ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
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平成29年度 研究助成成果報告
  • 石神 徹
    2019 年 27 巻 p. 19-24
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,フィルターの透過・捕集機構の詳細解明を目指し,新規な直接数値シミュレーションモデルを開発した後,これを用いて圧力損失特性の解析ならびにエアフィルターやコアレッサー等への応用について検討を行った.市販されているフィルターの多くは不織布であり,不規則,複雑な微細構造を有している.本研究では不織布フィルターの微細構造を再現するために,X線CTを用いてフィルターの3次元画像を取得し,この数値的に得られたフィルター構造に対して流体や粉体,液滴等を供給するシミュレーションを行った.本シミュレーションモデルを用いてフィルターの圧力損失を計算したところ,実験結果および既往の経験式と良好に一致することがわかり,本シミュレーションモデルの信頼性を確認することができた.最後に本手法が混相流シミュレーションに容易に拡張できることを示した.

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    Pressure contour for PPS filter of ε = 0.853.
    Editor’s picks

  • 大野 智也
    2019 年 27 巻 p. 25-30
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,金属空気電池の空気極の微構造制御を,空気極作製用インク中の触媒粒子と導電助剤であるカーボン粒子の分散制御により行った.それぞれの粒子のインク中での分散制御は,粒子の静電反発力の制御,すなわちゼータ電位の制御により実施した.その結果,カーボン粒子と粒径差があまりないナノ粒子触媒を用いた場合,インク中でそれぞれの粒子をヘテロ凝集させる事で,空気極中の触媒粒子部分の表面積の向上(触媒粒子の分散性の向上)を確認した.これに対して,カーボン粒子と粒径差が大きなサブミクロンサイズの触媒粒子を用いた場合,インク中で触媒粒子が良分散性を保っている条件で,空気極中の触媒粒子の表面積の向上を確認した.また作製した空気極を,空気電池の充電反応である酸素発生反応に適用したところ,空気極中の触媒粒子部分の表面積を向上させることで,触媒能が向上する現象を確認した.

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    OER activity of the obtained air-electrode (catalyst: CSRO) using the ink with different pH.
  • 大原 智
    2019 年 27 巻 p. 31-34
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    水熱反応場でのセラミックスナノ粒子の生成過程において,有機分子の存在割合等を制御することにより,ナノ粒子のサイズだけでなく,形状(結晶面)制御も可能であることを,これまでに見出している.本研究では部分的選択キャッピング水熱法により,高活性な結晶面を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)用希土類ドープセリア(GDC)ナノキューブを合成した.また,GDCナノキューブと酸化ニッケルナノ粒子(NiO)を複合・集積化させたSOFC燃料極用コンポジットナノ粒子をエアロゾルプロセスにより合成した.その結果,NiO–GDCナノキューブコンポジットナノ粒子から作製したニッケル系サーメット燃料極は,世界トップの電極性能を有することを実証した.さらに,液相還元合成した金属ニッケル(Ni)–GDCナノキューブコンポジットナノ粒子から作製した新規燃料極(発電試験時のin-situ焼付けによりGDCナノキューブの構造・機能が維持)は,これまでに開発した上記の高性能燃料極と比較して,分極値をさらに1/3程度まで低減できることを実証した.

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    HRTEM image of CeO2 (left) and Gd-doped CeO2 (GDC: right) nanocubes.
  • 荻 崇
    2019 年 27 巻 p. 35-41
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,原料溶液に液相法で合成した低純度,低結晶な銀粒子を噴霧加熱することによって高純度,高結晶化させる検討を行った.噴霧乾燥により瞬間的に高温場で銀粒子(幾何平均径dp = 1.01 μm,幾何標準偏差σg = 1.22,結晶子径dc = 22 nm)を噴霧加熱することで,噴霧前の粒子径を維持したまま,銀粒子の結晶性を向上できることが明らかとなった.特に,500°Cでの噴霧加熱により,粒子径や分散性を維持した状態(dp = 0.92 μm, σg = 1.24)で,結晶子径のみを40 nmまで増加できることが明らかとなった.さらに,体積抵抗率は噴霧乾燥前の銀粒子(6.4 × 10–3 Ω·cm)と比べて噴霧加熱後の銀粒子は,180分の1まで低下(3.6 × 10–5 Ω·cm)した.これは,銀粒子の結晶性の向上,粒子内部の空隙の減少(密度向上),銀粒子の純度向上が原因だと考えられる.

