露地条件下において,ハナショウブの開花調節の方法を開発する目的で,ジベレリンA
3およびジベレリン生合成阻害剤が開花に及ぼす影響を調査した.
1.中生品種‘千早城’の第1花の開花は,4月中旬にGA
3を250 ppmの濃度で葉面散布処理することで,4日促進された.また5月上旬にウニコナゾールPを25 ppmの濃度で葉面散布処理することにより,第2花の開花が7日遅延したが,花茎の伸長も著しく抑制された.品質を低下させないためには,10 ppm処理が望ましいと思われる.この場合,第2花において4日開花が遅延した.
2.GA
3およびウニコナゾールPの開花期に及ぼす影響について品種間差異を調査したところ,品種による差が認められた.GA
3処理区では第1花の平均開花日が極早生品種の‘八ヶ岳’では差が認められなかったのに対して,中生品種の‘千早城’では3日開花が促進された.ウニコナゾールP処理区では第2花の平均開花日が極早生品種の‘八ヶ岳’では差が認められなかったのに対して,晩生品種の‘舞扇’では3日遅延した.
3.パクロブトラゾール処理区とウニコナゾールPの25 ppm処理区では,開花と花茎の伸長を抑制した.これに対し,クロルメコート処理は開花を遅延させるものの,花茎の伸長に及ぼす影響は低かった.
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