理学療法症例報告データライブラリ
Online ISSN : 1347-8745
ISSN-L : 1347-8745
5 巻, 1 号
April
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神経系理学療法領域
  • ―脳室腹腔短絡術後の理学療法の役割―
    石井 光昭
    原稿種別: 脳血管障害
    2007 年 5 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/03
    ジャーナル フリー
    本症例報告の目的は,Binswanger病と特発性正常圧水頭症の合併例の脳室腹腔短絡術(VPシャント)後の経過から理学療法の役割を検討することである。Timed up and go testの所要時間は,術前42秒から術後徐々に改善したが10週以降には変化がみられず12週時点でも20秒を要した。平衡障害は改善傾向を示したものの後方突進現象は残存し,またすくみ足には変化がみられなかった。Binswanger病と特発性正常圧水頭症の合併例では,VPシャントの効果に限界があり,術後の転倒予防やシャント術による平衡障害の改善効果を生活に結びつけるためには,回復状況に応じた適切な生活支援の方法を指導することが重要と思われた。特に,すくみ足に対する退院前の指導では,姿勢の不安定性を補完した状態で,状況依存性を考慮した代償的な動作方法や環境調整の指導が重要と思われた。
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