冬期寡日射条件下において,ホウレンソウとコマツナの糖およびビタミンC含量と栽培期間中の最高,最低および平均気温との相関関係を解析した結果,両作物の上記成分含量は収穫前10日間の最低ないしは平均気温の影響を大きく受けることが明らかになった.
両作物ともに収穫前10日間の平均最低気温が5~20℃の範囲では糖含量が1 g・100 g
−1FW以下,ビタミンC含量が50~70 mg・100 g
−1FW以下で低いが,これに対して5℃以下の範囲では両作物の上記成分含量が直線的に上昇した.例えば,平均最低気温が5℃から−5℃に低下すると,両作物葉身の糖含量は約1 g・100 g
−1FWから約5 g・100 g
−1FWに直線的に上昇した.また,平均最低気温が5℃から−5℃に低下すると,両作物葉身のビタミンC含量は50~70 mg・100 g
−1FWから約175 mg・100 g
−1FWに直線的に上昇した.このことから,収穫前10日間の最低気温を−5℃程度で管理すると,糖とビタミンC含量の高いホウレンソウとコマツナを生産することができると考えられた.
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