IATSS Review(国際交通安全学会誌)
Online ISSN : 2433-4537
Print ISSN : 0386-1104
最新号
人間の可能性が拓くモビリティ社会
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論壇
特集:人間の可能性が拓くモビリティ社会
特集にあたって
論説
  • -能動的な交通社会の担い手として-
    芦田 明美, 北村 友人
    原稿種別: 論説
    2026 年50 巻3 号 p. 186-195
    発行日: 2026/02/28
    公開日: 2026/02/27
    ジャーナル フリー

    未来のモビリティ社会の実現にあたっては、技術革新だけでなく、技術に対する人々の行動変容と社会的な受容が不可欠である。本稿は、「共に移動する」時代に求められる新しいリテラシーとして社会情動的スキルに着目し、教育学の視点から技術と人、そして社会の関係について学術的な議論を踏まえて考察する。複雑化する社会システムにおいて、協調的かつ倫理的な行動の基盤となる能力である社会情動的スキルの意義を示した上で、未来のモビリティ社会を能動的に担う若者の能力と意識の育成の可能性について検討する。

論説
  • -ウェルビーイングを支える移動支援の展望-
    山本 保天
    原稿種別: 論説
    2026 年50 巻3 号 p. 196-202
    発行日: 2026/02/28
    公開日: 2026/02/27
    ジャーナル フリー

    本稿では、高齢者ドライバーを「リスク要因」として一律に見なすのではなく、加齢に伴う変化に適応し学習を続ける主体として捉え直す視点の重要性を論じた。まず若者との比較から高齢者特有の経験資源を整理し、視覚・聴覚・運動・認知機能や薬剤など、医学的要因の影響を概観した。さらに、自動車運転が高齢者のウェルビーイングを支える役割と、日本の現行制度の限界を示し、PDO(Property Damage Only:物損事故)歴を早期介入の契機とする可能性を提示した。最後に、運転継続支援と移動支援を統合した社会実装の方向性を展望した。

論説
  • -多様な人のwell-beingを支えるモビリティ社会のために-
    大須賀 美恵子
    原稿種別: 論説
    2026 年50 巻3 号 p. 203-211
    発行日: 2026/02/28
    公開日: 2026/02/27
    ジャーナル フリー

    モビリティ社会における「人を測る技術」は、従来のリスク低減にとどまらず、多様な人の特性や状態に応じた支援と協調を実現する基盤として重要である。本稿では、人を「特性・状態・反応」の図式で捉え、主観・生体反応・行動の三側面から測定する方法を整理し、指標間の乖離と解釈上の注意点を示した。さらに、人を複雑なシステムとして捉え、多次元評価の必要性を述べ、実験室から実場面までの段階に応じた手法選択、低負担計測技術、倫理的配慮と受容性向上の課題を論じた。AIやXRの進展によりモビリティの概念が拡張される将来においても、人を測る技術は多様な人の可能性を引き出し、well-beingの向上に寄与する重要な手段の一つとして期待される。

紹介
  • 笹渕 洋治, 岩下 龍司, 大橋 智昭, 西野 智子, 木俣 亮人, 岩佐 達也, 石原 美穂, 安井 裕司
    2026 年50 巻3 号 p. 212-221
    発行日: 2026/02/28
    公開日: 2026/02/27
    ジャーナル フリー

    全世界で年間約119万人が交通事故で命を落としている現状に対し、本田技研工業株式会社は「モビリティの性能」「交通エコシステム」「人の能力」という3つの安全要素を軸に、包括的な対策を進めている。なかでも、交通安全の根幹は“人”にあると考えており、運転技術や認知・判断能力の向上はもちろん、周囲への思いやりといった「心」の部分も重要な要素である。本稿では、こうした考えの下、“交通事故死者ゼロ”とその先にある“安全・安心が担保され、誰もが意のままに出かけられる社会”の実現を目指して取り組んでいるCI運転支援、状態健全化、安全・安心ネットワーク技術、安全運転コーチングといった技術を中心に紹介する。

論説
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