関西学院大学先端社会研究所紀要
Online ISSN : 2434-4613
Print ISSN : 1883-7042
8 巻
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論文
  • -樺太・台湾・朝鮮・満洲への旅程-
    荒山 正彦
    2012 年 8 巻 p. 1-17
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/15
    ジャーナル フリー
    本稿は、1920年から1940年までの20年間にわたり、ほぼ毎年の増補改訂により発行が重ねられた『旅程と費用概算』(ジャパン・ツーリスト・ビューロー編)を研究対象として、その書誌的整理をすすめるとともに、戦前期の外地/植民地(樺太、台湾、朝鮮、満洲など)への旅程が、同書の中にどのように描かれたかについて整理し、分析するものである。『旅程と費用概算』は、東京などを起点とした旅行のモデルルートと、その旅程にかかる費用の概算、そして各旅程地の旅行案内が記されたもので、戦前期の日本を代表する旅行案内書であったと考えられる。そこに描かれた具体的な旅程は、東京近郊への日帰りや1泊2日の旅行から、北海道や九州を10日間から2週間かけて周遊するもの、さらには台湾や朝鮮、満洲などを周遊する旅程まで、さまざまである。これらの「旅程」を整理することで、近代期におけるツーリズム空間の実態を明らかにすることが可能であると考える。本稿ではそうした視点から、1931年版の『旅程と費用概算』を任意にとりあげ、北海道・樺太、台湾、朝鮮半島、そして満洲への旅程を具体的に検討した。
  • 李 永祥, 林 梅
    2012 年 8 巻 p. 19-42
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/15
    ジャーナル フリー
    本稿では、中国西南少数民族地域における持続可能な発展について、環境の安全性をめぐる郷村発展と国家権力の関係をもとに議論することを目的にした。主に、国家権力による郷村発展に対する関心事、村民に対するサービス、地方の郷村発展に対する評価などと、環境問題と関連する持続可能な発展、環境の安全、そして資源管理と分配といった問題を中心に検討するために、中国雲南省新平イ族タイ族自治県水塘鎮の大規模地滑りによる土石流に注目した。水塘鎮におけるタイ族村、漢族村、イ族村を調査対象にして、土石流による災害状況と災害後の対応を詳細に考察し、紅河流域の郷村発展、環境変化、国家権力及び民族関係について論じた本稿の考察・分析は、少数民族地域にお ける和諧社会の構築を反映する縮図となっている。その結果、土石流による地質災害と、それらによる人類の生活に対する影響を明らかにし、郷村政策、環境安全および経済発展を総合的研究の範疇に入れた持続可能な発展の論理問題を考えなければならないことを明確にした。
研究ノート
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