園芸学研究
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11 巻 , 3 号
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原著論文
育種・遺伝資源
  • 田中 義弘, 桑鶴 紀充, 永田 茂穂
    2012 年 11 巻 3 号 p. 295-300
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ‘桜島ダイコン’の根形は,その大きさとともに他品種と大きく異なる重要形質の一つである.そこで,扁球の品種を効率的に育成するために,根形に関する形質の遺伝様式を明らかにした.自然受粉系統から自殖により固定した根形の異なる8近交系統を親に用い,片側ダイアレル分析を行った.根形に関わる形質として根長および根径を測定し,また,画像解析ソフトSHAPEを用い,楕円フーリエ記述子に基づいて形状情報を定量化し,主成分分析を行った.その結果,第1主成分(PC1)は根径/根長比を主に表し,第2主成分(PC2)は,肩張りおよび尻づまりの程度を主に表した.片側ダイアレル分析の結果から,根長は広義および狭義の遺伝率が高く,不完全優性の形質と推定された.根径およびPC1は,広義の遺伝率が高くて狭義の遺伝率が低く,根径は超優性,PC1は完全優性から超優性の形質と推定された.また,PC2も超優性の形質と推定されたが,他の形質に比べて広義および狭義の遺伝率が低かったことから,環境に影響されやすい形質であると考えられた.これら4形質の優性遺伝子は,それぞれ根長を長くする方向に,根径を大きくする方向に,根形を扁球にする方向に,および先尖りの逆円錐形になる方向に作用した.従って,F1育種により典型的な根形である扁球の品種を育成するためには,根径および扁球に関する優性遺伝子を両親系統のいずれかに持たせ,さらに,尻づまりを向上させる劣性遺伝子を両親系統に集積することが有効であると考えられた.
  • 森下 昌三, 本城 正憲, 濱野 恵, 山崎 浩道, 矢野 孝喜
    2012 年 11 巻 3 号 p. 301-307
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    長日検定(24時間日長)により,四季成り性の判別と四季成り性の遺伝様式を解析した.四季成り性と一季成り性は,長日検定により高い精度で判別が可能であった.四季成り性の遺伝は,長日検定において単因子優性遺伝子支配であることが示された.供試した四季成り性品種の四季成り性の遺伝子型はいずれもヘテロ接合型であり,EB型とDN型の四季成り性遺伝子は同一座の遺伝子であると推測された.四季成り性実生個体は,一季成り性実生個体に比べて有意に葉身が短く,葉柄径が小さかった.四季成り性実生個体間には,第1花房の着生節位および頂花の開花日に幅広い変異が存在した.四季成り性品種と一季成り性品種のF1は,四季成り性品種間のF1に比べて四季成り性個体の第1花房の着生節位が高く,頂花の開花日が遅い傾向があった.親子回帰により推定した2か年の第1花房頂花の開花日の遺伝力は,0.275と0.498であった.
  • 古谷 規行, 野村 知未, 大谷 貴美子, 松井 元子
    2012 年 11 巻 3 号 p. 309-314
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    丹波黒大豆の新品種育成時における選抜指標データを収集するために,‘紫ずきん2号’,‘紫ずきん’および‘新丹波黒’のエダマメとしての品質を化学・物理的特性分析により評価した.さらに,これらの特性データを25名のパネラーによる食味官能試験のデータと比較・検討した.その結果,食味は化学成分含量の増加とともに向上することが明らかになり,甘味についてはスクロースとマルトース含量を,また,旨味についてはグルタミン酸とアスパラギン酸含量がそれぞれ指標として利用できることがわかった.さらに,物性データを食感指標として利用できることもわかり,軟らかさは破断荷重値で,また,粘性はM値でそれぞれ評価できることが明らかになった.化学・物理的データから,甘味と旨味が強く食感が柔らかいと評価された‘新丹波黒’の官能試験評点は,3品種の中で最も高かった.本研究で確立した丹波黒大豆のエダマメ食味・食感指標を育種の選抜マーカーとして利用することにより,良食味を有する新品種が効率的に育成できると考えられる.