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  • 木俣 光正
    2019 年 27 巻 p. 42-47
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    メカノケミカル重合法は,粉砕操作により生じる粉体破断面の活性点を利用した重合反応であり,粉砕された無機表面をほぼ完全にポリマー被覆できる方法である.そこで,現在リサイクル達成率の低い自動車の廃ガラスに着目し,これをメカノケミカル重合処理により,シリカフィラーとして再利用することを考えた.我々は最近,遊星ミルのような粉砕能力の高い粉砕機でメカノケミカル重合反応を行うことにより,水溶媒中においてポリマーが生成することを見出した.そこで,水溶媒を用いた湿式粉砕によるポリマー被覆シリカフィラーの調製について検討した.その結果,廃ガラスの表面をポリマーでコーティングされたシリカフィラーの調製に成功した.したがって,水溶媒中において廃ガラスの粉砕により,メカノケミカル重合反応の進行が確認された.また,原料の粒子径によらず,生成物の粒子径はほぼ200 nm程度であった.

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    SEM and STEM images of the products. (a) 1180-600 μm (5 h), (b) Under 75 μm (9 h) (Grinding time)
  • 作花 哲夫
    2019 年 27 巻 p. 48-52
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    微粒子の吸着により安定化されたエマルションはPickeringエマルションと呼ばれ,界面活性剤を用いることなくエマルションを安定化する手法として注目されている.微粒子による油水界面の安定化は,界面張力の変化をともなうはずであるが,微粒子吸着界面の界面張力は系統的に理解されていない.本研究では,油水界面の界面張力に対する粒子吸着の効果を明らかにすることを目的とした.粒子の効果を解析しやすいように単分散で球形の粒子を対象とした.また,界面張力の計測では,プローブが界面に接触する効果を回避するため,キャピラリー波の準弾性光散乱法を用いた.デカン/水界面の界面張力を吸着粒子の展開量の関数として測定したところ,粒子展開量とともに界面張力が減少した.その減少量は,粒子の吸着による安定化自由エネルギーや吸着した粒子間の斥力相互作用と比較して非常に大きく,複合的な効果によることが示唆された.

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    Experimental setup of quasi-elastic light scattering measurement based on optical heterodyne spectroscopy. The light scattered at the oil-water interface with a certain scattering angle is detected together with a portion of original light (local light) to give frequency shift by the scattering with capillary wave.
  • 新戸 浩幸
    2019 年 27 巻 p. 53-57
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    赤血球を用いて,種々の形態をもつだけではなく,赤血球膜上に存在する血液型糖鎖の生物学的機能をも保持した機能性ソフト粒子の創製を目指した.主な成果として,パラホルムアルデヒドによる赤血球の化学固定によって,赤血球膜に対するウシ血清アルブミンの吸着は著しく低減されるが,血液型糖鎖の認識タンパク質であるレクチンの吸着は変化しないことがわかった.

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    Scanning electron micrograph (SEM) images of chemically fixed rabbit-RBC with three different shapes: biconcave discocyte, spiculated echinocyte, and sphere, from left to right.
    Editor’s picks

  • 高井 千加
    2019 年 27 巻 p. 58-62
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ナノ粒子をポリマーマトリックスに分散させた複合フィルムの機能性を最大限発現させるためには,所望の分散性を持つ粒子を作製することが必要である.用いるポリマーマトリックスの物性に合わせた粒子表面を,あらかじめ把握するための指標として,ハンセン溶解性パラメーター(HSP)を応用することを提案した.未改質,NH2改質,CF3改質の性質の異なる表面を持つシリカ粒子のHSP値を決め,セルロースアセテートポリマーのそれと比較しNH2改質が最適と判断した.実験的にも証明でき,HSP値の有用性を示した.

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  • 長井 紀章
    2019 年 27 巻 p. 63-69
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ハイスループットスクリーニングやコンビナトリアルケミストリーに代表される効率的な新規化合物探索手法の発展に伴い,難溶性薬物の数も急激に増加している.これらの背景から,医薬品開発において,難水溶性薬物のバイオアベイラビリティ(BA)改善技術が近年非常に重要視されている.本研究では薬物結晶多形の探索とナノテクノロジーによる粒子制御を組み合わせることにより,これら課題の改善を試みた.その結果,医薬品シロスタゾール(CLZ)の結晶多形を製造することに成功し,これら結晶多形の違いがナノ結晶製剤製造時の粒度分布・安定性に関与することを見出した.また,粒子径48 nmのCLZナノ結晶粒子を主とする口腔内崩壊(OD)錠を作成し,本製剤が粉末粒子からなるOD錠に比べBAが約2倍高値であり,脳虚血治療へ有用であることを明らかとした.以上,結晶多形化とナノ結晶化技術を融合した手法を提案するとともに,ナノ結晶OD錠の応用性を示した.

