IATSS Review(国際交通安全学会誌)
Online ISSN : 2433-4537
Print ISSN : 0386-1104
最新号
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論壇
特集/大阪・関西万博2025―社会インフラと未来都市のビジョン―
特集にあたって
報告
論説
  • ― 日本館が示す未来社会のビジョン ―
    塩瀬 隆之
    2026 年51 巻1 号 p. 13-20
    発行日: 2026/06/30
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル フリー

    2025年大阪・関西万博日本館は、コロナ禍で再認識された「いのち」と「つながり」を軸に、循環・共生・継承を体験的に示した。「いのちと、いのちの、あいだに」という理念の下、微生物や藻類、カーボンリサイクルを用いた展示は、自然・文化・技術を結び直す未来社会像を提示した。技術を関係性の実践として再定義し、地域循環や分散型エネルギーを基盤とする安全で包摂的な未来都市への指針として万博の意義を位置づけている。

報告
  • 大阪府・大阪市万博推進局 整備調整部
    2026 年51 巻1 号 p. 21-29
    発行日: 2026/06/30
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル フリー

    大阪・関西万博では、万博来場者の安全・円滑な移動の実現と大阪・関西圏の社会経済活動を支える人流・物流への影響の最小化を目的に、「大阪・関西万博来場者輸送具体方針」が策定された。

    同方針において、来場者の輸送需要平準化対策や輸送供給拡大対策、輸送円滑化対策の方針が定められたが、これらの対策を実施しても、交通における課題が解消されないことから、一般交通の抑制、分散、平準化を目的とした「万博TDM」の取り組みが位置付けられた。

    万博TDMは、万博開催期間が6カ月に及ぶことを念頭に、企業や府民・市民等の協力が得られるよう、大阪府・大阪市・博覧会協会・経済団体等が連携・協力して検討・実施したものである。

報告
論説
  • 課題と教訓
    多々納 裕一
    2026 年51 巻1 号 p. 38-46
    発行日: 2026/06/30
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル フリー

    来場者数約2,900万人に達した2025年大阪・関西万博の防災・警備計画の策定と運用の実態を分析し、大規模イベントの危機管理への教訓を提示する。人工島という地理的制約下で策定された防災計画に基づき、会期中の津波注意報や鉄道障害への対応事例を検証した。その結果、関係機関との「危機の認識」の共有に課題があり、認識の齟齬が雑踏事故等のリスクに発展する可能性があったことが浮き彫りとなった。今後の大規模イベントの開催に向け、緊密な情報共有と状況認識を可能にする強固な連携体制の構築が不可欠であることを論じる。

報告
  • 大阪・関西万博の経験から
    稲田 義久
    2026 年51 巻1 号 p. 47-52
    発行日: 2026/06/30
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル フリー

    大阪・関西万博の経済波及効果は、(1)万博関連事業費からくる効果と、(2)万博会場に来場した消費者がもたらした来場者消費の効果に分かれる。本稿では、APIR 関西地域間産業連関表を用いて、(2)の来場者消費から発生する経済波及効果を検証する。その際、地域活性化の観点から大阪・関西万博が各府県にどの程度経済波及効果をもたらしたか、その経済波及効果に外国人(インバウンド)はどのように寄与したかを明らかにする。検証結果によれば、来場者数は想定を下回ったものの、来場者1人あたりの消費単価が買い物代を中心に想定を上回った。結果、今回の万博は事前の経済波及効果の想定を上回ったことから、その一層の取り込みに成功した。ただ、経済波及効果が大阪府や京都府に集中しており、広域観光の展開については課題が残ったといえよう。

論説
  • ― ベイエリア軸と東西軸の再活性化に向けて ―
    橋爪 紳也
    2026 年51 巻1 号 p. 53-59
    発行日: 2026/06/30
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル フリー

    「いのち輝く未来社会」をテーマに開催された大阪・関西万博は、一定の成功をみて閉幕した。閉幕直後から跡地利用を含む国際博覧会のレガシーのあり方をめぐる議論が盛んに行われた。いっぽうで万博跡地の利活用を含む大阪湾ベイエリアの開発について、さらなる検討が求められる。

    本稿では大阪・関西万博の初期の構想について述べたあと、会場となった夢洲を含む大阪湾ベイエリア開発の経過を紹介する。その上で国際博覧会の跡地開発を含む夢洲の開発と、夢洲を拠点とする都市軸の再整備の必要性について論じる。

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