  • 村上 覚, 神谷 健太, 鎌田 憲昭, 山田 晋也
    2012 年 11 巻 3 号 p. 315-320
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ニホンスモモとウメの種間雑種‘李梅’の安定生産に向けた知見を得るため,‘李梅’のS-haplotypeおよび受粉品種について検討した.‘李梅’のS-haplotypeを分析した結果,‘李梅’のS-RNase遺伝子はサイモンスモモおよびウメからそれぞれ由来している可能性が高いと考えられた.サイモンスモモはニホンスモモの近縁種で,ニホンスモモと交雑和合性がある.これらのことから,‘李梅’はウメだけではなくニホンスモモに対しても,S-haplotypeに関わらず,交雑和合性がある可能性が示唆された.実際にウメ,ニホンスモモ,アンズおよびモモ花粉を用い,‘李梅’に人工受粉を行うとウメ,ニホンスモモおよびアンズ花粉では交雑和合性が確認された.特にウメ‘宮口小梅’,アンズ‘平和’は花粉量が多く,花粉稔性が高いうえに,‘李梅’と高い交雑和合性を示したので,人工受粉の花粉親として優れていると考えられた.このため,‘李梅’においてはこれらの花粉を用いて人工受粉を行うことで,安定的に収量が確保できる可能性が示唆された.
繁殖・育苗
  • 鶴田 燃海, 王 成, 向井 譲
    2012 年 11 巻 3 号 p. 321-325
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ソメイヨシノは日本のサクラを代表する園芸品種の一つで,自家不和合を示すことが知られている.本研究は,自家不和合性や花粉親による交雑親和性の違いがどの時期に起こるのかを明らかにすることを目的とし,ソメイヨシノを種子親とした人工交配実験を行い,花粉管伸長および結実の特性を交配処理ごとに調べた.自家花粉管は,授粉から10日経っても花柱の基部に到達しておらず,ソメイヨシノにおいて見られる自家不和合性は,花柱での花粉管伸長抑制による結果であることが確認された.このとき自家授粉処理による果実は,授粉から20日後までにすべて落下した.一方他家花粉管は,授粉後3日にはほとんどが花柱の基部まで達しており,また授粉から10日後における花粉管が花柱基部に到達している花柱の割合には,花粉親による違いは見られなかった.花粉親の違いが見られたのは,授粉からおよそ20日後の,生存果実の割合においてであった.授粉から20日以降,他家授粉による果実はほとんど落下せず,授粉からおよそ50日の6月上旬にほぼすべての果実が黒く成熟した.
土壌管理・施肥・灌水
  • 岩崎 光徳, 深町 浩, 今井 篤, 平岡 潔志, 奥田 均
    2012 年 11 巻 3 号 p. 327-335
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    これまで我々は,TDR計を用いた枝内水分(Rrev)の測定方法の開発を行ってきた.しかし,水分ストレスを付与したときのRrevと果実品質の関係は明らかでない.そこで,ウンシュウミカンおよび‘不知火’を用いてそれらの関係を明らかにし,併せて水分ストレスに対する果実品質の影響を時期別に検証した.その結果,ウンシュウミカンにおいて,Rrevの積算水分ストレス()と7~9月の増糖量および肥大量との間に相関がみられた.また,‘不知火’のは,8~9月の増糖量および肥大量との間に高い相関があった.は,葉内最大水ポテンシャルの積算水分ストレス()とほぼ同程度の精度であったことから,水管理に有用な技術であることが確認された.また,ウンシュウミカンの果実品質に対する水分ストレスの影響については,果実の発育期間全般にわたりストレスが増糖および肥大の低下に影響することが認められ,減酸の遅延は9月以降におけるストレスの影響が大きいことが明らかになった.また,‘不知火’については,8~9月の水分ストレスで増糖効果が高く,秋季の水分ストレスは減酸を遅延させ,果実肥大期の水分ストレスは肥大を低下させることが明らかになった.
栽培管理・作型
  • 森山 友幸, 伏原 肇, 奥 幸一郎
    2012 年 11 巻 3 号 p. 337-341
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ナスの局所加温の加温部位および加温時間帯が主枝,側枝,根の成長および蒸散,光合成に及ぼす影響を検討した.株元加温により,側枝の発生および成長が旺盛になり,第1花の開花日が早くなった.株元加温および根域加温により個葉の蒸散速度および光合成速度が向上し,培養液の給液量が多くなった.しかし,加温部位による生育の様相は異なり,株元加温では側枝,根域加温では主枝および根の成長が旺盛になった.また,株元加温による側枝の成長は,加温時間が長くなるほど促進されたが,加温時間帯には影響されないことが明らかとなった.