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    Frequency size distribution and SPM image of CLZ/O-NPs and CLZ/R-NPs.
  • 名和 愛利香
    2019 年 27 巻 p. 70-75
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    我々の社会には,工場の稼働などによる工事振動や道路を通過する車両による交通振動などの様々な環境振動にあふれている.これらの振動エネルギーは捨てられることが多く,日常生活においては公害として扱われることも多い.このような観点から,近年,これらの環境振動を利用した科学技術が発展してきている.また,粉体層に垂直振動を与えると,振動数や振幅に固有の模様が現れる.このような粉粒体のパターン形成に関して,パターンの挙動や性質,発生メカニズムを理解するための研究は多くある.一方で,粉体層の時空間パターンを利用して生じる物質輸送など,粉粒体層上における物体の動的現象を報告した例は多くない.本研究では,様々な粒子径をもった粉粒体層を加振させ,その上に様々な構造をもつ物体を設置したときの運動を観察し,それらの結果から,粉粒体の運動と物体の運動の関連性を考え,物体の運動メカニズムを考えた.

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    The rotational motion of the line symmetry shape gear and point symmetry shape gear on the vibrating powder layer.
  • 東 顕二郎
    2019 年 27 巻 p. 76-80
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    Antisolvent法により2種の方法で,難水溶性薬物glibenclamide(GLB)及び安定化剤hypromellose(HPMC)からなる非晶質ナノ粒子を調製した.調製法Aでは,GLBを溶解させたDMSO溶液をHPMC水溶液に対して注入し,nano-A懸濁液を得た.調製法BではGLB及びHPMCを共に溶解させたDMSO溶液を蒸留水に対し注入し,nano-B懸濁液を得た.Nano-A及びnano-Bの形態はそれぞれ球形の中空粒子と非球形の中実粒子であった.Nano-Aと比較しnano-Bにおいて昇温過程中の高いGLB非晶質安定化が認められた.これはnano-B中のHPMCとGLBの混和性がnano-Aと比較して高いためと推察された.ナノ粒子中のGLB非晶質の安定性は調製法に依存したGLBとHPMCの混和性の影響を大きく受けることが示された.

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    Schematic representation of precipitation process and structure of (a) nano-A and (b) nano-B.
  • 平野 篤
    2019 年 27 巻 p. 81-86
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    カーボンナノチューブ(CNT)などのナノ材料は生体内への取り込み過程の初期段階において蛋白質によって速やかに覆われることが知られている.このようなナノ材料表面の蛋白質の吸着層は蛋白質コロナと呼ばれており,ナノ材料の生体内動態や有害性などに影響を与える.しかし,蛋白質コロナ形成過程におけるナノ材料と蛋白質の相互作用については現時点では不明な点も多い.本研究では,CNTが表面に高密度の蛋白質吸着層を形成し,かつ,吸着した蛋白質を酸化させる作用を有することを明らかにした.この酸化機構はナノ材料の生体内動態に関する基礎知見として役立つと期待される.

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    Editor’s picks

  • 藤本 敏行
    2019 年 27 巻 p. 87-93
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    エアロゾル粒子のランダムなブラウン運動を疑似乱数を用いて表現するLangevin動力学(LD)法によって粒子の軌跡を直接計算し,エアロゾルの凝集速度定数の算出を試みた.球形の空間内での複数の粒子と単一の粒子の衝突時間間隔と濃度分布を求めるMTBC法を開発し,遷移領域における凝集速度定数を計算した.無限遠での粒子濃度の補正を行って得られた凝集速度定数は,Flux Matching法(Fuchs (1964))によって得られる凝集速度関数と比較して若干小さくなり,Fuchsの行った仮定が完全には正しくないことが示唆された.また,粒子の凝集成長による粒子径分布の変化をモデル化するために,画像処理ユニット(Graphics Processing Unit)を用いて科学技術計算を行うGPGPUにより,より大規模な並列計算を行い,多数の粒子の運動を同時に計算することで,凝集速度定数を算出した.

