今年はいよいよ1964年(昭和39年)以来56年振り,2度目の「東京オリンピック,パラリンピック」である。前回の6年後の1970年(昭和45年)には『大阪万博』が開催され,今回は5年後の2025年(令和7年)に2度目の『大阪・関西万博』が開催される。
1.はじめに
電気学会では,電気技術に関するオーラルヒストリーを記録し,技術史研究に資することを目的として,1993(平成5)年から電気技術史技術委員会(以下,親委員会)に順次6つの委員会を設置し,電気技術の各分野の専門家や電気学会の名誉員を対象としてオーラルヒストリー活動を
1.はじめに
上田睆亮氏は,電気回路の非線型振動に関わる研究に携わり,後にカオスと呼ばれるようになった現象を世界に先駆けて発見された。また同期機と電力系統の相互作用にかかわる研究など幅広い分野で研究を行い,成果を挙げてこられた。これらの分野の研究・教育を通じ,多数の後進の
1.はじめに
伊藤俊一氏は,昭和30年代から平成初期にかけて関西電力(株)の系統規模が急速に拡大していく時代に送変電技術や系統計画を牽引して来られた。BSSをはじめとする系統安定化装置の開発,変電機器へのAIやガス絶縁の採用など新技術導入に力を注がれ,500 kV交差二重外輪構
1.はじめに
長谷良秀氏は,1960(昭和35)年に京都大学電気工学科を卒業,東京芝浦電気(株)(以下,東芝)に入社されて以来,東芝に36年間,昭和電線電纜(株)に8年間在籍され,半世紀近く一貫して電力技術の分野で活躍をされてきたメーカ技術者である。また,現役卒業後においても電力
1.はじめに
原島文雄氏は,ロボット工学,制御工学,電気工学分野の研究の第一人者として,国内外を問わず第一線にて活躍されるとともに,東京都立科学技術大学,東京電機大学,首都大学東京の学長を歴任された。
2.聞き取りの概要
2.1 生い立ち
原島文雄氏は1940年東京都に生まれ,生後間もなく,
1.はじめに
太田宏次氏は,現場での問題意識を出発点に「給電工学」を確立し,系統運用技術の近代化,電気事業の経営効率化とお客さまサービス向上に多大な貢献をされた。また,電気学会会長時には経費節減と大幅な会員獲得等による学会活動基盤の近代化に貢献された。
1.はじめに
20世紀の技術革新の中で,半導体素子ほどに大きな影響を及ぼしたものはほとんどない。この半導体工学の発展に大きく貢献された菅野卓雄先生は,1931年に東京で誕生し,名古屋,東京,チンタオ,富士市などで学校生活を送られた後,1950年に東京大学に入学された。先生は,
1.はじめに
長谷川淳氏は,電力系統工学が独立した技術分野として歩み始めた昭和40年代初頭より,電力系統の解析・計画・運用・制御に関する研究を推進され,40年以上の長きにわたり,電力および電力系統技術の発展に貢献された。特に,次世代の新しい電力システムとして,「高柔
1.はじめに
桑原彰氏は,(株)東芝の府中工場の制御装置設計課に配属され,数値制御部部長を経て,本社の企画部長,府中工場副工場長,本社統括技師長・新事業推進室長を歴任した後,東芝エンジニアリング(株)社長,外資の日本法人社長を務められた。
1.はじめに
私たちの身の回りでは,さまざまなエレクトロニクスデバイス素子が利用されている。例えば,抵抗器は電荷の流れを制限し,キャパシタは電荷を蓄積する。これらのデバイス素子の特性を何らかの外部刺激によってコントロールすることで,より高度なデバイス動作が得られる。抵抗器
1.はじめに
プラスチックは軽くて強く(比強度が高い),錆びず,複雑な3D形状も簡単に成形でき,また大量生産性も高く,そして低コストであるため,身の回りの日常生活品から工業用品まで幅広く利用されている。自動車,機械,電気・電子分野などをはじめとした工業用途において,特に
1.はじめに
近年,宅配サービスが目まぐるしい変化を遂げている。宅配の需要がますます増加していく中で,宅配業界はどのように変化しているのか。
今回,著者らはヤマトグループが設立した,羽田クロノゲート(図1)を調査した。クロノゲートとは,ギリシャ