  • 工藤 陽史, 山口 茂, 福田 直子, 菊池 竜也, 佐渡 旭, 深井 誠一
    2012 年 11 巻 3 号 p. 343-349
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる.西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した.夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種‘ボレロホワイト’を定植~切り花収穫まで栽培した.昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した.定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった.また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた.これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった.さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80 cm以上,切り花重40 g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった.
  • 真野 隆司, 水田 泰徳, 伊東 明子, 磯部 武志, 細見 彰洋, 森口 卓哉
    2012 年 11 巻 3 号 p. 351-356
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    イチジク(Ficus carica L.‘桝井ドーフィン’)の主枝高が凍害の発生と生育,収量および果実品質に及ぼす影響について検討するため,主枝高が1.8 mで結果枝を水平に誘引した一文字整枝樹を供試し,主枝高0.6 mで結果枝を垂直に誘引した従来の一文字整枝樹と比較した.その結果,従来の主枝高0.6 mの一文字整枝樹は,凍害によって2年連続で地上部が枯死したが,主枝高を1.8 mとした区では,凍害による枯死樹は発生しなかった.また,凍害発生前の比較では,収量は少ないが果実品質は良好であった.主枝高が高い場合,早朝の冷え込みが緩和されるとともに,日中の日射による樹体温の温度上昇も少ないことが,枯死樹が発生しない要因として示唆された.
  • 池浦 博美, 徳田 貴彦, 早田 保義
    2012 年 11 巻 3 号 p. 357-361
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    栽培温度の違いがズッキーニの雌花形成に及ぼす影響を,自然光型人工気象装置を用いて調査した.夜温処理区における最大葉長および雌花数は,全処理区で同水準の増加を示し有意差はなかったが,総花数は夜温が上がるにつれ増加した.その結果,雌花率は低夜温(10℃)区および中夜温区(20℃)に比べて高夜温区(30℃)で有意に低下し,低・中夜温区ではほとんど差はなかった.開花率は低夜温区で最も高く,続いて中夜温区となり,高夜温区では全く開花しなかった.着果率は低夜温区および中夜温区では有意な差でなかったものの,中夜温で高まる傾向を示した.高夜温区では雌花の開花が認められず,着果率は0%であった.昼温処理区における最大葉長は,低(20℃)および中昼温区(25℃)に比べて高昼温区(35℃)で短くなった.総花数は,中昼温区および高昼温区で有意に増加したが,雌花数および雌花率は全処理区間で有意差は認められなかった.これらの結果から,ズッキーニの雌花形成に及ぼす栽培温度の影響は,夜温30℃では雌花率の低下と雌花の開花を著しく抑制すること,昼温は雌花形成に大きな影響を与えないことが判明した.
  • 工藤 陽史, 山口 茂, 佐渡 旭, 栗山 孝浩, 深井 誠一
    2012 年 11 巻 3 号 p. 363-369
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    発蕾期以降が短日期となる熊本県のトルコギキョウ冬出し栽培において,開花と花蕾のブラスチングおよび茎伸長に及ぼす電照の影響を検討した.実験1では,‘ロジーナローズピンク’と‘ピッコローサスノー’を供試し,白熱電球を用いた暗期中断の影響を定植直後から検討した.その結果,主茎頂花の発達が促進されるとともに,自然日長よりブラスチングの発生が減少した.実験2では,‘ボレロホワイト’を供試し,2次小花と3次小花を調査対象として,白熱電球と蛍光灯を用いた明期延長(20時間日長)の影響を主茎頂花の発蕾期以降に検討した.また,2次小花の花芽形成期および花芽成熟期に,白熱電球による明期延長処理を行った.その結果,主茎頂花の発蕾期以降の白熱電球による明期延長によって,2次小花の開花時期は影響を受けなかったが,ブラスチングの発生は減少し,切り花長は長くなった.また,3次花柄長は花芽形成期の電照で短く,花芽成熟期の電照で長くなった.以上より,白熱電球を用いた明期延長でブラスチングの発生が減少し,商品花蕾数を増加できることが明らかとなった.
