維状や密なバルクや薄膜が生成することが知られている.このことは,原理的に,ハイブリッド微粒子を作製するための触媒には酸触媒を用いることが望ましいことを示す.本研究では酸触媒を用いてマグネシウムフェライト微粒子の表面をシリカで被覆したハイブリッド微粒子の合成を行うとともに,微粒子の結晶構造,微構造,粒径分布,化学的安定性,磁気特性およびハイパー特性を測定した.

  • 鷲野 公彰
    2017 年 25 巻 p. 138-143
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/31
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    液で濡れた粉体を扱うプロセスでは,粒子に働く粘性力を正しく評価することが非常に重要となる.本研究では,2粒子間に形成される液架橋により,粒子に働く粘性力についての調査を行った.Volume of Fluid(VOF)法を用いた直接数値計算(DNS)を行うことにより,Reynoldsの潤滑理論に基づいてこれまでに提案されている法線方向・接線方向の粘性力モデルの精度及び適用限界を明らかにした.また,既存のモデルを改良することにより,よりDNSの結果に近く精度の良いモデル式の開発を行った.本研究で開発されたモデルは,離散要素法(DEM)に容易に組み込むことが可能である.

平成28年度 研究者育成のための援助成果報告
平成28年度 シンポジウム等の開催援助成果報告
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