アカハライモリ舌腺の分泌物質の性状を知るために,組織化学的染色法(蛋白質:ナフトール黄S,ニンヒドリンーシッフ反応,多糖類:過ヨウ素酸-シッフ反応,アリューシァン青(PH2.5),脂質:ズダンIII,IV,オイル赤0)を施した。イモリ舌腺は,主に単一分岐管状腺であり,腺体部はもとより,開口部近くの腺頸部にも腺細胞が認められる。腺体部の腺細胞は,主に,中性多糖類(PAS陽性),および,蛋白質を含有しており,アリューシャン青にも弱染され,少量だが酸性多糖類を産生している。腺頸部の腺細胞と舌粘膜上皮に点在している杯状細胞は,中性および酸性多糖類を多量に含有しており,少なくとも今回用いた染色法では蛋白質は検出されなかった。脂質は,これらの腺細胞には含まれていない。
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