収穫後の貯蔵・流通
  • 大江 孝明, 櫻井 直樹, 山崎 哲弘, 奥井 弥生, 石原 紀恵, 岡室 美絵子, 中西 慶, 土田 靖久, 細平 正人
    2012 年 11 巻 3 号 p. 371-378
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ウメ‘南高’果実の着果位置の違いが梅酒加工品の品質に及ぼす影響について,4年間調査した.梅酒中のクエン酸およびソルビトール含量は,原料果実の収穫時期が遅いほど多くなる傾向を示し,樹冠内層および樹冠外層の青果収穫開始期に収穫した果実を用いた梅酒で比較すると,差はなかった.一方,ポリフェノール含量および抗酸化能は,樹冠内層の果実では,原料果実の収穫時期が遅いほど多くなる傾向を示し,樹冠内層および樹冠外層の青果収穫開始期に収穫した果実を用いた梅酒で比較すると,内層の果実を用いた梅酒で優れる傾向であった.苦みを示すプルナシンと青っぽい香気成分の安息香酸エチルの含量は,原料果実の収穫時期が遅いほど少なくなる傾向を示し,樹冠内層および樹冠外層の青果収穫開始期に収穫した果実を用いた梅酒で比較すると,差はなかった.γ-デカラクトン,δ-デカラクトンおよび酪酸エチルといった芳香香気成分は,黄熟期では内層の果実を用いた梅酒で少ない傾向であった.これらの結果は,内層果実の収穫時期を7日程度遅らせることが,製造された梅酒のいくつかの機能性成分や苦み成分を外層の果実を用いた梅酒と同等にし,ポリフェノール含量および抗酸化能を向上させることを示し,黄熟期の果実を用いてフルーティーな梅酒を作る場合では,樹冠内層の果実を用いた場合は芳香香気が少ない梅酒となることを示している.
  • 野中 大樹, 松島 憲一, 南 峰夫, 根本 和洋, 濵渦 康範
    2012 年 11 巻 3 号 p. 379-385
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    長野県在来トウガラシ品種‘ぼたんこしょう’の貯蔵中のアスコルビン酸・グルタミン酸・糖類含量などの変化について小型反射式光度計RQフレックスを用いて調査した.対照として用いたピーマン‘京波’と比較すると,フルクトースを除くいずれの成分も既報測定値と同等となったため,妥当な測定値が得られていると考えられた.‘ぼたんこしょう’の緑色果実の各成分の測定値はピーマンに比べて高かったが,グルコースとBrixは同等であった.また,緑色果実よりも赤色果実の各成分含量が高かった.ほとんどの成分は,貯蔵期間が長くなるに従い含量が減少する傾向にあり,その減衰は4℃よりも23℃で大きくなった.この中で,アスコルビン酸含量とグルコースおよびフルクトース総含量は貯蔵7日後までに,グルコース含量とBrix値は貯蔵7~20日の間に大きく減少する傾向を示した.
  • 市ノ木山 浩道, 前川 哲男, 後藤 正和
    2012 年 11 巻 3 号 p. 387-391
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    香酸カンキツ‘新姫’,タチバナ(C. tachibana Tanaka),シィクワーサー(C. depressa Hayata)成熟果実のフラボノイド含量をフラベド,アルベド,維管束,じょうのう膜,砂じょうおよび種子に分別して比較検討した.フラボノイドは高速液体クロマトグラフ法に従って分離同定し,エリオシトリン,ナリルチン,ヘスペリジン,ネオポンシリン,シネセチン,ノビレチン,タンゲレチンを分析定量した.その結果,7種類のフラボノイド成分の含量は,種・品種間および部位間で有意差が認められた.‘新姫’は,シィクワーサーとタチバナよりもエリオシトリン,ナリルチン,ネオポンシリン,シネセチンの各含量が高かった.また,7種類のフラボノイド含量の総和は,タチバナより高かった.一方,ノビレチン含量はシィクワーサーの65%と有意に低く,タチバナと同程度であった.タンゲレチン含量は,タチバナとシィクワーサーのそれぞれ30%,24%と有意に低かった.‘新姫’果実の部位別のフラボノイド含有量は,エリオシトリン,シネセチン,ノビレチンおよびタンゲレチンがフラベドで最も高く,ナリルチンとネオポンシリンが維管束で最も高く,ヘスペリジンが維管束とアルベドで最も高かった.