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    Time evolution of inverse of particle number concentration due to coagulation by GPGPU calculation.
  • 不動寺 浩
    2019 年 27 巻 p. 94-100
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    バイオミメティクスのアプローチでタマムシの構造色を模倣する塗工プロセスを開発している.単分散コロイド粒子が自己集積で3次元に規則配列すると可視光のブラッグ回折によって構造色が発色する.粒子径,粒子間隔,屈折率を調整することで青から赤まで,多彩な構造色を設計できる.また,フラットな基板だけでなく凹凸や湾曲のある3次元表面にコロイド結晶薄膜の塗工が可能である.ラボレベルで80 L相当のポリスチレン懸濁液を調製し,A3スケールの対象物への塗工できることを示した.また,塗工後のサスペンションはリサイクル可能で,コロイド結晶成膜も室温付近で成膜する.有害物質を含まない汎用素材でエネルギー消費の少ない環境負荷の少ない新しい構造色の塗工技術として期待できる.課題として良好な構造色を発色するコロイド結晶の成膜に長時間が必要なため,量産プロセスに改善が必要である.

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    Coating colloidal crystal film on the non-planar surface (call as Jewel beetle coating): A) Structural colors from blue to red by changing particle size, B) Film coating on curved and surfaces
  • 松田 元秀
    2019 年 27 巻 p. 101-105
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,低温作動固体酸化物形燃料電池のカソード材として注目されているK2NiF4型層状Ni系ペロブスカイト化合物Ln2NiO4(Ln = La, Pr and Nd)の磁場配向挙動を検討し,低磁場環境下で配向電極を作製することができるプロセス技術を開発することを目指している.我々の以前の検討によれば,La2NiO4は12 Tの強磁場環境で配向化が可能であるが,1 T以下の低磁場下では配向化は観測されなかった.これに対し,種々組成制御を施した試料を用いて検討を進めた結果,たとえば以下に示すPrNdNiO4では0.9 Tの磁場環境下で配向化が可能な電極粒子を設計できることがわかった.またその磁化容易軸はc軸であることを見出した.結晶軸方向による導電性を検討した結果,ab面上でより高い導電率が得られた.これらの結果からPrNdNiO4を用いてカソードを形成する場合には,磁場を電解質表面に対して平行に印加することによってより高性能な電極作製が可能であると考えられた.

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    XRD patterns from the surfaces (a) perpendicular and (b) parallel to magnetic field applied for PrNdNiO4 bulk fabricated by slip-casting in magnetic field. For comparison, powder XRD pattern of PrNdNiO4 is shown on (c) in the figure.
  • 松田 佑
    2019 年 27 巻 p. 106-109
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    粉粒体層上に物体を落下させると,粉粒体層上にはクレーターが形成される.このクレーター形状を予測する物理モデルを得ることは難しい問題である.これは粉粒体層の運動を連続体として取り扱えないこと,また個々の粉粒体粒子の運動を解析するには粒子数が多いことに起因する.粉粒体層上に剛体球を落下させた際に形成されるクレーター径は球の衝突時の運動エネルギーの1/4乗に比例するというスケール則が知られている.粉粒体層上への液滴衝突について盛んに研究が進められているが,粉粒体層の動力学に加え,液滴の変形,飛沫化,粉粒体層への浸潤のため,剛体球の問題に比べ複雑である.本研究ではハイドロゲル球体の衝突を扱うことにより問題を単純化し,衝突物体の変形によるエネルギー散逸の効果をモデル化することを目指す.ゲル球の弾性率が増加するにつれて,どのような関係式によって剛体球におけるスケール則へ漸近していくか調査を行った.

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    Dynamics of impact on granular bed.
    Editor’s picks

  • 三野 泰志
    2019 年 27 巻 p. 110-114
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    食品や医療分野,工業プロセスの洗浄工程においてゲル粒子を迅速かつ高度に分離する技術として,膜あるいはフィルター分離が広く用いられている.従来の剛性粒子を対象とした理論を,変形性を有する粒子にそのまま適用することは困難であるため,その分離メカニズムを詳細に理解し,ゲル粒子を対象としたプロセスの設計指針を新たに構築する必要がある.本研究では,そのためのアプローチとして数値シミュレーションを用いる.ゲル粒子の膜あるいはフィルターへの付着現象を表現できる新たなモデルの開発を行った.繊維フィルターによるゲル粒子の捕獲メカニズムの解明に向けた第一歩として,単一ゲル粒子の分離膜表面への付着シミュレーションを行い,粒子の変形性が付着挙動へ及ぼす影響を明らかにした.

