駅が庶民に与えてくれるものは,何といっても「確実に移動できる」という安心感であろう。大都会のそんな〈駅ナカ〉に高級スーパーが現れたかと感心していたら,最近は気軽に立ち寄れるクリニックが目立ち始めた。
1.はじめに
国際単位系(フランス語表記Système international d'unitésからSIと略記する)の基本単位七つのうち,四つの単位について定義改定が2019年5月20日に行われた。単位の定義は計測精度向上への要請や,科学技術の進展に伴いこれまでも何度か改定されてきたが,4単位同時と言
1.はじめに
人類はさまざまな計測技術を開発することで,この世界の現象を解き明かそうとしている。物の質量を正確に測定しようとする試みはその根幹であり,素粒子から惑星までの幅広い対象の質量を測定するためのさまざまな技術が開発されてきた。測定結果の確からしさを検証し,さらに高
1.はじめに
温度は日常的によく計られており,室温23℃,体温36.5℃,あるいは,最低気温10℃というように,セルシウス度(℃)を用いることが多い。しかし,この「℃」というセルシウス温度の単位や,普段測定している温度の目盛がどのように定められているのかなど,意識することな
1.はじめに
マルチメータやインピーダンスメータなどさまざまな計測器で測定される電気量の信頼性を担保するため,産総研では直流低周波に関する11量目の国家計量標準を保有し,標準供給を行っている。なかでも,直流電圧と直流抵抗はジョセフソン効果と量子ホール効果という量子力学的
1.国際単位系の改定とアンペア
2018年11月16日,フランスのヴェルサイユ国際会議場で行われた国際度量衡総会で国際単位系の改定に関する会議が開催され,キログラム,アンペア,モル,ケルビンの基本4単位の改定が審議され新定義が採択された。この改定の様子はネット中継され,(国研)産業技術総合研究所
1.エネルギーキャリアとしてのアンモニア
1.1 CO2削減の中での水素の役割
昨今,地球化温暖化問題に対する取り組みの重要性が拡大している。パリ協定を踏まえた温室効果ガスの排出削減目標として,日本は2030年度までに26%削減(2013年度比),2050年までに80%削減する目標を掲げている。企業経営の中でも投資判断の中でESG(環境,社会,ガバナ
1.はじめに
世界でも類を見ない自販機大国の日本では,自動販売機はこれまでも独自の進化を遂げてきた。
起源は古く太古の昔より使用されてきた歴史ある“からくり”技術は,日本の技術力と社会における治安の良さ,貨幣品質の高さとも相まって,冷蔵庫,ショーケースに続
平賀源内はエレキテルで有名ですが,それ以外にも,本草(ほんぞう)家,文芸家,発明家,陶芸家,画家など,いろいろな顔を持っています。
本草とは薬草のことですが,蘭学者として外国の薬草に関する文献を調査し,諸国の物産をその産地ともに解説し
1.はじめに
居酒屋に入るなり我々がまず発する言葉は「とりあえず生で!」ではないだろうか。ビールの炭酸と一緒にやってくるあの爽やかな苦味,甘みを含む複雑な味わい,きっとその虜となっている方も多いはず。ビールはラテン語の「bibere(ビベール=飲む)」に由来するそうだ。日本人が
倫理委員会では「開かれた技術者倫理のありかた」の勉強会として種々の方に講演をして頂いています。本稿では,エレベータ事故の調査にかかわられた日本技術士会理事の掛川昌俊氏に,「設計と保守の相互補完によるエレベータの安全と倫理」と題し,2018年12月17日にご講