作物保護
  • 小川 晃一郎, 森 太郎, 松崎 弘美, 松添 直隆
    2012 年 11 巻 3 号 p. 393-398
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    青枯病菌の非病原性株(PC株)を罹病性ナスに接種すると,青枯病の発病が抑制される.本研究では,防除効果の高いPC株の選抜のために,簡易検定法を検定植物の生育ステージに着目して検討した.種子および1葉齢の幼苗にPC株を接種し,その後3~4葉齢に育苗した罹病性ナスの青枯病発病抑制効果を検討した結果,1葉齢接種区のみ防除効果が認められた.より簡易的な検定法として,PC株を接種した1葉齢の幼苗を病原性株汚染土壌に移植する方法においても,防除効果が認められた.この簡易接種法を用いて,青枯病菌10系統より得られたPC株が青枯病防除効果に及ぼす影響を調査した.その結果,防除効果の高いPC株を4菌株選抜した.
  • 小川 晃一郎, 森 太郎, 松崎 弘美, 松添 直隆
    2012 年 11 巻 3 号 p. 399-403
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    青枯病菌の非病原性株(PC(phenotypic conversion)株)を罹病性ナスに接種することにより,青枯病の発病が抑制される.本研究では,PC株の定着と青枯病発病抑制効果との関係を調査した.PC株を根および1葉の葉柄に接種した結果,PC株を接種した部位に病原性株を接種すると発病が抑制された.また,PC株を5葉の葉柄から接種すると,PC株接種部位およびその下方の部位で病原性株による発病が抑制された.発病が抑制された個体では,確実なPC株の定着が見られ,PC株の定着が青枯病発病抑制効果の重要な要因であることが示唆された.
新技術
  • 藤島 宏之, 松田 和也, 牛島 孝策, 矢羽田 第二郎, 白石 美樹夫, 千々和 浩幸
    2012 年 11 巻 3 号 p. 405-410
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    同一着果条件下において,ブドウ‘巨峰’のジベレリン処理果実(無核果実)とジベレリン無処理果実(有核果実)の品質の差異について調査した.無核果実は着色開始が早いものの,その後の着色の進行や糖度の上昇程度,酸含量の減少程度は,有核果実の方が優れる傾向にあった.収穫期では,果皮色は年次により変動したが,糖度は無核果実で低かった.同一新梢内では,無核果実で果粒重が軽くなり果皮色や糖度が低下した.同一花穂内では,無核果実で果皮色が劣った.有核,無核にかかわらず,果皮色,糖度とも果房重が重いほど低下し,特に無核果実では糖度の低下が顕著であった.
新品種
  • 南山 泰宏, 古谷 規行, 稲葉 幸司, 浅井 信一, 中澤 尚
    2012 年 11 巻 3 号 p. 411-416
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    京都府特産野菜のひとつである舞鶴市在来の甘トウガラシ‘万願寺’では,栽培環境によって,時折,辛味果実が発生して問題になっている.これまでの遺伝解析研究において,生食用のピーマン品種では,単一の劣性遺伝子により辛味果実が全く発生しないことが明らかにされている.本研究では,新品種‘京都万願寺2号’の育成過程で得られた戻し交雑世代を用い,この遺伝子座に連鎖したDNAマーカー(SCY-800)の開発を行った.また,各戻し交雑世代を本DNAマーカーで選抜したところ,在来品種‘万願寺’の主要特性を残しながら,辛味果実が全く発生しない優良個体が得られて新品種の完成に繋がった.先行して育成された‘京都万願寺1号’と各形質を比較すると,新品種は低温期のアントシアニン着色果実の発生が少なく,辛味のない長果を産することが判明した.以上より,新品種はこれまでの品種にない優良形質を有しており,今後の生産現場への普及に期待がもたれる.
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