歳をとったせいか,昔のことを思い出すことがある。
1950年代の後半に,我が家に白黒テレビが来た。テレビ番組では大相撲や月光仮面などを楽しみにしていた。当時の月光仮面は,私達のヒーローであったが,バイクは砂煙をあげながら砂利道を走っていたように記憶して
1.はじめに
今から7年程前になるが,小惑星探査機「はやぶさ」が大気圏に再突入,見事に小惑星からのサンプルリターンの使命を果たしたことは,記憶に残っているところである。その時の華麗とも壮絶とも言える映像は,国民に大きな感動を与えた。アメリカNASAも成し遂げていない世界初
1.はじめに
「はやぶさ2」は,2014年12月3日に宇宙航空研究開発機構がH2Aロケットにより打ち上げた小惑星サンプルリターンミッションである。「はやぶさ2」は人類未踏の小惑星162173 Ryuguへの往復飛行を目指す。「はやぶさ2」は主推進系としてイオンエンジンを用いて惑星間空間を航行
1.はじめに
小惑星探査機「はやぶさ2」はC型小惑星Ryuguの探査およびサンプルリターンを行うミッションである。電気推進(イオンエンジン)による小惑星往復航行を行い,リモートセンシング観測を行った後に小惑星表面にタッチダウンして物質を採取する。また,人工クレータをつくり小
1.はじめに
「はやぶさ2」は,小惑星Ryuguからのサンプルリターンを目指す深宇宙ミッションである。最遠距離2.45 AU(1 AUは約1.5億km)からの地球帰還を実現するために,探査機から見たそれまでのX帯(7 GHz帯受信/8GHz帯送信)に加えて,新しくKa帯(32 GHz帯送信)
1.はじめに
2003年5月9日にM-Vロケット5号機で打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」は小型のマイクロ波放電型イオンエンジンμ10(ミュー・テン)を4台搭載し,これらによる小惑星イトカワとの往復飛行で2010年6月13日に地球に帰還し,のちにサンプル採取の成功が確認され
1.はじめに
本稿では,「はやぶさ2」が小惑星到着後,最も小惑星に接近する運用であるタッチダウン(TD)に焦点を当て,そこでの航法誘導制御方策を概説する。小惑星に関する情報は小惑星到着後に初めて精度の高い計測が可能となるため,本稿に記述された小惑星サイズ,小惑星重力,そ
1.宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)のミッション
宇宙ステーション補給機「こうのとり」(H-II Transfer Vehicle:HTV)は日本が独自に開発した国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)への物資の補給および宇宙ステーションからの物資の廃棄を目的とした宇宙機である。1994年に開発の検討を開始し,最初の技
1.はじめに
磁気嵐(Geomagnetic Storm)による地磁気変動によって地下に電位差が生ずると,図1に示すように接地された変圧器の中性点を介して送電線に電流が流れる。この電流は地磁気変動によってもたらされるので,地磁気誘導電流(GIC:Geomagnetically Induced Current)と呼ばれて
私が(株)明電舎に入社して真空遮断器(VCB)の開発部署へ配属されたのは1979年で今から39年も前になる。
先日,新入社員歓迎会に出席する機会があり,60才の還暦を過ぎ,そろそろ会社の卒業を控えている私ではあるが,新入社員と会話している内にそのころがなつかしく思
1.はじめに
今日においてインターネットは重要なインフラの一つに数えられる。友人とのコミュニケーションから銀行でのお金の取引,交通システムの管理に至るまで,我々はインターネットに支えられた生活を送っている。また,「IoT(モノのインターネット)時代」と叫ばれる昨今におい