目的:人生の最終段階と説明を受けた患者の家族などの代理意思決定者の葛藤について、代理意思決定者へのインタビュー内容から明らかにすることを目的とする。 方法:対象者はA病院で死亡し、かつ人生最終段階と説明を受けた患者の家族などの代理意思決定者とした。112名に研究協力依頼書を郵送し、返書があり説明後に同意の得られた11名にインタビューを実施した。インタビュー内容は、代理意思決定者の葛藤に関することとした。分析方法は代理意思決定者の葛藤に関する文脈を抽出し、意味内容の類似性から抽象度を上げサブカテゴリ化、カテゴリ化をした。なお、インタビューした11名のうち5名はインタビューの過程で患者による意思決定が明らかとなったため、6名について分析した。 結果:12の代表発言内容は5サブカテゴリに整理され、≪本人の意思が分からないなかで本人の命を決めることへの葛藤がある≫≪あえて本心を聞いてこなかったなかで自分が決めて良いのか悩む≫から【自分が決めてよいのか悩む】、≪どのような選択をしても悔いが残る≫≪一度選択しても、また気持ちが揺れる≫≪本人の状況が変化するたびに悩む≫から【どのような選択をしても葛藤する】の2カテゴリに整理された。 結論:代理意思決定者は、自分が決めることへの葛藤とともに、どのような選択をしても引き続き葛藤する状況に置かれていた。代理意思決定者が置かれる状況を理解し支えることが重要と考える。
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