私は1971年に大学を卒業し,2011年に現職に着くまで40年間,脳神経外科医師として大学・医療現場で活動を続けてきました。個人としてはただ夢中で駆け抜けてきた40年間ではありましたが,その年月を振り返り
1.はじめに
旅客1名を1 km運ぶためのCO2排出量を比べると,国土交通省が取りまとめた2013年度値(1)で,鉄道は自動車の1/7程度,航空機の1/5程度であり,環境にやさしい乗り物といわれる。一方で鉄道の運転に使用された電力量は,2014年度値で民鉄とJR各社の合計値で17.72 TWh(2)
1.はじめに
昨今の環境問題への意識の高まりなどから,元々エネルギー効率の高い交通機関である鉄道でも,さらなる省エネルギー化が求められている。ここ数年,我が国で鉄道車両のパワー・エネルギー関連技術のトピックとして注目されているのは,SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体デ
1.背景
イギリスでは,1970年代より長距離鉄道路線においてHST(High Speed Train)と呼ばれる車両が活躍しており,編成中の両先頭車にディーゼルエンジン,発電機,整流装置,主電動機を搭載したDEL(Diesel Electric Locomotive:電気式ディーゼル機関車)方式のシステム
1.はじめに
鉄道車両駆動システムへのパワーエレクトロニクスの応用は,1960年代からの電力用サイリスタおよびダイオードの進展とともに始まった。
1970年代サイリスタ式チョッパ制御装置の実用化から始まり,大容量GTO(ゲートターンオフ)サイリスタの
1.はじめに
近年アメリカにおいて省エネルギーに対する関心とニーズが高まっているなか,鉄道分野でのさまざまな取り組みも始まっている。その一環としてワシントン首都圏交通局WMATA(Washington Metropolitan Area Transit Authority)も実証試験プログラムを2013年に開始し,こ
1.はじめに
近年日本および海外鉄道事業者において,回生電力の有効利用として,地上電力貯蔵システム(Stationary Energy Storage System:SESS)の導入が加速している状況である。
この動きは,地球温室効果ガス削減の一環として導入促
1.はじめに
鉄道事業においては,国土交通省のエコレールラインプロジェクトにより,2030年までに消費電力量の20%削減が求められている。日本の鉄道だけでなく海外の鉄道においても,省エネ・エネルギー効率向上が進められている。
東芝では鉄道エネルギーソリューションとして,鉄道
1.はじめに
大気環境に曝される送電鉄塔等の電力設備は,海塩粒子,酸性雨等さまざまな大気環境の影響により腐食が生じる。腐食評価技術として,従来は,数年から10年程度の長期間を要する金属材料の暴露試験が一般的であった。東京電力では,1年程度の短期間で腐食速度を評価すること
1.はじめに
これまで日本において通信サービスのために打ち上げられた衛星は,1970年代の実験用静止通信衛星「さくら(CS)」を筆頭に技術試験衛星や実用衛星を加えて30機以上である。衛星通信システムでは提供するサービスや使用する周波数帯,あるいはビーム形成法によってアンテナシ
T:S君,このあいだの電気学会誌の問題は分かったかい。
S:えーと,図1のように正方形の各頂点に同じ大きさの正電荷Qを配置した時に,その中で正電荷を安定に保持できるかという話でしたよね。問題では,正方形の一辺の大きさを2として中心が原点になるように座標を設定し
1.はじめに
今月の学生のページは,「すこし人と違った方法」で博士号を取得されたお二人のインタビュー記事です。お一人目は,修士号を二つ取得してから博士号を取られました。そしてもう一人の方は,企業に就職してからスウェーデンの大学で博士号を取られました。この時点で普通ではな
この規格は,1938年にJEC-54直流機 として制定され,その後の技術の進展とともに改正を重ねてきた。2000年の改正では,JEC-2121直流機試験法を組込み,JEC-2120-2000として制定されている。その後,2004年にIEC60034-1がEdition 11.0として全面改正されたことを
1.経済産業省 工業標準化事業表彰等
電気学会が推薦した次の2名が産業技術環境局長表彰を受賞した。これは,標準の策定や適合性評価活動に貢献し,今後とも継続的な活動が期待できる方を経済産業省が表彰するものである。(以下,敬称略)
◎経済産業省 産業技術環境局長表彰
このたび,第10回「でんきの礎」として全9件の顕彰が決定しましたので,その概要をご紹介いたします!
「でんきの礎」(One Step on Electro-Technology)は,歴史的にみて,社会生活に大きな貢献を果たした電気技術の功績を称え,世の中に広く周知することで,多くの方々