本研究は異なる酸素透過率のポリプロピレンフィルムが‘越さやか’果実の追熟に及ぼす影響を調査した.収穫適期に収穫した果実を酸素透過率の異なるフィルム(2,500~100,000 mL・m
−2・24 hr
−1・atm
−1)に個々に包装し,それらの果実を20°Cのインキュベーター内で追熟させた場合,果実の正常な追熟が抑制された.一方,収穫適期に収穫した果実を0~1°Cで14日間の低温処理し,酸素透過率の異なるフィルム(20,000~200,000 mL・m
−2・24 hr
−1・atm
−1)に個々に包装した場合,それらの果実は20°Cの追熟中に軟化した.その時,高酸素透過率(200,000 mL・m
−2・24 hr
−1・atm
−1)のフィルム内のガス組成は大気とほぼ同レベルであった.追熟中の果実の水分消失がフィルム包装によって抑制され,外観品質が向上した.
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