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    Effects of deformability on pore clogging behavior: (a) rigid particle, (b) deformable particle.
  • 山本 大吾
    2019 年 27 巻 p. 115-120
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ゲルを用いた粒子形成プロセスとして,ある電解質を含むゲルに,その電解質と沈殿を生じる電解質溶液を一方拡散させると,粒子形成に伴ってゲル中に粒子の析出帯が規則的な縞模様を描いて形成されるプロセスがあり,この現象はリーゼガング現象と呼ばれる.このプロセスでは,反応拡散という簡易な操作のみで周期的なバンドをゲル内に構築でき,また,水と寒天などのゲル材料を用いるだけで粒子が形成されるため,環境負荷が小さいと考えられる.本研究では,この手法を応用し,還元剤を含むゲルに金イオンまたは白金イオンを一方拡散させ,ゲル中に金または白金ナノ粒子を形成させることを試みた.また,ゲル中でのイオンの拡散,および粒子の形成を表現できる数理モデルを構築し,バンド形成の再現およびそのメカニズムの考察を行った.

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    Snapshots of resultant bands and TEM images of metal nanoparticles formed in agar gels.
  • 横 哲
    2019 年 27 巻 p. 121-125
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,チタン酸スズSnTiO3の合成に向けた条件の探索を行った.まず,第一原理計算により,BaTiO3およびSnTiO3の構造を検討した.ナノクラスターモデルを用いてペロブスカイト構造の計算を行い,SnTiO3はBaTiO3と同様にAサイトイオンが表面でリッチになる構造がより安定であることを明らかにした.また,SnTiO3はBaTiO3と比較しても,表面エネルギーが小さいことを明らかにし,ナノ粒子化の可能性が示された.ナノ粒子化により,準安定構造のSnTiO3が安定化する効果を考慮し,超臨界反応場での合成を検討した.BaTiO3がナノ粒子化し,Ba欠損を多く含む条件を見出し,その条件化でスズを加えて,チタン酸スズの合成を試みた.

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    Structure of A-site (Sn) surface rich SnTiO3 cluster.
    Editor’s picks

  • 吉田 克己
    2019 年 27 巻 p. 126-132
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    炭化ケイ素(SiC)やアルミナ(Al2O3)をベースとしたセラミックス基繊維強化複合材料は,次世代高信頼性耐熱材料として,航空宇宙分野や環境・エネルギー分野での適用が期待されている.セラミックス基繊維強化複合材料において繊維/マトリックス界面は,優れた機械的特性を発現するために,極めて重要な役割を担っており,直径10 μm程度のセラミックス繊維表面に,数十~数百nmの最適な界面層を形成し,界面制御することが重要である.本研究では,電気泳動堆積(EPD)法を用いたセラミックス繊維表面(ミクロ基材)への数十~数百nmのナノスケール被覆層(界面層)の革新的形成プロセスの構築を目的とし,EPD法による導電性SiC繊維及び低導電性SiC繊維表面へのカーボン被覆層及び六方晶窒化ホウ素被覆層の形成プロセスについて検討した.

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    SEM micrographs of the surface of (a) as-received SiC fiber and carbon-coated SiC fiber by EPD using (b) 0.1 wt%, (c) 0.2 wt% and (c) 0.3 wt% colloidal graphite suspension.
  • 渡邉 哲
    2019 年 27 巻 p. 133-137
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/05/25
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,金属有機構造体(Metal-Organic Framework; MOF)の吸着材としての実用展開を見据えて,球状集合体への自己集積プロセスの構築と得られた集合体の構造と吸着特性の評価を試みた.メタノールと水の混合溶媒に分散させたMOF粒子を,マイクロ流路内でフッ素系油と合流させることで,連続的に懸濁液滴を形成・乾燥させることで,MOF粒子の集合体を作製した.集積過程においては,混合溶媒の体積比が1 : 1のとき液滴の安定性とMOF粒子の分散安定性が両立し,球状集積体が得られることを見出した.集積体は,空隙率がおおよそ0.3程度と最密充填に近い構造を形成していた.集積体の吸着量は粉体の場合よりも小さくなったが,それらを充填した場合の吸着速度は,集積体の方が大きいことを見出した.

    Graphical Abstract Fullsize Image
    Schematic of experimental setup.
平成30年度 研究者育成のための援助成果報告
平成30年度 シンポジウム等の開催援助成果報告
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